40、バナパンヨバ三国同盟戦争開戦
俺は今、オバリの軍事省総司令部にいる。本当は、コチアズラの東部司令部に居るはずだったのに、俺が、通信を使った現状把握の提案により、そんな危ない所に居る必要がないと、側近からの猛反発を受け、仕方無くとても安全な王都に居るのだ。やらかした。後悔している。
なので現在、第五オスリス国軍を指揮しているのは、カタナスである。近衛隊の隊長が護るべき主を置いて全線に出てるとはけしからん。護るべき主が前線に出た方がけしからんだと! そうかもしれんが、前線に出たかった。
現在、第五オスリス国軍は、北カンナルの崖線から1kmの位置に五列横陣の構えで陣取っている。最前列には、百門『M1910/30 107mmカノン砲』最後列には、五台の井闌車が陣取っている。そして、兵士皆が『MP5』を装備している。第五オスリス国軍は、万全の構えで敵兵・ヨバタラカ公国兵を待ち構えている。
ナリンでは第一オスリス国軍が、タルガナでは第二オスリス国軍が、敵はまだかまだかと待っている。両都市の城壁には、60門の『M1910/30 107mmカノン砲』を扱う兵と一応の護衛の兵が『MP5』を装備し、城門前には、掃討命令待ちの兵がこれまた『MP5』を装備して待機している。ナリンの西門の外には五台の井闌車が、タルガナの南門には十台の井闌車が待機している。
ボマセイとゼビルナンの居残り兵士たちは――――――――――。控えておこう。
オスリス王国は、準備満タンで敵・バナパンヨバ三国同盟兵士いや軍隊を待っている。今か今かと。
「デリック、予測としては、敵は何万の兵で押し寄せてくるのだ? 」
「外務省情報局からの報告によると、パンナタ王国からは約二万、ヨバタラカ公国からは約四万、バナマス聖国からは約五万、本当に大丈夫でしょうか? 」
「新兵器があるから大丈夫だって、へストンが頑張ってくれる。それで、ナヴォワジル今の数字あってる?」
「今さっき入った情報によると、バナマスからパンナタに二万の兵士が送られたそうです」
「そうか、だいたい同じ位に調整した見たいだな」
「そのようですなぁ、陛下」
「北部、東部、北東部前線、司令部に、『皆の帰還を宴の用意して待っている』と送れ」
「御意」
見知らぬ通信兵が答える。
「東部司令部より入電、『たくさんお酒を用意てもらおう』」
「北部司令部より入電、『精一杯頑張ります』」
「北東部前線司令部より入電、『たくさんお酒の用意をお願いします』」
司令部三つの中から二つがお酒って、大丈夫か?
「北部司令部より入電『敵軍、第一次警戒線侵入、敵数約四万』」
「北部司令部に『敵軍後部が射程圏内に入り次第攻撃せよ。後は、任せる。逐一報告せよ。』以上」
「北部司令部より入電、『御意』」
「敵さんは、数を揃えたみたいだな」
「はっ」
敵さんは、どの様に踊ってくれるのだろうか? 楽しみだ。




