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彼らの恋愛事情

こんにちは!

チョコレートマカロンです!

完全に曜日感覚がおかしくなり、今の時刻に投稿です……。

すいません。

タイトルどおり、今回は彼らの恋愛事情の話らしいですよ!

「あれ?桃太郎(リーダー)、梨乃達はどこ行ったんだ?」

夕餉の後、六城は梨乃と菊がいなくなっていることに気づいた。

「あぁ、多分湯浴みだろ?

更衣室前の風呂用義手無くなってたし」

「よし、桃太郎(リーダー)

共に桃源郷の狭間を垣間見ようじゃねぇか!」

「…お前なぁ……」


桃太郎は半眼で呆れたような表情をした。


「なんだよ!

いいじゃねぇか!

死ぬ前に1回くらいはやってみたいだろ!」

「それはお前だけだ……

それと、多分入った瞬間、景色を見るまもなく

菊の尋常じゃない足蹴りでマジな桃源郷に送られるぞ」


「アイツ何者だよ…」


しょーがねぇな、と六城は諦めたように言った。


「……なぁ、桃太郎(リーダー)はよ」

「ん?今度はどうした?」

「まあ、少し言い難いと言うかなんというかな…」

「なんだよ、お前らしくないな」


いつもはぶっきらぼうに話す六城が、言いごもる様な仕草を見せる。


「まあ、その……なんだ?

……桃太郎(リーダー)はよ…

その……梨乃のことどう思ってんだ?」


最後の方はぶっきらぼうになるも、やはり恥ずかしがるようにして彼は言った。


「なんだよ、突然。

そりゃあ好きだよ」

「ほ、本当か!」


その返答を聞いた途端、六城は彼の肩を持って迫真したように

もう一度訪ねた。


「あ、当たり前だろ?

梨乃は俺の大切な仲間なんだからな」

「あ……。

う、うん、そうだな」


しかし、その純粋な返答は六城を失望させる結果となった。


「全く、どうしたんだお前。

笑ったり、かと思えば危機としたような顔をしたり、

そう思えば空気の抜けた紙風船みたいな顔になったり。

忙しないやつだな」

「梨乃、すまねぇ……

俺にはこいつをどうすることもできなさそうだ……」

「ん?なんか言ったか?」

「いや……そろそろ俺も風呂に入ろうってだけだ」

「おう?そうか」


そのまま男子風呂へ入っていく六城を不思議に思いながら、

彼はその背中を見送った。



「ど、どうしたの? 菊ちゃん?」


霧の様に湯煙が立ち込める風呂。

菊は突然、今にも入口から入ってくる何かに

蹴りを叩き込みそうな姿勢を見せる。


「……いや、分からない。

本能的に何かが来そうな予感がしたから」

「ほ、本能?

よく分からないけど…いつまでもそこにいると冷えちゃうよ?」

「……そうね。なんで足蹴りの構えなんかしたのかしら?」


菊は首をかしげながら、白く柔らかな身体を湯に沈めた。


「ふぅ……今日も疲れた……」

「ふふ…そうだね。

でも、凄く幸せそうな顔してるよ?」


冷静沈着で、大人びている彼女だが、

風呂で見せる幸福そうな顔は、歳18の可憐な乙女そのものだ。


「そう?

――私だって人間だから笑うし、怒るし、泣くし…

たぶんそれが人より顔に出にくいだけ。

風呂は表情が緩くなりやすいのかもしれない」


湯船の壁に背中を預けながら、彼女は微笑みを漏らした。


「そうだね。

幸せな時って、その中でも1番表情に出やすいのかもしれないね」


すると、菊は少し考えるような素振りをした後に、

なるほどと言うように、梨乃に視線を向けた。


「だから、梨乃は桃太郎(リーダー)といる時は

よく笑っているのか」

「えっ! ち、ちょっと!

きっ、菊ちゃんっ!」


その慌て様をみて、菊は確信した。


「梨乃は、あいつ(リーダー)が好きなんだ」

「そそそそ、そんっ、な!ことは……

なっ……くはないかもだけど……」


最後の方にかけて、萎むように声が小さくなる。


「――まあ、強いし優しいし機転は利くし、顔も悪くない

惚れる気持ちも分からなくはない」

「あ、あぅ」


完全に言い返せなくなった梨乃は、隠れるように

湯に顔を埋めた。


「―――――でもね、一つだけ欠点がある」


梨乃はそれを聞くと、湯に埋めた顔をあげた。


「欠点?」

「そう。

アイツはね…こう……

……あまりにも恋の感情に疎いの」

「う、疎い?」


一瞬、何のことだか分からなかった。


「そう。

自分を卑下してるのか、好かれないと思っているのかしれないけれど。

恋の感情にすごく疎い」


それを聞いた梨乃は、今日の出来事で思い当たる節があるのを思

い出した。


「あぁ……確かに」

「敵の動きに関しては勘がいいのにね」

「…本当にね……。

私が的のどこを狙ったかは知ってるのに、

自分が射抜いた女の子の的は、全然分かってないんだもん……」


頬が赤いのはきっとのぼせたからだと梨乃は自分にいい聞かせた。

すると、菊はゆっくりと立ち上がった。


「まぁ、大変だとは思うけど諦めることじゃない。

思うだけじゃなくて、伝えないとだめ。

……ね?」


そう言うと彼女は艶やかな黒髪をかきあげて、

大人びた微笑を尻目に風呂から出ていった。


「―――――んー……」


菊の言葉が何度も頭の中で反響し、

思いつめた彼女は、再び湯に顔を埋めた。

そして話は動き出す………とかかっこいいことを言ってみたり………

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