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第15話 Dランクの依頼を受けてみよう!!


「お待ちしてました。あなた方が、応援に来てくださった冒険者ですね?」



 町から随分と離れた、辺鄙へんぴな場所にある小さな村。

 そこの村長らしい男性が歓迎するように出迎えてくれた。


 

「そうです。冒険者ギルドの依頼を受けてきました。……先に来た、他の冒険者たちは?」 

  

「村の空き家に滞在していただいてます。お一方、お怪我をされていますが、命に別状はありません」



 案内を受けながらも、事情を聴いていく。

 ルミア達3人も、ちゃんと後ろから付いてきていた。

  


「いや~毎年悩まされとるんですが、今年は特にフォレストウルフの被害が大きいんです。“おさ”が相当やりよるようで、群れの数も凄いんですわ」



 作物や家畜の被害が相当出ているようだ。

 ただでさえ大きくない村なのに、その数少ない収入源を荒らされれば辛かろう。

   

 冒険者ギルドでルミア達が受けた依頼。

【フォレストウルフの討伐 Dランク】は本来、Eランク相当のクエストだ。

 現に俺たちより先に来ている冒険者パーティーは“Eランク”の依頼として受けていると聞く。

 

 村長やギルドが、当初想定していたよりも厄介という判断だったのだろう。

 

 とはいえ、俺たちなら問題ない範囲だと思う。


 

 先遣パーティーが滞在する空き家へ案内される。

  

    

「――冒険者の皆さま。応援の冒険者の方々が来られました」   


 

 村長が呼びかけると、中から4人の若い男が出て来た。

 一人が代表して先頭になる。



「増援に来ていただき、ありがとうございます!」



 熱血で将来有望そうな青年だった。

 やはりEランクパーティーで、彼がリーダーらしい。


 戦士、戦士、タンク、盗賊……極端なパーティーだな。

 遠距離・後衛が一人もいないぞ。

 

 そりゃこの構成だと、フォレストウルフはキツいだろう。 


 

「どうも、リュートです。よろしく」



 握手を求められたので、一応は返しておく。

 ただ彼の意識は、すぐに俺から逸れていた。

  

 無自覚なのか、俺の後ろにいるルミア達をチラチラと見ている。

 特にリーダーの彼は、ルミアのことがお気に召した様子だ。

 ……まあ確かに、ルミア凄く可愛いもんね。

 

 

 他の3人も程度の差こそあれ、女性陣が気になって仕方ないらしい。

 顔は赤く、鼻の下が見事に伸び切っている。 



「んっ、ん~!」



 あっ、やっ、ベルさん?

 また絶賛人見知り発動中ですか?

   


 わかった、わかったから。

 無言で服の裾を引っ張らないで。

   

 ……家だと良くしゃべるのに。

 外に出ると途端に口数が減るんだよ。


 まあこれはこれで可愛いけども。


 

 自己紹介が終わると、この後どうするかという話に移った。

 


「――それで、こちらの盗賊シーフの方がケガをされまして」 


 

 村長が、Eランクパーティーの一人を丁寧に指し示す。 

 細く引き締まった青年の足首には、真新しい包帯が巻かれていた。

 彼はもちろん、他のパーティーメンバーの男たちも気まずそうな表情をする。 


 素早い動きが要求される盗賊シーフで、脚のケガはかなり厳しい。

 ヒーラーもいないので、どうしようもないということだろう。


 加えて。

 後先考えず冒険者になる若者パーティーにありがちな、ポーションをケチってしまって手元にない、と。

 

  

「…………」    

  

 

 シルヴィーがチラッと視線を送ってくる。  

『どうしますか? ワタシ、治せますよ?』と、俺に判断を問うているかのようだった。

 

 ……まあ、治してあげてもいいんじゃない?

