67、賊
スポーツ観戦と言う娯楽は、大盛況に終わった。反省点を言うならば、観先客の多さと売り子を準備するのを忘れていたことである。観客が多いことに越したことはないが収容人数より多いのはなんとも言いようがない。入場料も大鉄貨とリーズナブルな値段設定や地下鉄による遠方からの集客で拍車がかかっているのだろう。売り子さんは、可愛い女の子をスカウトしなければならない。これに限る。おっさんにビールを売られても美味しくはない。
おじさん! オサワリ禁止ですよ!
張り紙が要りそうだ。
まぁ、今日の一大イベントが成功してよかった。これでしばらくは、ゆっくりと寝られそうだ。
おわすみなさ~~い。
ベリアルは、ベットに潜り込み意識を放そうとしたその時。
ドタバタドタバタドタバタドタバタパリンドタバタドタバタ 待ちなさい! ドタバタドタバタドタバタドタバタドタバタドタバタ
俺は疲れてるんだから寝させてくれよ! 運動会をするならせめても昼間にしてくれ! こっちは徹夜明けなんだから!
あんた!昨日ぐっすりと寝てただろ!
ソンナコトナイヨ
大きな影の人物が大きな音を発てて私室の扉が開く。外の光が強く、その人物の顔が見えない。
「貴様がオスリス王国国王、べリアル・オリアス・セアル・オスリスだな。と言うことは、俺が一番乗りだな。ベリアルさんよ、恨みはないがここで死んでもらう。さらばだ! 」
俺も命を狙われるようになったんだな。それも複数犯ときた。参ったな後どれだけの賊が入ったのだろうか? 賊と言うより暗殺者か。
扉からベットまでは意外に距離がある。命をタダで売るつもりは毛頭無いので反撃の準備をさせてもらう。まぁ、右手でグロック17のクリップを握り、安全装置を解除するだけだが。そして、左手を右手に添えてグロック17を固定する。後は、トリガーを引くだけ。
「そんな物で俺が倒せるのかよ! 頭でも狂ったのか? 国王さんよ! はははぁぁぁ 死ね!!!!!! 」
「やって見なくちゃ分からないだろ。それに無礼じゃないかな? 名も名のらないとは。そっか! 名前無いんだ! 失礼なことをした。申し訳ない。それではサヨウナラ 」
ベリアルが言葉を発した後に轟音が鳴り響いた。雷鳴の如く。
撃たれた本人は、足を撃たれただけなのに泡を吹いてぶっ倒れている。暫くすると、いや、数秒だったかもしれないが衛兵たちが私室に流れ込んできた。そんなに人手は、要らないよ。カタナスが代表して謝ってくる。
「陛下の私室に賊の侵入を許してしまいました。申し訳ございません。私に罰をお与えください! いえ、この失態は、私の責任です。部下への指示が的確ではなかったためです。私の自害によりお怒りをお沈めになってください! 」
全くもって怒って無いのだが………………。カタナスが自害した方が俺は怒る気がする。いや、噴火するだろう。
「俺は、全く怒ってはいないし、カタナスに全責任を負わすわけにもいかない。罰が無いのもあれなので、この一件の背後関係の洗い出しを罰の代わりとする。また、結果により最終的に決定する。以上」
「「「「「「御意」」」」」」
とある衛兵が賊を引きずって行った。何人もいるんだから引きずらずに運べばいいのに。まぁ、背後にいるのは、ある程度わかってはいるんだがな。きっちりと賊には、吐いて貰おう。いや、きっちりとガッチリと絞られて貰おう。これが正確だな。
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