混ざる花園
ポタンッ
「紅染まる赫き花園」
荒れ狂う戦闘の最中に女王から流れ落ちる紅き雫、それは地上に到達すると瞬き一つの間に可憐な花に姿を変え、花園を形成した。
その花園は触れた者の血を即吸収、そして溜め込んだ鮮血を使いその花は──
ボワァンッ!
即爆ぜる。その爆発で飛び散った血液に付着し、それも爆発する。
つまり一度爆ぜたら飛び散る血を払拭しなければ死の連鎖は止まらず、絶えず爆ぜることになる。
「黒域+吸収+錬成ッ」
その問題を解決するのは権能2つと遠隔錬成だ。
吸収の効果は自信が触れた物を魔力に変換する能力、本来錬成は触れたものに効果のあるスキルなので遠隔錬成も吸収の効果【スキルで触れた物にも有効】に該当し、黒域で魔力を奪ってから吸収で血液を魔力に変換するシナジーが発生するのだ。
「あら、中々強いのね」
「そりゃどうもッ!」
「ッ!」
ドガァンッ
すれ違い様に轟脚を放つ、天歩から天脚に進化したことで純粋な威力が増強された蹴りは女王を玉座まで押し返した。
先程まで数一つ無かった玉座は女王がめり込み、腹に破片が刺さっている。
「乙女にする技じゃ無いわよ?」
「それ前も言われた。まぁやめないけどな」
後ろで唖然として見ている鏡花は先ほどの戦いについていけなかった。
支援魔法を掛けるのも蓮兎のペースを狂わせてしまうし回復を施すのも若干動きが変わるので施さない状況だったのだ。
(何あの戦い?! 流石に私も蓮兎くんとボスの戦いについていけるとは思ってなかった…でも目で追えないレベルなんて…)
己の弱さを実感する鏡花だが、そんなことは知らず女王と蓮兎は立ち上がり戦闘を続行する。
再び刀と血の槍や剣でぶつかり合う2人だが明確な違いは女王が再び配下を登場させた点だ。
どこからか現れた吸血鬼は女王の血が付着していて先程より強力で暴力的な力を得ている。
「これであってるっけ? 朽チ堕チル影ノ花園」
「私の技…の真似事?」
蓮兎が発動した魔法は今作り出したSランク黎魔法、元は影魔法だがそれは今は良いだろう。
これは原初の黒を女王の魔法紅染まる赫き花園を真似て範囲を拡大した魔法だ。
本来単体にしか発動できない魔法を無理矢理広範囲にしたことで出力は多少落ちるが固有スキル全魔全智の効果で以前使用した時より出力が高いのでプラスマイナスゼロだ。
「百妖夜行──」
「始祖様のためにッ!」
「邪魔だお前ッ!」
吸血鬼は死を恐れず特攻を仕掛ける。
自身の生命力を爆発的に使い、短期的に身体能力を極限で上げる魂魔法君主に捧げる我が命を使用した。
「鮮血ノ貫槍」
「暴風穿風」
配下の攻撃を潜って放たれる女王の魔法、それに対抗して蓮兎も魔法を使うがAランク魔法では威力が少し足りず押し負けてしまう。
「白の爆風&神成る聖槍ッ!」
後方にいた鏡花が支援を使い、僅かに出来た隙で蓮兎が刀を納刀、そして大地切り裂く鋭剣、狂風纏う剣、絶剣を付与した刀を振るう。
「抜刀ッ!」
「ッ!」
即発動できる防御魔法を全て使い、血液を硬化させて装甲も作り出す女王、だがそのまま装甲を切り裂いた蓮兎の刀は女王の半身を切り落とした。
ポタポタ
「ここまでの損傷は大戦以来ですね、びっくりです」
「大戦…? あぁ暴食が言ってたやつか、お前が知ってる名前だと暴食か」
「暴食…? 貴方私の友達を知って──」
グチャッ
突如女王の片腕が捻れ、潰れる。それと同時に両目も潰れて悲惨な姿になった。
女王も何が起きているのか分からない様子で、なぜ再生しないのかも困惑している様子だ。
「久しぶりですね、宮戸蓮兎くん?」
突然黒の仮面をつけた怪しい男が舞い降りてきた。