 彼らの準備不足・自業自得感はあるけど。


 

 でもそれで、シルヴィーの自己肯定感が上がってくれるなら悪くないように思えた。


 

 そういう趣旨で、シルヴィーに向けて軽く頷き返す。

 ちゃんと意図が通じたらしく、シルヴィーが無償の治療を申し出た。 


 椅子に腰かけた盗賊シーフの前にひざまずき、その足首へと両手をかざす。


  

「【ヒール】っ――」 

 


 癒しの光が、足にできた傷を治していく。

 そして1分とせず、シルヴィーは寡黙かもくそうな青年の傷を治療してみせた。



「おっ、あっ、治った! すっ、すげぇ! あっ、ありがとうございます、しっ、シルヴィーさん!!」


 

 青年はケガが治った嬉しさ、美人なシルヴィーと間近で話す緊張、その半々みたいなテンションだった。

 シルヴィーが他意のない笑顔一つ向けて謙遜けんそんするだけで、真っ赤になる。

  

 ……シルヴィー、罪な女だ。  

  


「いや~! やっぱりシスター様がいらっしゃるだけで、大助かりですなぁ!」



 村長が感心するようにシルヴィーのことを褒めてくれる。



「本当です、ウチのメンバーを治してもらってありがとうございます!」


「助かりました! 俺たちも、こんな腕の良いヒーラーが欲しいもんだぜっ」



 Eランクパーティーの男たちも。

 それに乗っかるように、次々とシルヴィーに感謝した。


 本音もあるのだろう。

 だがあわよくば、それでルミアやベルの好感度が上がればという下心も感じた。


 

「…………」


「…………?」



 二人は俺を見て『どうかしましたか?』と言いたげに小首をかしげている。

 

 ……ルミアとベルには、効果がないみたいだ。   

 かわいそうに。


 

 そして当のシルヴィーは。



「――あっ、その……いえ。治せて、良かったです」



 何かの感動をグッと噛み締めるように、声を震わせながら喜んでいた。

 村長や男たちはその反応にキョトンとしていたが、俺たちにはちゃんと伝わってくる。 


 コソコソ逃げ続けなければいけなかったのが、大手を振って堂々と人を治療することができている。

 こんなにも簡単に人の役に立つことができるのか。

 長年思い悩み続けていた難問がこうもあっさり解決するものなのか。

 

 シルヴィーはそうした万感の思いでいるように映った。



「…………」



 こうして、シルヴィーが心のつかえを一つでも取ることができたのなら。

 それだけで、今回この依頼を受けた甲斐があったと思えたのだった。 

 


◇ ◇ ◇ ◇   


 

 仕事内容の確認を終えて、別に用意されていた空き家へやってきた。


 まずは、俺たちだけでフォレストウルフと戦う。  

 そのため、少しでも戦力を増やしておきたいと【能力解放】をしておくことに。



「ワタシ、少しでもあるじ様のお力になりたいです! どんどん解放、してください!」



 やはり先ほどの出来事は、シルヴィーにとってはとても心の救いになるものだったらしい。

 そしてあくまでも“治療”を判断した俺のおかげで、その経験をすることができたと思っているようだ。

 

 心から気を許した相手にしか見せないような、とても魅力的な笑顔を向けてくれている。

  

 

「OK。今回は素早くて、数も多いフォレストウルフが相手だからな。それ用の能力を身に着けよう」


「はい、よろしくお願いしますご主人様!」


「わかりました。いつも通り、マスターさんにお任せしますよ」


 

 ルミアとベルからも、手放しの厚い信頼を感じた。



 ……それは良いけど、ベルさんはやっぱり身内だけだと普通にしゃべるんだね。

 ただそれを指摘されたくないからか、ツンとしているような感じがまた可愛い。 

 ルミアも同感らしく、微笑ほほえみながらベルの頬をツンツンしていた。


 美少女同士の可愛いやり取り、癒されます。  

  

  


[奴隷:ルミア 能力解放 画面]


“スキル 水魔法”

 水魔法が使えるようになります。


“スキル 土魔法”

 土魔法が使えるようになります。


●保有経験点

 力:181

 技:202

 魔:263

 調教:389


●必要経験点

 力:0

 技:75+75=150

 魔:125+125=250

 調教:30+30=60


― ― ― ― ―

 

[奴隷:ベル 能力解放 画面]


“スキル 影狼シャドウウルフ

 影の狼を魔力で生成し、使役することができるようになります。


●保有経験点

 力:322

 技:131

 魔:119

 調教:365


●必要経験点

 力:200

 技:100

 魔:100

 調教:150


― ― ― ― ―

  

[奴隷:シルヴィー 能力解放 画面]


“スキル 光魔法”

 光魔法が使えるようになります。


●保有経験点

 力:111

 技:150

 魔:161

 調教:255


●必要経験点

 力:0

 技:100

 魔:150

 調教:45


― ― ― ― ―


 

