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家の掃除機が異世界に繋がっていた。最終話 無事戻り、何故か再び行く羽目に?!

「天! 今日は何処へ連れて行ってくれるんだ?!」

「……動物園、楽しかった……」

「はいはい、ちょっと待ってろって!」


 天は己の部屋で天を急かすスーロとティーを宥めつつ、身支度を調える。

天が異世界から戻り、早1週間――

何故か週末にスーロとティーを各所へ案内する事が決まってしまっている。


「……何でこんな事に……?」


 無事元の世界に戻れた事は有り難い。

しかし、スーロとティーまでもが天の家族としてこの世界にやってきた事に対し、若干の憤りを感じつつ、天は深い溜息を吐いた。




 封印された魔物を取り込み、襲ってきたデリスを打ち倒した天達に、新たな敵が近付く。

生命錬金術師のクリエだ。

クリエは入手した姫の髪を使いティーを想像した主だった。

自分が無事、避難出来た際に回収する筈だったティーを起動の儀式毎天に奪われ、それを知ったクリエが天に攻撃を仕掛けるが、天にはクリエの能力が一切効かず、返り討ちに合ってしまう。

それは、無意識に天が花腕輪に施した『己を惑わす力を無効化する力』の為だった。

生まれて初めて目視する人間を主とするホムンクルスはティーにも適応されており、己の主を天と決めてしまっているティーの姿を見、クリエは姫に対する思いと共にティーを手放す事を決めた。

こうして無事敵を一掃し、天達は封印を守る者の元へと辿り着く。

封印を守る者は、偶然発見した召喚術が己にも発動出来るか試しただけだったという。

召喚師は一子相伝で、この封印を守る者も元を辿れば同じ一族であった為だ。

どうにか元に戻る術を確保した封印を守る者は天を元の世界に戻そうとするが、スーロとティーがそれを拒む。

天と別れる事がどうしても嫌だという二人に、封印を守る者は召喚術に条件を組み込み、スーロとティーも元々天の家族であったという状態で3人を元の世界に戻した。

元の世界の天の父も母も、周囲の人間も、当然のようにスーロとティーを『遠縁だが身寄りを亡くし引き取った子』として受け入れていた。




「うわあああああ!!!」

「きゃあああああ!!!」

「……ッッッ!!!」


 絶叫マシンに乗り、三人はそれぞれ叫びを上げながら落ちてくる。


「次はアレだ!」

「……あっちも、凄そう……」

「……待て、ちょっとは休ませろ……!」


 二人のバイタリティに天はついて行かれず、身を屈ませて肩で息を吐く。

そんな天の様子にスーロとティーも顔を見合わせ、心配そうに天の顔を覗き込んだ。


「……向こうではあんなに元気だったのに、随分体力が落ちたんではないか……?」

「……天、向こうの方が、向いてる……」

「んなんじゃねーよ……二人が体力有りすぎだっつーの……」


 天は3人分のジュースを買い、ベンチに腰掛けてそれを煽りながら二人の感想を否定する。

向こうにいた時から二人の底なしな体力にはとてもついて行かれないと思う節が何度もあった。

それを無理矢理引き出せていたのは、命に関わるという事態だったからだろう。

命の危険がないこの世界でそこまで無理をする気にはとてもなれない。


「……まあ、楽しかったとは思うけどな、一生は無理だ」

「まあ、戻りたいと思ってももう連絡する術もないからな、この世界を共に楽しもう!」

「……あれ、あそこ……」


 ティーが何かを凝視しながら指を指す。

天とスーロはその指の先へと視線を動かすと、地面に掃除機のホース口ほどの穴がぽっかりと広がり、そこから女性の手らしき物が伸ばされていた。


「……は……?」



 その後、三人の姿を見た者は、この世界では誰もいない……


【完】

打ち切りエンドで申し訳ありません。

今まで読んで頂き、有り難うございました。

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