表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小国の王  作者: 黎明の桔梗
小国群連合戦争編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/88

75、無血開城

今年も早いもので今年最後の日に成ってしまいました。今年の私の日常は4月でガラリと変わり一日が早く感じるようになりました。

読者の皆様はどうでしょうか?

そして、今年一年『小国の王』を読んでくださり有り難う御座いました。来年も宜しくお願い致します。



 




 アイゼンルワールと電話をした一時間後、走行中の車の中でルリの淹れてくれた紅茶と甘いお菓子を楽しんでいると無線からむさ苦しい声が聞こえてくる。



『陛下、外を御覧ください。マカロン連邦の都市が見えてきました。しかし、私の目がおかしいのでしょうか、城壁に白い旗が六つ振られている様に見えるのですが陛下はどうでしょうか? 』



 暗視スコープ付きの双眼鏡で都市を見てみるとその都市は一般的な円形都市に見受けられる。城壁を見ると確かに数十名ほど兵士がいてその内の六人が白旗を降っている。そして、普段は国旗を掲げているはずのところにもすべて白い旗が掲げられている。街の門が開かれて、白い旗を持った三人の騎士が出てきた。



「私もそのように見える。それに、白旗を持った者が出てきたみたいだ。あれが示す通りならば無条件降伏であろうな、しかし、敵の策ならば慎重を期さねばならぬ。最初都市に入るものは二千人程にしておけ、恭順を示しているのであれば次の都市へ進軍だ。恭順でなければアグランにその後を一任する」

『御意』



「陛下、二千の兵は大丈夫でしょうか? 」

「相手方が攻撃してくるのであれば、次の都市が無条件降伏のサインを出しても我が軍は攻城戦を始めるであろう。その様なことを考えずに策を練るとは思えん。そういうことだよルリ」

「その様なことが考えつかず申し訳ありません」

「ルリは、戦争屋じゃないんだからそんなこと考える必要はないよ」



 ルリとたわいもない話をしていると、無線から五・六十代の人の声が発せられる。



『陛下、使者たちは、無条件降伏を提示してきましたので、二千の兵を都市に入城させます』

「兵には一応発砲許可を出しとけよ。まぁ、無抵抗な者に発砲したものは捕らえとけよ。二千の兵が無事であればよい」

『御意』



 この都市で攻城戦をせずにすみ、次の都市でも、そのまた次も、別行動の軍も一戦も交えずに首都マンロニアまでたどり着いてしまった。この間にかかった日数、二日。飛ばしに飛ばしてのこの二日。兵達には過酷な作業だったかもしれない。トラックに乗せられて、数十分経つと陣形を組まねばならないのに、また直ぐにトラックへ。これの繰り返し。兵達には上の考えで可哀想なことをさせた。なので兵達にはこの戦が終われば大宴会が待っていることを伝えている。福利厚生は、しっかりしてないと何時反乱を起こされるかわからないからな。

 で、首都マンロニアはどうなったんだって、そりゃ、無血開城に決まってるじゃない。アイゼンルワール大将軍が頑張って反オスリス派の人間を捕らえてくれていたおかげで、誰一人として血の一滴も戦場に落とさなかった。いや、戦場で誰かの悲鳴を聞いて驚いた料理担当が包丁で指を切って数滴血を落とした。この料理当番は、指はちゃんと繋がってるからな! 切断してないからな! そこ勘違いしたらあかんからな! 分かってると思うけど。



 神創暦494年乾月11の陽、小国群連合戦争は終結した。






よい年をお迎えください。


誤字脱字がございましたらご報告宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