32、バナパンヨバ三国同盟
エフゲニー視点
俺は、マヨバカの王宮の豪華な応接室にいる。豪華なふかふかのソファーに座ってヨバタラカ公国の公王、トマス・サンドロ・ボニンファンテを待っている。しかし、遅い遅すぎる。なぜこんなにも遅いんだ!
コンッコンッコン
「失礼する」
俺は、膝まずいた。
どっかで見たような老年の男と公王、トマス・サンドロ・ボニンファンテが応接室に入ってきた。
「面を上げよ」
とどっかで見たような男が言った。誰だったかなこの男。えっと、ウーン、あ! 思い出した。バナマス教、枢機卿マウリシオ・アデリーナ・チカロフ猊下、なぜこんなところに………………
「どうしたのかね。エフゲニー・スメルティンくん? 儂が此処にいたらおかしいかね? 」
「いえ、お恥ずかしながら、猊下のことが思い出せませんでして…………」
「儂は、現教皇から枢機卿に指名されたばかりで、あまり公の場に出る機会がなかったからな、さて、なにようで参ったのだ? 」
「枢機卿、それは、私が問うはずではなかったのですか!」
「主は、黙っておれ」
「しかし」
チカロフ枢機卿がボニンファンテ公王を睨んだ。公王は萎縮してしまった。
「で、なにようで参ったのだ? 」
「オスリス王国に攻め入ろうと思いましてバナマス聖国とヨバタラカ公国に協……」
「嫌じゃ」
「しかし、オスリスが手に入れば………」
「御主、儂が知らんとでも思っているのか? オスリスの新兵器、アノ化け物のようなものに挑むのは、馬鹿のすることだ」
「ですが、オスリスがアレを持っているとしても、限度というものがあるはずです。全軍が持っているはずがございません」
「だがの~、オスリスの軍の規模が元に戻ったそうではないか? それと、負かされた国にまた喧嘩を売るのか? もしや、賠償金を払うのが嫌だからか? 」
「軍の規模は、元より一万程多くなっております。それと、隊数が一つ増えました。負けたままとは生きません。ですが、我が国だけだと、前回の二の舞になりますので、賠償金は、高すぎます」
「それが、オスリスの策だとしたらどうだ? 」
「あんな子供が…………」
「子供? 子供とは誰の事だ? 」
「べリアル・オリアス・セアル・オスリスです。現オスリス国王です。」
「宰相たちが操っているという可能性はないのか? 」
「条約は、私と子供が話し合って決めましたのですが? 子供がそんなに覚えれるだろうか? 」
「そうさな~、しかし、子供が………、それが本当ならば、その子供は、化け物かもしれんな。しかし、それが策ならばだがの」
枢機卿は、嬉しそうに微笑んだ。
「御主、面白そうだから、一緒にオスリスを攻めよではないか? それでよいな公王? 」
「枢機卿の意のままに」
「チカロフ枢機卿猊下ありがとうございます」
「で、御主、オスリスをどのように攻めるのだ?」
「三か国、同時に攻めます。バナマス聖国は、タルガナまで、ヨバタラカ公国は、北カンナルの都市群を、我が国パンナタ王国は、ナリンまで攻めます。それからジワジワとオバリまで攻めましょう」
「コチアズラは、どうするのだ? 」
「早い者勝ちですね」
「なら、ヨバタラカ公国がもらい受けますかね」
「どうでしょうか」
「ハッハハハハハハハハ、わかった。それでいこう。纏めてもらえるかな」
このあと三人(二人)で話し合い折り合いをつけた。
ファブリスに教えてやらねばな。これで汚名を灌げる。覚えてろよ。餓鬼が~
オスリスが三人で会っていることを知っているがその事を知らない三か国であった。




