57、オスリス国王の失踪 その壱
バナマス聖国の使者との会談の次の日の朝事件は起こった。
『探さないで下さい。二、三日で帰ります。ベリアル』
このあと数百年語り継がれる歴史的大事件のオスリス王国の国王失踪事件である。
神創暦493年清月4の陽の朝のことである。とあるメイドが朝食の準備が出来たため、ベリアル国王陛下を起こしに代官邸の陛下があてがわれている部屋へ行ったところ、陛下は居らず代わりに、置き手紙があった。
『探さないで下さい。二、三日で帰ります。ベリアル』
そのメイドは、代官邸にいた将軍二人に報告したことにより、オスリス王国国内が蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
しかし、当日に陛下がオバリの王城に戻ったことでオスリス王国内の火事場のような騒ぎは、落ち着いた。
ここで気になるのが、ベリアル陛下が何をしていたかということだ。その真相は、数百年たった今も明らかにされていない。
俺は、置き手紙を書いて、代官邸を誰にも見られずに、抜け出してきた。この時間は門が開いてないからな~と思いながら通用門を使うことにする。門番はこころよく通用門を開けてくれた。門番にお礼と心付けを渡して通用門を出た。街道を外れて人がいないところで、垂直離陸可能な機体を探すためにパネルを出す。まぁ、ヘリコプターでも買おうかなって思っていた時がありました。それよりもカッコいい、VTOL機というのを見つけてしまったのだ。よって『F-35B ライトニング II』を購入することにした。それに色々と後付けをする。それを5機購入する。307.5億ポイントもかかった。単体としてここに来てから初めてこんなにも高いものを買った。『MP5』を大量に買ったときはもっとしたが。
しかし、VTOL機を子供、小3が操縦していいのかという問題か生じる。車はまだしもVTOL機はと思うところがある。
『車もダメだからね。絶対に良い子は真似をしないように!!』
異世界ってことで置いといて、『F-35B ライトニング II』の運転マニュアルを読むこと32分。
運転の仕方がわかったし、さっそく『F-35B ライトニング II』を操作してみよう!
『F-35B ライトニング』をあんなに軽い感じで操縦するものではないことがすぐにわかりました。最高速度を試しにしたらものすごいGでした。死ぬかと思いました。ふとある方の名言が頭をよぎりました。『人は簡単には死なん! 』、死にますから!
今、『F-35B ライトニング』でバナマス聖国の領空を飛んでいる。今からバナマス聖国の聖都・エルバに向かっている最中だ。なぜ向かってるかだって何となくだよ! もうすぐエルバ付近だからじゃあね!
エルバの近くで人目がないところに『F-35B ライトニング』を着陸させて、回収する。エルバの門の前には長蛇の列ができていた。やっぱりバナマス教の聖地だからかすごいな。それに、昨夜から待ってる人もいるものな。
お前どうやって街のなかに入るんだって思った貴方に街への入りかたを教えてあげましょう! まず始めに身分証となるものを用意します。さて、何を身分証にするかそこで私は冒険者ギルドカードを選択しました。よって、冒険者ギルドカードを用意します。以上。
お前どうやって冒険者に成ったんだって思った貴方にいい言葉を教えてあげましょう。『そこは、置いといて』ということです。一応は記しておくが冒険者ギルドのテンプレはございませんでした。申し訳ございません。
「次の者! 」
やっと、私の番になりました。ながかったな~。
「おや、坊や一人でどうしたんだい? 」
「バナマス教の聖地を見たいと思いまして遥々やって来ました! 」
「そうかい。楽しんでいってくれ。そうそう、身分証を見せてくれるか? 」
「これでいいですか? 」
「坊や、冒険者だったのか! 」
「はい。ぺいぺいですが」
「だろうな! ハハハハハハ。通っていいよ! 」
「ありがとうございます! 」
「おう! 」
はい。エルバに普通には入れました。一応敵国の首都に王が一人めっちゃ危ないよね。バレれたら。と考えながら真っ白な石畳の大通りを通ってバナマス教総本山の聖エルト大聖堂にたどり着いた。門番に教皇宛のお手紙とマウロが忘れていった文書を一つの封筒に入れて渡す。が門番に突っぱねられたので仕方なくオスリス王国の使者として門番に渡すと、慌てて大聖堂に入っていった。
それから数十分後、門番が全身甲冑の騎士を連れてきた。お偉方さんかな?
