神獣の執刀医 case1 解説
読み飛ばしても大勢には影響しない解説。
でも読んだ方がより楽しめることは保証します。
作中用語
・クローディア・リドリー
18F 医師 眼科専門医 初期幻獣医
18歳の天才少女。先祖に白内障手術を開発したハロルト・リドリーがいる。
で、幼い頃から自分は眼科になるものだと一切疑問に思わず、というかもっと他の道を考えてみなさいという言葉に一切耳を貸さずに育ったアホの子。
その突出した能力のため飛び級に飛び級を重ね本来であれば30台で取れる眼科専門医を(作者の都合で)わずか16歳で取得(はっきり言おう、無理だ)。
17歳の時ROAからスカウトが入り就職。眼科専門医兼初期幻獣医として働いている。
ちなみにこの業界の研修医とは雑用係。
採血係(朝7時頃に患者の採血を延々とする)とか鈎引き係(長時間のオペで延々と皮膚を引っ張って視野を確保する)とか…。
多分ポテンシャル的にはROA最高クラス。でも若いため色々やらかす。
この子を主人公にいろいろと面白おかしく時にシリアスにかけるといいなあと思ってます。
名前の由来はレンズを眼球内に脱落させることで白内障を治療するという変態的な最古の白内障手術の開発者クラウディウス・ガレヌスと
目の中に人工物を入れるという正気じゃない技法を編み出した近代白内障手術の創始者ハロルド・リドリー。
・ROA
医療法人「アスクレピオスの杖」。
世界中の幻獣の治療を一手に引き受けるこの世界唯一の幻獣治療機関。
幻獣という輸送困難な生物を治療するため基本は往診。
必要時はその場で仮設の診察室を建てて治療を行う。オペ室やICUも仮設。なにそれ怖い。
実は今回の舞台裏では眼科検査を深夜に行ったり(暗いところじゃないと検査ができないので)してる。
僅か2000頭弱しかいない幻獣の治療はその症例の少なさからほぼ一子相伝の状態であり、基本的に各診療科に二人か三人しか医師はいない。
そのためその世代の人間の医師で最高クラスの人材に声がかかる。
創設者はアスクレピオスと呼ばれる小型幻獣。見た目はクローディアと同じくらいの歳の少女。
その圧倒的な経験値と知識量でROAの頂点に君臨し続けている。
・幻獣
神から世界を見守る目的で作り出された獣。
基本的に1種1個体だがその遺伝子構造は98%人間と一致しているため人間の医療技術を応用できる。
体内に一つ以上の特殊器官を持ち、それにより数々の奇跡を起こす。
作中で出てきた幻獣キュクロープスであればレーザーがそれにあたる。
古くから信仰の対象であったが、時代が進むとともに幻獣の奇跡は科学的に解析され人工的に再現される様になった。
その為幻獣の仕事が無くなり食っちゃ寝の生活を続けた結果が今の状況である。
また、幻獣は自分を信仰するものに加護を与えることがあり、加護を得た人間は一種の魔法を使えるようになる。
ROAの職員はすべてアスクレピオスの加護を得ており、その加護は医療の神様らしく身体強化。
作中で3mの金属の棒をぶん回せるのはだいたいこいつのせい。
ちなみにキュクロープスの加護はテレパシー。
量子テレポーテーションを応用したタイムラグの無い通信。
・Johns and Johns
言わずとしれた世界的な医療器具メーカー。ジョン○ン&ジョ○ソンとは全く関係がない。
ごめん、医療器具メーカーまではいまいち詳しくないんだ裏話とかは無しで。
現実世界にもある用語
・水晶体再建術
眼科の中では最も初歩的な手術の一つ。
日本であれば年間120万件のオペが施行されている。白内障のほぼ唯一の治療法。
具体的な手術方法は作中に示したとおり。
ただし見栄えを良くするために微妙に省いている部分もあるから真に受けないこと。
・白内障
カメラで言うレンズが濁ってしまう病気。
その際たる原因は加齢だが糖尿病、有害光線が原因となることもあれば、稀な例では先天性もある。
今回のサイクロプスの白内障の原因は加齢もあるけどレーザーの使いすぎが主な原因。
そんなこと百も承知の神様は通常は再生しないはずの水晶体に再生機能とかつけちゃったり、熱耐性だとか熱遮断幕とかそれはもうごってごてに対策してたんだけど、キュクロープスさんははっちゃけて使いすぎた。
・メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上の症状が一度に出ている状態のこと(wikiより)。
色々と議論の題材になっているし、僕も正しい知識を提供できる気がしませんが、大体皆さんがイメージしたメタボでよいと思われます。
この世界の幻獣は食っちゃ寝の生活をつづけた影響で数多くの生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症など)を発症しており、医療従事者泣かせの身体です。
生活習慣病がどんな病気につながるか、面白おかしく描けるといいなぁとか思ってます。
読者の皆様におかれましてはお久しぶりです。水水水水水です。
以前よりちょいちょい匂わせておりましたが、ようやく漫画化の話が軌道に乗りました。
これに伴い冒頭でも述べた通り2話以降を一旦非公開(というか削除)させていただきました。
漫画版の進行に伴い順次なろう版を再掲載致します。
何卒ご容赦のほどよろしくお願い申し上げます。
遠からず続報を掲載いたします。ご期待ください。
2022.7.31