51、バナパンヨバ三国同盟戦争 其の拾壱
「エフゲニー! 我を誰だ、と思って、おるのだ! 我を、呼び出、しよって、からに! 」
貴族の皆が集まり、最後にぶ、んん、失礼間違えました。最後にオー、んん、失礼間違えました。喉の調子がよくありませんで。ベルナルト・スヴャトポルク・ヴァルヴァラ・パンナタが現れて王座にノサノサと座って第一声がこれだ。こいつは状況を分かっていっているのだろうか? 豚にはわからんか。いや、豚ならわかるか。豚を侮辱したことをここに謝罪致します。愚王はそれ以下ということか。俺もこんなことを考えている暇はない。
「オスリス国軍の対応はどうなさるのですか? 」
「エフゲニー、決まっ、ておろ、うが。パンナ、タ王国、内にい、る全兵、力を持っ、て追い、返せ!」
「宰相殿、国王陛下がおしゃる様にせんか! 」
「そうじゃ! 」
「おっしゃるとおりに! 」
「宰相殿は、我らを差し出すと言うのか! 」
「お早う、実行せい! 」
豚王、貴族どもは、この状況をわかっていているのか! どっちを選んでも死ぬということをわかってるのか? 分かっていないだろう。抵抗すれば王都は壊されるであろう。無抵抗なら壊されることはないはずだ。貴族どもの言い分は聞きあきた。
「親衛隊、王及び貴族どもを拘束せよ! 」
「エフゲニー! 貴様、何を! 」
「潔く死にましょう」
「宰相、我らを誰だと! 」
「貴様ら離さんか! 」
「親衛隊、王と貴族どもを西門まで連れていく! 」
「はっ! 」
三等親かどの様にしようか? 連れていくには人手が足りんしな。オスリス国軍任せるか。そのためには紙に纏めるか。後半刻で出来るもんだろうか? 小飼どもを使ってしようか。
小飼たちを使ってやっと出来た! 後どれくらいだ? 後八半刻もないではないか! 急がねばならんではないか! 西門つくことはできるのか! いや、着かねば!
第一オスリス国軍の皆が固唾を呑んで、この時を待ち続けていた。もうすぐで猶予の一刻がくるのである。
パンナタ王国王都・ナタルタルの重たい大西門がゆっくりとギギギと音を出しながら開かれつつあった。やっと人一人が通れる広さまで開かれると、そこから背の高い男が出てきて言いはなった。
「私はパンナタ王国宰相、エフゲニー・スメルティンである。オスリス国軍の要望通りに無血開城と貴族たちを引き渡す。後一つ、兵士が足りなくて三等親までここに連れてくることが出来なかったからこの書に纏めておいた。受け取ってくれ。といって投げても届かんから渡しに行く」
「分かった。手を挙げながらゆっくりと儂の方へ来い! 」
「分かった」
アグラン・ナベリウスは、エフゲニーから三等親までの書かれた書を貰い、すぐに西門へ入り、そこで拘束されている貴族たちをナタルタルの牢獄へ入れ、書に書かれていたものも牢獄へ入れた。
神創暦493年清月1の陽にパンナタ王国は地図から姿を消した。
こうして、バナパンヨバ三国同盟戦争が終結した。いや、バナマス聖国以外の二国とは戦争が終結した。後は、バナマス聖国がどの様に出てくるかだ。
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