終わり…そして始まり
「ふぅ...」
今日は卒業式だった。今はその帰りだ。
『学校がやっと終わる... という嬉しい気持ちと共に毎日顔を合わせていた友達や先輩と会えなくなるという寂しい気持ちもある。』
『なぜ寂しい気持ちになるのか?と思う人もいるだろう、高校にいくとはいえ全然会えないわけではないのではと思うであろう。なぜ、そこまで寂しいと思うかというと...ん?』
何か後ろから走ってくる音が聞こえる。
それがどんどん近づいてきて...
「わっ!!」
「なんだ、アリスか。」
「むぅ…何よその反応は!」
幼馴染みのアリスを怒らせてしまった。
「ごめん、ごめん…」
「まぁ、いいけどさ」
まだちょっと怒っているような…
などと思っているとアリスが口を開いた。
「卒業式終わったね。」
「そうだな。」
「中学校の友達とあまり会えなくなるのは寂しいなー。」
「そうか?」
「えっ!辰野は寂しくないの?」
「うーん…そこまででもないかな。」
「ん?アリスどうした?」
少しした後、アリスがちょっと怒っているような顔をして近づいてきた。
「なっ、なんだよ…」
「絶対に寂しいでしょ!だって聞いたよ!県外に引っ越しちゃんでしょ!私だったら絶対に寂しいよ…」
最初は強めに、最後はじょじょに声が小さくなりながらアリスは言った。
「…」
確かにそう思っているのだが、アリスにそう言ってしまうと尚更心配されてしまうだからアリスの前では言いたくない。
「…」
「…」
「…どうしたの?」
とアリスが言った。
僕は内心すごく慌ててすごいことを言ってしまった。
「いや、さみしくないよ。」
アリスがびっくりしたような顔で言った。
「えっ…!」
「なんで…」
そして僕は続けて言う。
「だって、別れがあり出会いがある。そして、終わりであり始まりだ。それはいまの時期よくあることだ。」
「だから、新しい所へ行っても、そこが始まりだと思えば頑張れと思うんだ。」
僕がそういうとアリスは少し安心した顔をしてこう言った。
「そっか…。私も辰野がいなくなってしまうのは悲しいけど、辰野が頑張れそうなら安心したよ。」
「まぁ、夏休みとかはまたこっちに来るけどな。」
「ちょっと、今それ言う!」
「アハハハハ!」
互いに笑いあった。
そして、別れる道
「じゃあ、またね♪」
「おう、じゃーな。」
そして、アリスは家の方向へ走っていった。
僕は気が抜けた。
「ふぅ…」
そして思った。
『危ない、危ない。しかし…間に合わせで言った割には我ながら良いことを言った気がする。』
頭上に広がる空を見上げる。
『出会いと別れ、終わりと始まりか…』
この時本当に頑張ろうと思う自分がいるのであった。
読んで頂きありがとうございます!
今回初めて小説を書きました!
まだまだ表現や書き方など未熟だとは思いますがどうかよろしくお願いします!