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線の先にて待つもの

こんにちは、チョコレートマカロンです!

なかなか更新頻度をあげるというのは難しいものですね、、、、。

まあ、2作同時進行+1プロット再構成なんてやってるからなのですが、、、、。

と、雑談はここまでにしておき、

お待たせ致しました!

2話となります!

どうぞ、近未来都市[江戸]を想像しながら

ご一読下さい!

 謁見用の正装きものから、不要な部分を取り除いた単色の普段着へ着替える。

 肌に馴染んだ服は、いつ着ても心地のよいものだった。

 その後、あらかじめ敷かれた線の上を走る、

 乗車可能な[電力車]に乗り込んだ。

 入り口の横に設置された精算機が、通信機インカムに精算があったことを告げる音を流す。

[動力車]は、ここ数十年でたちまち全国に普及し、

 各地域への行き来が安易になった。

 桃太郎は空いている席に腰を落とし、窓から見える景色を眺める。

 巨大な堤防に囲まれた都市を一望できるその列車を、桃太郎は気に入っていた。

 強固な城壁の上にそびえる江戸城。

 行き交う人でにぎわう都市

 発展都市と化した江戸は、

 服装もある程度の自由が許されるようになった。

 既に着物や髷などの文化は陳腐化し、

 新たな時代へと江戸は歩み出している。

 そんな流れていく景色を楽しみながら、

 彼は今回の闘いを振り返った。


 ―――敵勢22体

 うち、



 人間を模した接近型が16体

 奴らのその外見は、

 ほとんど人形と言えるものの、顔がなく、大きな赫眼が一つ。

 顔面のあるべき場所へ大きく描かれているのみ。

 武器は電刀や電槍などが主に使われる。

 それぞれが甲殻のように堅く、

 それでいて、身体の能力を抑制しないように設計された

 金属製の鎧を纏っている。



 そして、低飛行型が2体。

 こちらは地上より六尺六寸(2m)ほどの低空を漂う飛行型である。

 手足はなく、その代わりと言わんばかりに黒く塗料された翼を持つ。翼とはいえ、取り付けられた[送風内燃機構]より飛行していると言われている。

 40匁砲弾を打ち出すための大筒が3基取り付けられているため、

 素早く行動することは出来ないが、いずれにせよ油断はできない。


 中距離型は2体確認。

 ほぼ接近型と酷似。

 唯一の相違点は、右腕が、熱線を放射する高燃砲と同化していることだ。


 別段苦戦した訳では無い。

 比率、敵勢の数、強さ。

 いつもとほぼ変わらない。

 が、微妙に統率が取れていたように思えたのだ。

 桃太郎が初めて奴ら()と刃を交えたのは5年前。

 その頃は、接近型と飛行型及び中距離型の位置がばらついており、今より遥かに掃討は容易かった。

 しかし、近年になり、妙な動きをする機体が確認されるようになった。

 今回の防衛でも、自分の特性、位置を理解しているように立ち回った機体が2,3機ほど見て取れたのである。

 桃太郎自身、危なかった場面は多々あり、

 部隊全員の消耗も激しかった。

 江戸の[機械化兵士]は数が減ってきており、

 特に、隣の[参〇九区]は、[参〇八区]の次に侵略が激しいと言われ、既に約12人の死傷者が出ている。

 それでも全く衰えることのない敵勢を前に、精神的に狂ってしまった者の数も知れない。

 このまま敵勢の兵力が衰えず、こちらが消耗するだけとなれば、

 江戸はいずれ―――


 ―――()()()



 途端、彼はアナウンスにより現実へ引き戻された。

<車内の皆様へ

 現在、〇区でございます。

 この先、[防衛府]及び、[江戸戦闘指定地区]となります。

 一般のお客様は降車致しますよう、お願い致します>

 いつの間にか、(防衛府)へと繋がるトンネルによって窓の景色は阻まれており、車内にも既に人影は見当たらなかった。

 彼は、そんな不穏な未来を振り払うかのように、

 頬を軽く、平手で叩いた。




「それで?今回はどこをぶっ壊してきたんだね?」

「喜べ爺さん!

