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神獣の執刀医 Case2 消化器内科医トモマサ・ウジハラ「ヤマタノオロチに対する経食道内視鏡止血術」1

神獣の執刀医漫画版の進行が追いつきましたので再掲載です。

なお漫画版とは疾患、結末含めて大きく異なります。

あと、当時掲載していた挿絵が消えちゃった…


書き溜めを投下。2話目は24チックに。

1話書くためにいろいろリサーチが必要なので投稿間隔は結構空くかもです。

今回は男側の主人公。常識人の人間視点で送ります。

1937 サクラ市上空 XP900N オリンピック級 EVISイーヴィス TESLAテスラ内視鏡キャリアヘリ 以下ヘリコプター(内視鏡キャリア)機内

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「タイムアウトします。患者さんのお名前、術式、メンバー紹介どうぞ。」


ヘリコプター(内視鏡キャリア)には宇宙服のごとき防護服に包まれた俺とクローディアの他1人の看護師が搭乗している。

術前にはこうやって、患者と手術手順を医療従事者全員で確認するのが常だ。


「幻獣ヤマタノオロチ、上部消化管出血疑いで内視鏡下止血術を10時間の予定で行います。執刀、消化器内科ウジハラ。」

「助手、眼科クローディア。」

「外回り看護師フランシスです。患者さんに特有の問題点ありますか?」

「既往歴もガッツリあって正直色々問題しかありませんが……何よりも、首が八本あります。」


宣言の後、ヘリコプター(内視鏡キャリア)から下を見下ろし、改めて患者の姿を確認する。

眼下は巨大……という表現に収まらないほどの大きさの蛇で埋め尽くされている。


そして俺たちは今からコイツの吐血を止める。


挿絵(By みてみん)


#################手術前情報###################

【患者基本情報】全長1000m、総重量1500000kg

        極超大型幻獣 個体名「ヤマタノオロチ」

【既往】アルコール依存症、高血圧、糖尿病、肝硬変

【内服薬】アムロジピンベシル酸塩錠、オルメサルタン、メトホルミン塩酸塩、ウルソデオキシコール酸

【患者特有の問題点】八つ首

【術式名】上部消化管内視鏡的止血術 【予定手術時間】10時間

###########################################


さて、今回の上部消化管出血だが、要は食べ物の通り道から出血していることを指す。

ご覧の通り患者は延々と真っ赤な血を吐いている。

出血源の候補は2つ。食道か胃か。


ところで気付いただろうか?

そう、この幻獣には首が8本ある。

胃は1つしかないにせよ食道の数は8つだ。

ただでさえ時間のかかる極超大型幻獣の内視鏡検査をこれから8回繰り返す。

長期戦になることは間違いない。考えるだけで嫌になる。


わざわざクローディアを呼び出したのもこれが原因だ。

内視鏡は俺がやるにしても、10時間コースとなればいつ患者の状態が悪化してもおかしくはない。

防護服に入った俺の全身状態もヤバイ。

なので交代要員兼モニター管理のための人員が一人は欲しかったのだ。


「患者さんの確認取れました。」

「よろしくお願いします。降下開始。」


宣言と共に命綱を頼りに、ヘリから降下する。

着地目標は地面ではなく、幻獣の体内。

ヘッドライトの位置を微調整し、気持ちを切り替えるべく宣言する。


「K282内視鏡的消化管止血術を開始する。」


出血源は体内。であれば体内に誰かが入らなければ止血もできない。

そのため防護服は宇宙飛行士さながらの重装備だ。


1938 経食道内視鏡止血術開始


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幻獣ヤマタノオロチ。古来からサクラ市で崇拝される幻獣だ。

酒好きが長じて、酒を飲んで討伐されたなんて言う伝説が残っているほどである。

八つ首という独特の体型であるのだが、これがいけない。

まず一杯酒を飲むときの満足度が1/8だ。そのせいで人の八倍飲む。

次に飲む速度が8倍だ。人よりも酒が回りやすい。

まさにアル中になるために生まれてきたような幻獣だ。


そして酒好きであることをサクラ市の住民は大体知っている。

必然的に貢物は酒、酒、酒。

一応水の神様なのだが、大体の人間から酒の神様と思われている。

本人も否定しない。むしろうれしい。


一言でまとめよう。

大型のターミナル駅ひとつ分のダメオヤジの山。

それが幻獣ヤマタノオロチである。


こいつを禁酒させるのにROAは並々ならぬ努力を払ってきた。

なんなら法律を捻じ曲げて酒を供えたら厳罰とまでした。

それでも酒は減らなかった。むしろ増えた。

今回も禁酒令が敢行されていたにもかかわらず飲み会中に吐血した。

図らずも禁酒令が無駄だったことを証明してしまったようだ。

医療従事者が倒れた時ってやっぱりコードブルーでいいんっすかね?

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