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小国の王  作者: 黎明の桔梗
小国群連合戦争編

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72/88

71、水を差される

 






 奇襲作戦から四日がたったある日。

 俺は、元とある皇国もといベルデア皇国の皇城の豪華な一室で食後のティータイムを楽しんでいる。

 小国群の制圧状況は、後二か国を制圧するだけとなっている。少し制圧するのに時間が掛かっているが仕方ないであろう。今回の制圧範囲は、馬鹿にならないほど広大な土地である。後の二、三日、遅くとも後四日で、小国群の土地を制圧できるであろう。後は、兵士たちの頑張りようだな。

 しかし、我が国は、東に延びすぎたな。贅沢を言うのならば、もっと均等に国土を広げたかった。王都が国内の西の果てと言うのは如何なものか。と俺は思うのだがな。でも、サタル帝国に喧嘩を売るのはちょっと躊躇われるしな。だが、喧嘩を売られたら買いますけど。今んとこ、買うばかりだしな。


 物思いに更けていると、後ろから声がかかる。



「陛下、紅茶の御代わりはいかが致しますか? 」

「お願いする。ルリも一緒に飲まないか? 」

「どうされたのですか? 」

「ただ、誰かと飲みたくなっただけだ。他意はない」

「御言葉に甘えさせていただきます! 」



 ルリは、少し頬を赤らめながら、嬉しそうに別室に紅茶をいれにいく。



「何か嬉しいことでもあったのだろうか? 」



 その問いは、誰もいない部屋の空気に溶けていくだけであった。



 ドタドタと廊下を走る音が聞こえる。廊下は走るな! なぜかデジャビュを感じる。

 戦争の始まりは、誰かが廊下を走るところから始まっている気がする。しかし、攻めてくる国が思い当たらない。サタル帝国は、皇帝が我が国との戦争に否定的だからあり得ないだろう。バナマス聖国は、ルリによると、教皇が何故か俺を神として崇めているらしい。だから、バナマス聖国は、絶対に攻めてこないらしい。ルリが言うのだからそうなのだろう。ラクバスク騎士国は、我が国の工作によりガルメスタ皇王国に釘付けのはずであるから此方に手を出す余裕がないはず。よって、攻めてこない。ドブマタ連邦は、戦争に反対派が多数を占めていたばずなのだかな。攻めてくるとしたらこの国だ。一万で押し返せるだろうか?


 大慌てで情報局の教員だろう男が入ってきた。



「陛下失礼致します! 火急の連絡であります! 御無礼お許しください! 」

「よい。で何事だ? 」

「小国群未制圧地域に隣国マカロン連邦が侵攻しできました! 」

「はぁ? 」



 パリン────。



 別室の出入り口の方向から聞こえた。俺の声には、怒りが込められていたのだろうか? 俺的には、素っ頓狂な声をあげたはずだ。俺の怒りで驚くわけないよな。高校で俺が怒ってもビビル奴なんていなかったしな。

 でも、男はブルブルと震えているのだが、気のせいだよな? お手洗いにいきたいに違いない!

 待てよ。ドブマタ連邦じゃないだと! 聞いたこともない国が首を突っ込んできただと! それも、我が領土に! しかし、聞き覚えがない。なんだったけ?



「俺の聞き間違いかな? 小国群未制圧地域にマカロニ連邦が進撃してきたって? ドブマタ連邦じゃないのか? 」

「マカロニ連邦でもドブマタ連邦出はなく、マカロン連邦が侵攻してきております! 」

「お菓子が侵攻してきたのか? 美味しかったか? 」

「完全武装した人間が侵攻してきております! 」

「ですよね! ビックリしてしまった。アグランに連絡せよ。直ちに小国群未制圧地域を制圧し、マカロン連邦へ進軍せよ! また、『F-35B ライトニング II』で『一○式戦車』を本国から空輸することを許可する。最善を尽くせ! 以上! 」

「伝令承りました」



 情報局の男は、礼儀正しく部屋を出ていって廊下はドタドタと駆けていった。廊下は走るな~~!

 ルリは落としたポットの破片をブルブルと震えながらひろっている。

 大丈夫だろうか? 俺は、ルリと一緒に割れたポットの破片を片付けるために立ち上がった。それと同時に、ルリは立ち上がり、言葉を発する。



「すぐに、代わりのものをご用意致します。もうしばらくお待ちください」



 ルリはそそくさと、別室へと入って行ってしまった。

 俺は一人になってしまったので、マカロン連邦のことを考えようとする。しかし、考えようともお菓子のマカロンしか頭に浮かばない。マカロン食べたいな。マカロン連邦は、お菓子がうまいのか? など実のない事ばかりしか頭に浮かばない。それもそのはず、内情も分からない国のことを考えようと何も浮かぶはずもない。あぁ、マカロン食べたいな。






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