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96話 死すのは神か悪魔か 壱

始祖吸血鬼の加護を受けた蓮兎は魔力が爆発的に増加、回復速度も上昇した。

世界の最強格、始祖吸血鬼と大罪の加護を所持した世界に唯一の、それも種族も世界に何人いるか分からない混血児がそれを成した。


「偽物の加護を受けた程度で私と渡り合えるとでも? 早く暴食グラトニー様と変わって欲しいんですが……そこの繋がりだけは残しているので変われますよ?」

「やってみないと分からないだろ? 魔法の威力は互角だったんだしさッ」


加護で威力も向上してる、今なら魔法での押し合いは成立……

いやワンチャン押し切れるんじゃないか?

デバフも使ったから体も重いだろうし、やっぱり短期決戦かッ!


冥府ノ大地揺ルガセ(アビスクェイク)(デュアル)ッ!」


固有スキル【全魔全智】、始祖吸血鬼の加護、(デュアル)による威力上昇で災害となった魔法はこの階層全体を揺るがし、震源地である代行者の足元は巨獣の牙のように割れて代行者を襲う。

そして揺れ自体も代行者に伝播して内臓を、脳を揺らして大打撃を与えることにも成功していた。


「効いてんじゃん! 鼻血出てんぞ?」

「……本当は暴食グラトニー様が気に入った体なので壊したくは無かったんですがね、終焉招く混沌世界(レルムエンド)! これにて貴方は終焉を迎えます」


突如視界が暗転、世界が黒に染まり触れた物をこの世から消滅させる。

これにより蓮兎の左腕と左耳は消し飛ばされた。

辛うじて自身の腕を切断して全体の消滅は逃れたがまだ黒の領域は続いている。


「私たち代行者は半神化しているので魔力量は多いんですよ、それに権能もいただいてますしね。ちなみに私は混沌の神の権能をいただいているので実は結構上位存在なんですよ?」


触れた物を消滅させる規格外の権能……

それにこいつ自身の固有スキルもまだ使って無い、いや傀儡を出すのが固有スキルか?

どっちにしろ欲しい、そのスキルッ!


暴食グラフェルのファンなんだろ? なら暴食の権能で喰らってやるよッ!」

暴食グラフェルでは無く暴食グラトニー様です。勝手に名付けなど失礼にも程がありますよ?」


黒の領域に対抗するべく放つのは女王の魔法紅染まる赫の花園(ルージュガーデン)と自身の朽チ落チル影ノ花園(シャドウガーデン)を混ぜた魔法だ。

技名なと無いただの思いつき、だがその効果は絶大で花に消滅の効果が先に付与されるので防御としても花園の効果で攻撃にも長けていた。


(魔力は加護の効果で有り余ってるッ! なら使いまくって場を乱すまでだ)

暴風穿風ボレアスランサーッ」

神風ノ激攻(アネモスアセイル)


両者の魔法は先ほどとの結果とは違い、蓮兎の勝ちで終わった。

流石始祖吸血鬼の加護だろうか?

威力も量も質も圧倒的、そして神とは違い義体を使わずに地上に顕現できる代行者だが、神の力を使うには体に負荷がかかる。

なので先ほどのような大技を使うと体が鉛のように重くなるのだ。


「ならば作戦の趣旨を変えましょうかね、なにも肉体を滅ぼさなくても精神を壊せば良いのですから」



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