41、バナパンヨバ三国同盟戦争 其の壱
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「チカロフ枢機卿そろそろタルガナが見える頃です」
バナマス教・枢機卿のマウリシオ・アデリーナ・チカロフは、聖字軍を率いてタルガナへ向かっている。率いてといっているが別に聖将軍が居るのでお飾り的存在である。しかし、枢機卿の方が聖職位が高い。戦でも枢機卿が飾りと言えど命令には従わなければならない。
「そろそろかね。待ちくたびれたわ。よう~やく聖字軍の戦いが見れるわ。楽しみじゃの~。お主は思わんか? ラグルス」
「はっ」
「はっ、はないじゃろ。意見をのべぬか」
「恐れながら、私は、成り立ての国内司教でごさいます。枢機卿猊下に意見を申すなど畏れ多いことです」
「その様なのとどうでもよいわ。さっさと述べぬか」
「御意。私が思いますに聖字軍は、戦慣れしていないと思われます。ですので、不意の事態に脆いと思われます。」
「お主もそう思うか」
「バナマス聖国は此処数十年戦をしておりませんから」
「良いところが裏目に出るとわの~」
「しかし、聖字軍は軍事演習で魔物と戦闘をしておりますから」
「魔物といてってもな~」
「チカロフ枢機卿、タルガナが見えました」
「立派じゃの~、第四都市・モズマクワ、レベルじゃの~」
チカロフは、タルガナに見とれていた。にやにやとしながら。チカロフの目から炎が出てくるかと思われるほどにメラメラとしていた。数十分たった時に聖騎士が
「チカロフ枢機卿、布陣整いました」
チカロフ枢機卿は気付かない。ラグルスが聖騎士を外で待たせ、大声で
「チカロフ枢機卿」
「ビックリするではないか!! 何事だ? 」
「布陣が整ったようです」
「そおか~」
「どうかなさいましたか? 」
「いや~。少し引っ掛かっての~」
「あの、チカロフ枢機卿猊下、ボレス聖将軍閣下から言付けです。進撃してもよろしいでしょうか? 」
「ボレス聖将軍に、進軍せよ。ともう一つ、奮戦に期待する。とな」
「はっ、失礼します」
「チカロフ枢機卿、よろしいので? 」
「なにか解らんからの~。それで部下を振り回すのわの~。それに、援軍が来る前に落としたいからの~」
この場に、静寂がやって来た。外から聖字軍の足並みのそろった、進行の足音が聞こえてくる。
それ以外に聞こえてくるのはな……………
「パァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーパァーン」
「ドードードードードードードードードードードードードードードードードードードードードードードードードードードードードードーン」
「なっなんの音だ!!」
「チ、チカロフ枢機卿外を見てください」
「こ、これは……………」
其処に在ったのは、玉が兵を潰し、玉が破裂して兵の身体をばら蒔き、地面を緑から真っ赤に染め上げる。そして、生きている兵は、何が起こったのかわからず、立ち尽くしている。そこに、玉が落ちてくる。また、玉が兵を潰し、玉が破裂して兵の身体をばら蒔き、地面を緑から真っ赤に赤いところはもっと濃い赤に染め上げる。繰り返しである。やむ気配がない。そこはまさに地獄。地獄の方がまだかましかもしれない。
「……………枢機卿逃げましょう」
「し、仕方ない」
顔が真っ青なチカロフ枢機卿が杖で馬車の天井を三回つつく。
「どちらまで? 」
「バナマス聖国の一番近い都市に行くのだ」
馭者が小窓から嬉しそうな顔を覗かして、
「チカロフ枢機卿は、此処で眠るのであります」
ラグルスがチカロフ枢機卿の首をチョップする
「ラグルス逃げ…………き、貴様、何を…………」
チカロフ枢機卿がラグルスを睨みながら崩れていった。ラグルスは、チカロフ枢機卿をロープで拘束する。
「猿、どこに向かえばいいでありますか? 」
「本部に連絡するから待て」
「『猿から本部へ、チカロフ枢機卿の身柄をおさえた』」
「『本部から猿へ、西門へ向かえ』」
「『御意』 西門へ向かってくれ」
「分かったであります」
「遠回りしていけよ。玉には当たりたくないからな」
「同感であります」
読んでくださりありがとうございます。
さて今日は、私の誕生日です。図々しいのでありますが、皆様からの誕生日プレセントとして『小国の王』を読んだ感想がほしいです。悪い点でもかまいませんので書いて下さいませんか?
今後とも『小国の王』を宜しくお願い致します。
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