 ルミアは、これで四大属性の魔法を習得できることになる。

 オールマイティーに、何でもこなせるようにという意図だ。


 ベルは獣人族なので“技”と“魔”の経験点があまり伸びない。

 にもかかわらずその両方を“100ポイント”使うということで、強力なスキルだと判断した。

 一気に保有ポイントの大半を使うことになるが、大きな力になってくれるだろう。


 そしてシルヴィーは、攻撃手段を全く持っていない。

 これを機会に、特別な属性でもある【光魔法】を覚えてもらうことにした。

 

 

「――あと全員【被調教(マル)】のスキルを取ってもらいたいんだ」



[能力解放 画面]


“スキル 被調教○”

 主人から強力な【奴隷魔法】の支援・付与を受けられるようになります。


●必要経験点

 力:0

 技:0

 魔:0

 調教:200


― ― ― ― ―



 要するに【奴隷魔法】のバフスキルを受けるために、奴隷側が持っていないといけない【奴隷専用】スキルだ。

 これを持っていてくれると、俺が3人の戦闘能力をさらに引き出せる。


 さらに“必要経験点”が“調教”だけで済むのもありがたい。

 ……“調教”の経験点は、【奴隷スレイヴウェア】になればなるほど貯まるからね。  

   

 恥ずかしい格好にも。

 やはりちゃんと恩恵はあるんだよ、うん。



「もちろんです。私は問題ありません」


「私も。ルミアさんに同じく、問題ないですよ」


「ルミアちゃんとベルちゃんが頷いて、ワタシだけ嫌などというはずがないです」



 3人からの同意も得られた。

 選択したスキルを確定し、早速【能力解放】を始める。



◇ ◇ ◇ ◇



「んっ――」


「あっ――」


「やんっ――」   



 ――すぐに、魔力でできた鎖が現れる。


 

 瞬く間に3人の全身を拘束してしまった。

 


「んんっ~~!!」



 鎖は居場所を定めないようにあちこちに走っている。


 胸の谷間にも容赦なく入り込んでいた。 


 ルミアがそれを意識してか、強い羞恥心から顔を赤くした。

 

 緊縛された自分を恥ずかしがる。

 その行為自体が、とても魅力的な仕草に映ったのだった。

 


「んんっ、あンっ」


「んぁっ、んん、っ~!」


 

 ベルもシルヴィーも、ほぼ同様の状況だった。

 


 ――そこに、いつもとは違う変化が起きる。



奴隷スレイヴウェア】と同材質のような、テカテカと怪しく光る黒い帯が出現した。

 黒帯はそれぞれの顔付近まで浮遊して漂ったかと思うと、その目にピタリと貼り付く。


 そして目隠しする様に、視界をぐるりと覆ったのだった。

   


「ひゃんっ、えっ――」



 シルヴィーが困惑の声を上げる。

 それとほぼ同時に、眼帯の中央が怪しくピンク色に光った。


“催眠”をかけた時の【闇目ダークアイ】と同じような、不気味で怪しい円状の紋様をしている。


   

「――あんっ、やっ!」 



 シルヴィーから、甘い声が聞こえて来た。

 すぐに余裕がなくなったみたいに声が繰り返される。

 

 ベルもルミアも同様だった。


 Eランクパーティーの若い青年たち。

 彼らはそれぞれルミア・ベル・シルヴィーに好意を抱き、惹かれていたのが丸わかりだった。

 

 その3人が今、俺の目の前でだけ。

 恥ずかしい姿・格好を見せている。

 

 それは異性として、とても魅力的に映ったのだった。

 

 



[ステータス:ルミア]


●スキル

【剣術Lv.1】

【筋力上昇Lv.1】

【火魔法Lv.2】

【風魔法Lv.1】

【水魔法Lv.1】New!!

【土魔法Lv.1】New!!

【被調教(マル)】New!!


[ステータス:ベル]

  

●スキル

【視野Lv.1】

【身体強化Lv.3】   

影狼シャドウウルフLv.1】New!!

【被調教(マル)】New!!


[ステータス:シルヴィー]

  

●スキル

【ヒールLv.3】

魔法マジック障壁シールドLv.2】

【光魔法Lv.1】New!!   

【被調教(マル)】New!!


― ― ― ― ―  


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