52、バナマス聖国からの書簡
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オスリス王国旧バナマス聖国領内においてのバナマス教信者のゴタゴタが落ち着き始めたある日に、バナマス聖国から一通の書簡がオバリに届いた。
朝夕涼味を覚える頃、貴国ますますご隆盛のことと大慶に存じます。
終戦したく思い筆をとった次第であります。貴国は、最近各所に目覚ましい発展が見受けられます。今後の行く末が気になるばかりであります。この度は、此方の不手際により貴国には、多大なるご迷惑をお掛け致しましたこと誠に申し訳ない。よって、今回は、オスリス王国国境線からルケニヤ山脈稜線及びオルケニヤ山脈稜線以南領土と第三都市ドーマ以南領土を割譲する。これをもって終戦としたこととする。よってドーマで条約受諾したく思うのでそちらに向かう。
成る程。要約するとお前みたいな小国に負けたでは国際的に問題があるから条約で領土をくれてやるから穏便に済ませろ。プラス終戦にしてやる。それともやるか? やるなら総力戦だおら。
ということらしい。
まぁ、今からバナマス聖国と総力戦をしていたら不利なのは此方だし、領土を拡げすぎて兵士が少ない。それに、バナマス聖国だけとやりあっていたらサタル帝国、ラクバスク騎士国、ドブマタ連邦に横やりを入れられかねない。だから、受諾するしかない。表面上はそうしておくか? しかし、オスリス国軍の兵士が汗水垂らして拡大した領土をやると言われてもな。釈然としない。でも、数には勝てないし悩ましい。オスリス国軍兵士に平謝りだな。
行きますか! ドーマに!
「ダメです! 」
そばにいたルリに止められた。
「俺何にも言ってないぞ! 」
「お顔がよし行くか! という顔をしていました」
「ソンナコトナイヨ」
俺は、ルリとは反対方向を向いてロボットのように言った。ルリは俺がどんな顔をしたらこう考えていると分かるのか? メイドだから分かるのか? ルリだからわかるのか?
「目をそらして片言でしゃべってもいけません」
「視察だよ、し・さ・つ! 」
「あんな危ない所に陛下を行かせることは出来ません。それに陛下をあ………んん」
「どうしたんだ? 『あ』がなんだ? 」
「そんなこと言いましたか? 」
こいつ、平然と嘘つきやがった! これはあれを言うしかない!
「嘘つきは泥棒の始まりなんだぞ! 」
「はぁ、それがどうしたんですか? 」
俺は、ルリがあたふたすると思って言ったのだが冷たくあしらわれたあげくに、冷たい視線をルリから感じる。やめて! この子大丈夫? 見たいな視線を! 一応君の主人なんだよ!
「じゃ、護衛を付ければいいんでしょ! 」
「護衛が付いていても万が一と言うことがあります! 」
「アグランと第一オスリス国軍から数名護衛につけたらいいしょ! 」
「しかし、間に合いません! なので、ダメです! 」
これでどうだ! と言わんばかりのどや顔に胸を張る。嬉しいことにルリにはメロンがちゃんとついている! 眼服、眼服。しかし、俺には妙案がある。とても早く走行できる物が我が国にはある!
「車を使ったらいい! 」
「あ! 」
ルリが忘れていたとばかりにあたふたし始める。体が小刻みに震え始める。大丈夫であろうか? あのドライブは五月蝿かったが楽しかったな~
そろそろルリにはこちらに帰ってきてもらはなければ!
「ルリ、大丈夫か? ルリさん? ルリさん一緒にドライブにいこうか! 」
「ケッコウです~~~~」
ルリが全速力で逃げていった。これで俺をドーマへ行くのを阻むものはいない! では、レッツゴー!
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