81、気弱で心優しくて小さくて人形のように可愛い子はどこへ・・・ 肆
大変お待たせいたしました。もう、更新はないと思われたかもしれませんがやりますよw
どこか懐かしい男に抱きつかれて、数分、数十秒かもしれないが、この男の事を考えていた。喉の辺りまで答えが出てきているのだがあともう少しのところで何かが邪魔をする。顔を見れば思い出すかもしれない。しかし、その男の頭部しか見ることができない。もどかしい。
「フラウロス閣下?」
誰かがポツリと呟いた。それを聞いたベリアルは、晴れやかな笑顔になった。
そうだ。思い出した。
「ラド小父さん、お久しぶり。今まで何処に行ってたの? 」
ラド小父さんが満面の笑みで俺の顔をみてくる。しかし、俺には少し雲って見えた。
「ベルちゃん、少し野暮用でね。王国の外にいたんだよ」
「ラド小父さん、もう、お、僕はちゃん付けする年頃じゃないよ。せめて、くんだよ」
和気藹々とラド小父さんと旧交を温めていると蚊帳の外の住人が声をあげた。
「「「「「「少し気持ち悪いのですが」」」」」」
「「お前ら殺すぞ」」
二人は和気藹々とした雰囲気から一変してガヤを鋭い視線で睨み付けた。
「フラウロス閣下、陛下に申し上げることがあったのでは?」
「そうでしたね」
ラフルドは、ベリアルの腰に回していた手をほどき、ベリアルから少し離れた所で半下座をした。
「サタル帝国皇帝、バラン・チャールズ・マルシュナー・アレクシス・サタル陛下がべリアル・オリアス・セアル・オスリス陛下に御逢いしたいと申しておりますので私、ラフルド・ハイラム・フラウロスが使者として親書を携えて参りました」
「そういえば、ラド小父さんはサタル帝国の公爵家に養子に入って、今はサタル帝国宰相だったね。その宰相閣下が直々に来て、ただ皇帝陛下が僕に逢いたいって訳じゃないでしょ? 」
「さすが陛下ですね。皇帝陛下は国王陛下とお逢いになって今後のことをお話したいようですね。会談での一番の目的は、サタル帝国とオスリス王国と同盟を結びたいようなのですね。」
「同盟ですか? 僕が言うのはあれなのですが、御宅とうちは仮想敵国でしょ? 」
「皇帝陛下は、その事を嘆いていらっしゃいますね。そして、今、オスリス王国と敵対するとサタル帝国が滅びますから、敵対する前に一手打っておく必要があるのですね。同盟であれば、私達からも貴殿方からも敵対することができなくするためですね」
「ふぅ~~~~ん。そうなんだ。此方からは手を出すつもりはありませんよ。今までも火の粉が降りかかって来たので、それを振り払ったに過ぎませんよ」
ラフルドは涙ぐみながら言葉を発した。
「陛下は成長なされた」
「う、うん。それと、皇帝陛下に今から逢いに行く」
「逢ってくださいますか。良かったね。ん? 陛下、今からとおっしゃいましたかね? 」
「そう。今から。今からサタル帝国に行くの。善は急げって言うでしょ。それに、僕もサタル帝国皇帝陛下に逢いたかったんだ。ナヴォワジル、ルリ、今から電車で帝国に行くから準備して。帝国に行くメンバーは、ナヴォワジル、近衛隊数名、メイド隊全員。デリックとアグランは忙しいと思うから留守番。以上。早速取りかかって」
「「御意」」
ナヴォワジルとルリは準備をするために応接室を出ていった。しかし、思い出してくれ俺は応接間に入る前にラフルドにしがみつかれたことを………。
読者の皆様。今回のベリアル変ではありませんでしたか?
今回のベリアルは猫を被っております‼‼
書いてて思ったのですが、まだここまでしか書いてないのかとビックリしました。頭の中ではもっと物語は進行しておりますw
誤字脱字がございましたらご報告宜しくお願い致します。




