16、井闌車2
俺は砦を見ていた。俺の感覚的にこの世界の砦とは、城塞都市のことを言うみたいだ。今さらだが。後ろを向くと、大きな台形の箱が4つ並んでいる………。
井闌車運転練習組の皆は、運転に慣れてきて、運転を楽しそうにしている。速度は遅いと言われていたが、最高時速70kmもでる。ビックリした。踏み込みすぎたら多分城壁にぶつかる。っていうか、崖にもうぶつけた。誰とは言わないが………(アグランです)。井闌車には傷ひとつういていなかった。丈夫すぎると思うのだが。まぁ、皆運転になれたので、城(砦?)攻めに入りますか。
井闌車は、四台出してある。四方向から攻めるつもりだ。準備ができたので俺が大声で
「降伏せよ。降伏するのであれば、命は助けよう。今すぐ返答せよ。」
「降伏などするか。バカではないのか。その兵数ではこの砦は落とせまい。」
との返答があったので本気でいかしてもらおう。
自軍に向かって
「敵兵の降伏しない者には死を、降伏する者には拘束を。民間人には手を出すな。出した者には罰を受けてもらうからな。」
「「「「「御意」」」」」
「井闌車に乗車せよ。」
「「「「「ハッ」」」」」
井闌車を運転するのは、アグラン、カタナス、ルリ、へストンである。ちょっとアグランが心配だが………
「陛下、全軍用意できました」
「ウム、では」
俺は声高に
「全軍進軍」
「ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ」
「ウ~ウ~ウ~ドン」
攻めてこれまいと思っていただろう砦の衛兵たちが度肝を抜かれている。城壁まで登ってこないと思っていたのに目の前にいるのだから。
「ババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババッ」
砦の門が開く。俺は取手内に入る。目の前には、城主(砦主?)は拘束されて俺の前にいる。砦主が俺を見て怯えている。俺は怯えられるような人間ではないはずだが?
「城主よ、この砦には住人は何人ほどいるのだ?」
「そんなところではないは、早くこの縄をほどかぬか! これでもこの国でまぁまぁ偉いのだぞ。」
「カタナス、こやつを地下牢にでもほりこんでおけ。地下牢はあるよな?」
「陛下、ございまじた。それと地下牢にいるものはどうじだらよいでずか?」
「なんか怖いからそのままで。でもはめられた人だったらかわいそうだからわかりそうな人に聞いて俺に報告してくれ。それで決める。」
「ハッ」
アグランが砦主を地下牢に連れていく。
「へストン、片付けの指示宜しく」
「ハッ」
「嗚呼、住民たちには優しく接しろよ。もう我国の国民なのだから。」
「御意」
俺は、近衛兵を数人連れて井闌車をアイテムボックスに入れていく?一台、井闌車が足りない…………。




