統合
「それより早くアップデートするぞ?」
くつろいでいる2人を横目に暴食が話し出す。
それに反応した蓮兎はソファから飛び上がって「早く権能くれ!」と頼んだ。
「さっきまでくつろいでたやつが何を言ってんだか」
「良いじゃん、それより早く権能」
呆れた暴食は少しの間沈黙したが直後に蓮兎の額に触れる。
そして黒い光が辺りを照らし、権能のアップデートが完了した。
「前までこんなの無かったじゃん?!」
「それだけ俺との繋がりが強くなったんだ、もう9回目だぞ?」
そんなもんなのか?
10回目とかもうエグそうだな…まだ少し先だけど楽しみだ。
まぁそれより今の権能の方が楽しみだがな!
権能 統合
効果 自身の持つスキルとスキルを統合することができる。統合されたスキルはより強力な物になり、複数のスキルを掛け合わせると一部の能力は失われるが他能力が上がる。固有スキルにも有効。
「これでやっとスキル欄がスッキリするッ!」
「スキルの掛け合わせ次第だけどな、相性最悪なスキルを掛け合わせたら雑魚だし」
スキルの組み合わせか…やっぱりそこはちゃんと考えないとダメだよな、スキルを腐らせることになるのは絶対に嫌だし。
同じ系統で組めばシナジーとか起きるのかな?
「同じ系統の刀神、神怒、万物切断、斬止は統合しても良いよな…百鬼夜行と妖焔はどうだろう? どっちも同じ系統ではあるから良い感じのスキルになりそうだ、他には魔導王と魔法構築とか──ぶつぶつ」
「また自分の世界入っちゃった」
他にも風魔法と土魔法は統合しても良いよな?
身体強化系の怪力、鉄壁、疾風、強魔あたりもつけて良さそうだな…
やべぇ、すげぇ楽しい!
「明らかに楽しそう! 蓮兎くんが嬉しいなら私も嬉しいな♪」
「…お前も大概だな」
「へ? 私も?」
本日3度目の暴食の呆れ顔を披露したところで顕現時間が終わりを迎える。
体は少しづつ朽ち、魔力の残滓となって空に消え去った。
『あぁ〜、疲れた』
『結構楽しそうだったけどな』
『気のせいだろ』
暴食が居なくなったことで悲しいような嬉しいような感情が交差する鏡花を横目に蓮兎はソファに再び腰を掛け、何やらぶつぶつと独り言を話している。
その姿を見た鏡花は先程での思いはなくなり、蓮兎の隣に嬉しそうに座ったのだった。
「これは長くなるぞ…? スキルの考察と新たなスキルを獲得してそれを統合するとなると…やべぇ超楽しい」
「私も手伝うよ! 相性良さそうなスキル探したり!」
「よぉし! 今日は寝れねぇぞ〜!」
「お〜♪」
その日の夜はダンジョン内に2人の楽しそうな声が響いたと言う。