 左義手と右義脚だけだ!」

「あ~。

 分かっていたことだけど……。

 これまた随分派手にやったなぁ~」


 防衛府―――三〇八区担当防衛兵士宿舎整備室(メンテナンスルーム)


 佐々木 六城。

 黒い長髪を後ろで束ね、黒すぎない健康的な肌。

 深い漆黒の瞳に、精悍な顔立ちをしている。

 正式に、

 三〇八区担当部隊[桃太郎一団]所属

 紅・拾弐番 佐々木 六城

 と言う。


 番は主にその者の力量を表す証。

 いわゆる{位}。

 その{位}は、{(せき)}{(そう)}{(りょく)}{(こく)}{(はく)}{(こう)}{深紅(しんこう)}と並ぶ。

 中でもきわめて優秀かつ、

 ある()()がある者のみ、

{深紅}を名乗ることが許される。

 紅番以上の{位}を持つものは、称号を与えられる。

 彼は既に数々の修羅場をくぐり抜けた精鋭。

 その代償に、両手足を()()()失っている。

 しかし、それでも江戸を守る[兵士]として、

 戦場にあり続けるその姿はまるで、江戸の従順な忠犬。

 故に、[犬]と呼ばれる称号を与えられた。


 義基数――――4基


「いやな?

 違うんだよ、たまたま[鬼]共の刀が当たっちまってな?

 それでまぁ、ばーんっとこういう訳だよ」

「まあ、大変な戦闘だったのはよく分かったよ」

 老整備士はにわかに笑いながら、

 彼の壊れた[弐式右腕]と[弐式左脚]を確認する。

「……絶対どこかにぶつけたよねこれ?」

「まあ、そうかもしれねぇな!

 まぁ、細かいこったァ気にすんな。

 アンタ天才だろ?

 なら大丈夫だ!」

「…はぁ。

 まあ、いいけれど大切に使ってくれよ?

 ―――取り敢えずこれ。

 代用の[壱式]の右腕左脚、付けとくからね?

 次の戦闘までには治しておくから。

 それじゃあこっち向いて」

「おう、すまねぇな」

 老整備は慣れた手つきで[機械義手]を彼の右腕と左脚に付け替えていく。


 道楽榊。

 参○八区担当機械義手整備士

 および、


 機械義手複製担当()()()

 まさに、[機械義手]の複製コピーに携わった張本人。

 非常に温厚で、皺のよった額と、九十九髪からは創造しがたい、

 どんな破損すらも治す天才。

 まだ謎の多い[機械義手]を完全に治せるのは、

 江戸中でも彼()()であり、ゆえに参○八区を任されることとなった。

「はぁ、こりゃまた大変だ」

 そんな経歴の彼ではあるが、

 六城の破損を見て、物憂い表情と共にため息を零すのである。


 すると唐突に、六城が背を向けている扉が開き、

 1人の女性が入ってくる。

「……[犬]

 お前またそんなにぶっ壊したのか?」

「あ?……なんだ[猿]か。

 どうしたよ?

 お前こそ壊れたから来たんだろ?」

「ちがう。

 私は臓腑機の定期検査。

 馬鹿みたいに暴れ回るアンタと一緒にしないでくれる?

 という訳で、榊爺。

 よろしく」

「あぁ、きくちゃん。

 今付け替えてるから、そこの席に座っててくれる?」

「ん。了解」


 菊と呼ばれた彼女は、六城に怪訝そうな表情を向けつつも、

 老整備士に言われた通り、近くに置いてある古びた椅子に腰を置いた。

 そして、机にあった機械資料をパラパラとめくり始める。

 三〇八区担当部隊[桃太郎一団]所属

 紅・拾四(じゅうよん)番 木枯 菊

 彼女もまた紅番であり、[猿]という称号を与えられた張本人。

 その身軽さや、戦場の足場の悪し良しに関わらず敵を撃退する様を表現した際に付けられたと言われる。

 義基数―――2基

「うるせぇなぁ!

 あれが俺の[やり方]なんだよ!」

「それ()()知らないの間違いでしょ?」

「憎たらしい雑言()()吐けないお前が言うな!」

「言葉を理解できる程度の中途半端な知能は持ってるのな。

 てっきり吠えることしかできないと思ってた」

「チッ…。

 このやろう……」

 歯噛みする六城と、それを他所に機械資料を漁る菊。

 そんな風景に、

 老整備士は誰にも聞こえないように呟いた…

「仲がいいねぇ…」

「「一緒にしないで(くれ!)」」

「(聞こえちゃったか)」

 ……つもりだった。

 老整備士は口元に微笑を浮かべながら、

 丁寧に[壱式]の部品パーツを組み込んでいくのであった。

いかがでしたでしょうか?

戦闘シーン以外のシーンにどう華を持たせるか。

それが今回の大きな課題でした。

どう書けば面白く、飽きなく読んでいただけるのか。

時間がかかってしまい、もう1作については中途半端な状態になってしまいましたが、

良い勉強になったと、思っています(笑)

更新の期間が長いことは大変申し訳ないです!

どうか気長に待っていただければと思います。

それでは、今回はここら辺で。

次話にご期待ください!

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