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黒き悪魔、もしくは天使か

「久しぶりですね、宮戸蓮兎くん?」

「代行者…」


その者はよく見覚えがあり、この世界に転生してきて初めにあった原初の恐怖、この世界での初めての絶望であり圧倒的強者だった代行者だ。


(俺も以前より強くなってるんだがな…まだ勝てる気がしない…化け物かよッ)

「…?」


女王は両目が潰れて視界が無い状態なので何が起きているかを理解できずに困惑している。

だが魔法で自身を守っているので流石始祖の吸血鬼と言うべきだろうか、こんな状況でも冷静に判断をしていた。


「本当はまだ予定では無かったんですがね、そこの吸血鬼が余計な真似を…いやこの場合は蓮兎くんが余計な真似を?」

「先輩〜、今そんなこと良いので早くしましょうよ〜」

「クフフ、それもそうですね」


仮面の男女が何しにやってきたのかは不明だが明らかに分かるのは自信に害をなす存在だと言うこと、つまり今この瞬間に女王と意見が合致し、一時的な共闘体制が組まれることになる。


鮮血ノ貫槍(ブラッディランス)

暴風穿風ボレアスランサー

神成る聖槍(イージス・ランス)


即座に3人は貫通特化の魔法を放ち、仮面をつけた男を殺そうと動き出す。

女王は自身が出血しているのを利用して血をばら撒きその場を支配、蓮兎は百妖夜行で手下の補充とデバフを掛ける、鏡花は女王を含めてバフを掛けて体力も回復させた。


パチンッ


「残念ながら今はお話聞いて欲しいな〜、時止めるの疲れるからやめて欲しいんだけど」

「チッ」

「舌打ちしたね?! 酷〜い、お姉さん傷ついちゃうぞ?」


時を止められたらここからじゃ無意味…魔力を削ぐ目的なら有効だがそれを仮面男が許すとでも?

いや何かしらなら対策は行うだろう、それか見せしめとか言って誰かを殺しかねない…なら今は大人しく話を聞くのが最善、話が終わりあいつら周辺の時間が動き出したら速攻仕掛けるッ!


「私は暴食グラトニー様の大ファンでしてねッ! 本当は今すぐにでも愛でたい、近くにいたい、殺したい、傀儡にしたい…ッ」


感激なのか仮面の下から涙を流し、仮面押さえるようにして体をそらせる。

十分離れているはずなのに吐息が聞こえてくるのでそれほど興奮状態にあるのだろう、今も感激の涙を流しながら仮面を押さえていた。


『…キモい』

『大ファンに向かって酷いぞ? ファンサでもしろよ』

『…普通にやめてくれ、キモい』


おふざけはここまでにして…作戦を決めないとな、女王とも一時的に共闘できてるし3人で協力すれば打倒代行者も…


「ねぇ蓮兎さん…? 名前間違ってるかしら」

「いや間違ってないよ、それで?」

暴食グラトニー…いや今は暴食グラフェルだったかしら、その子と仲良いの?」

「仲良いって言うか眷属っていうか…まぁ仲良いよ」


その言葉を聞くと先程まで潰れていた目がタイミング良く再生、そして微笑みながら立ち上がった。


「そう…私が囮になるからお二人は逃げてくれます? どうせ私は偽物だから死んでも問題無いから」


蓮兎達の返答を待たず1人で代行者に駆け出す女王、体はもう完全に再生しているがスタミナは有限、それに血液の不足もあるがそんなことは気にせず血で武器を絶えず作り出し、争い合う。


「え、女王さんは?! か、加勢を…」

「行くぞ鏡花、逃げるッ」


鏡花の手を引き次の階層に繋がる扉に駆け出す。

階層の扉はボスモンスターが死ななければ開かないがあの状態で2人の代行者と単独戦闘、つまりはほぼ即死だ。


(扉が開くまで鏡花と俺の結界で何とかッ)


固有スキル全魔全智に含まれた高速思考で試行時間を極限で伸ばしている今この時間も女王は無謀な戦いを続けていた。


◇◇◇


代行者と女王の戦いは激化して行く、一刻の間に何十もの攻防が繰り広げられている。

だがその戦闘が成り立っているのも仮面の女が魔力を温存するためなのか、戦闘に入らないからと言うだけで本来なら即死亡していた。


(どれ程時間が経っただろう、感覚的には数時間は経過しているけど…私がそれ程耐えられるはずが無いし本来は数秒かしら?)


数秒の攻防でも瞬間瞬間に全力を出している女王には永遠とも思えるほど加速された時間だった。

代行者は片手で攻撃をガード、もう片方の腕で傀儡を操作している。


「その傀儡…元人間? 何体か私の配下も混じってるわね」

「おや、分かるのですか? 流石始祖の吸血鬼…の劣化ですね」

「私が劣化? 確かに本体よりは弱いのは事実よ、記憶も曖昧…でも時間稼ぎには十分ッ」


紅染まる赫の花園(ルージュガーデン)を最大出力で発動、傀儡に薔薇の蔓を巻きつけて拘束する。

拘束するだけなら最適な魔法があるが仮面の女にも攻撃を届かせるために攻撃も可能なこの魔法出したのだ。


ザシュッ


「義体にしては力があるようですが…やはり偽物は弱いですね、残念です」

「…やはり限界はありますか、では作戦を切り替えましょう」

「もう死ぬ運命の貴女が作戦を変える? 何を言うかと思えば脅しか何かでしょうか」


余裕な表情を仮面の下で浮かべる代行者、だが女王はにこやかに笑いながらある魔法を発動した。

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