「使者殿、ご案内いたします。付いてきてください」
「はい! 」
ここでは、坊やを演じます。
「使者殿、ここでお待ちを」
「はい! 」
騎士は、豪華な装飾をされた扉を開けて入っていた。扉を騎士が開けたことにより中の声が聞こえてきた。
「教皇陛下、オスリスにこの様な莫大な賠償金を支払うことはありません! こちらの方が被害が甚大です! 我が国が賠償請求すべきです! 」
「攻めいったのは事実ですし 。割り引いてくれれば良いのだけれど」
「わが大国がそこまで譲歩する必要がございません! それに、わが国の敗戦宣告などもっての他です! 」
「そうだとも! ディキケットに駐屯している聖字軍でオスリスを叩きましょう! それに、帝国に応援を呼べばよろしいのですよ! 」
「貴様は、わが国と帝国が中の悪いことぐらい知っているだろう! 」
「何を!! それぐらい知っておるわ! 」
「オスリス王国の使者殿をお連れいたしました! 」
「「「お主は黙っておれ!!」」」
「皆さん、お静かに! 使者殿をお連れして」
「は! 」
議論は、雨模様だ! あの中に入るの嫌だな~ ここまで来たら無理か仕方ない腹を括ろう。
扉から入るとまっすぐに赤絨毯が敷かれておりまっすぐ見ると丸い円卓があり、そこに五人が座していた。その奥に5段の階段の上の玉座に可愛らしい幼女が座っていた。
「使者殿どうぞ中に」
俺は少し進み膝をついて発言する。
「失礼いたします。アデリーナ・リリアーヌ・ツァイツラー教皇陛下。私は、オスリス王国から使者としてやって参りました。セアル・ウォットと申します。以後良しなに」
「馬鹿が大事なものを忘れたために遠路はるばる御越しいただきありがとうございます。それと、オスリス王国国王陛下には、我が国の使者がとんだ失礼を致しましたことを謝らせていただきます。申し訳ございませんでした。また、書面でも書かしていただきます」
「おきになさらず」
「いえ、そのようなことは! しかし、私は貴方にお会いしたことがありますでしょうか? 」
「そのようなことは御座いませんと思います。汎用な顔ですので誰かと間違われているのかと」
「その様なことはないかと」
教皇は、はっとして、首からかけていたロケットペンダントを開けて見て、また、はっとした顔をつくる。顔の運動でもしているのだろうか?
「枢機卿の皆さん少し外して下さい。私は使者殿と二人っきりでお話ししますので」
「しかし、使者と二人っきりなど」
「早く出ていきなさい!!」
「「「「「御意」」」」」
枢機卿が部屋を出て幾度に睨まれました。扉が閉められてカチャッという音が聞こえたのだが幻聴だよね! 今この部屋には、教皇と俺の二人だけ超気まずいです。
「申し訳ございませんでした。べリアル・オリアス・セアル・オスリス神様」
教皇は、玉座から飛び上がってから階段をかけ下り土下座をしているはず。だって俺は膝ついてるし、目線の先には円卓だもの。どうしたらいいかわからない雰囲気です。
ベリアルって冒険者だったんですね作者もビックリです。
冒険者のランクを書いておきます。世界共通です。(練度、カードの色)
S(人外、白金)>A(化物、金色)>B(達人、銀色)>C(熟練者、銅色)>D(一般者、白色)>E(素人、茶色)>F(見習い、黒色)
です。ちなみにベリアルはDランク冒険者です。
誤字脱字がございましたらご報告宜しくお願いします。




