重なる絶望
固有スキルを使ったアラクネの見た目は変化し、下半身の蜘蛛部分が取り除かれて背中から蜘蛛の脚が生えただけの人型となる。
(毒の分解は終わったがこの状態で戦闘を続けられるか…?)
既に体は神之命Ⅱの反動でボロボロ、魔力はまだあるが大型魔法を連発するのは体の負担が大きくなり、どちらにしても死が確定する。
「まずは時間稼ぎッ」
「無駄な足掻きをするな」
Eランク風魔法の隠滅の霧を発動するが、その全てを片腕を軽く薙ぐだけで片付けられてしまう。
だがその一瞬の間にアラクネは蓮兎を見失い、気配察知のスキルを極限まで使用して居場所を探ろうとしている。
シュンッ
「抜刀ッ」
いつのまにアラクネの背後をとった蓮兎は居合による攻撃を仕掛ける。
何故突如背中に現れたか、それは視界を潰した瞬間に天歩で作り出した空気の足場に縮地を使用して背後に回ったのだ。
もちろん気配察知などのスキルには引っかかるが隠滅の霧の効果、気配の減少を使っているので多少はカバーされているた。
(万物を切り裂くこの攻撃なら流石に突破できるだろ!)
「無駄な足掻きだ」
ギィィィィィンッ!!
奇襲成功と思われた攻撃は鋼糸によって防がれてしまった。
万物切り裂くこのスキルが何故突破できないのか、それを確認するために鑑定眼を発動させる。
名前 鋼糸(神化)
スキル 斬撃無効 打撃無効 硬質化 軽量化
「そんなのありかよッ!」
「神と成った私に不可能は無い」
「暴風穿槍一点特化」
斬撃が効かないのなら即別の手段を取る。
ゼロ距離から放たれた暴風は思惑通り鋼糸を貫通し、アラクネに届いた。
『物理がダメなら特殊に切り替える…中々良い判断じゃねぇか』
『…』
極限の集中状態に入っている蓮兎にはその言葉は届かず、ただ目の前のアラクネの殺し方だけを考える。
斬撃は封じられ、体の負担が大きく仲間のことも考えると長期戦は不利な状況、ならば短期決戦が望ましいがその状況をどう作り出すか?
それだけに思考を絞る。
「風刃、衝撃波」
移動中にも灯火達に攻撃が向かないように少しでも攻撃を仕掛け、注目を自信に向けさせる。
消費魔力の少ない低ランクの魔法だが気を逸らすには最適でその証拠にアラクネは操る後を全て蓮兎に向けてはなった。
「動き回るな羽虫がッ!」
「虫はお前だろうがッ!」
すれ違いざまに放たれる攻撃は両者威力は劣らず、片や鋼糸が無い箇所に天歩の補正が掛かった足技を、片や糸で覆った腕に毒を込めた拳をお互いつ。




