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詩など(象徴詩)

生ぬるいかぜが(詩 三編)

作者: 檸檬 絵郎

 



   生ぬるいかぜが




 生ぬるいかぜが 僕の肩をつつんだ

 僕はひとつ くしゃみをした


 沈んでゆけたなら どれだけマシだったろう

 ただよえるのはとうといけれど

 それには苦悩がともなう


 ユゥラユラ

 ユゥラユラ

 ユゥラユラ


 どこかで 笛が鳴いた



  ______



   よごれちまった十円玉に




 よごれちまった十円玉に

 僕は同情するよ

 机のうえへセットされて ポツンとした君に


 ただし君のためじゃない 僕のためさ

 情けは君のためじゃない 僕のためさ


 お前もよごれちまったなって

 岩屋の番人みたいな目をしていうと

 安心するんだ 僕は



  ______



   浴室の




 浴室の雨音は どこか違う

 浴室の虫の音も 違う


 身体をひたす僕がいるから

 きれいはなにかと問いかける


 泥のにおいは きたなくて

 泡のかおりを かぎたくて

 静かにはねる外の音を聞いて

 きれいはなにかと問いかける


 この部屋から出るころには

 きれいになっている身体

 どうでもいい気がしてきて

 ただ、思うのは……



 きれいになるのは、きれいかってこと。







どこかで、笛が鳴いた。

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