漸く攻略開始
今日から攻略が始まる。何日振りだ?まぁ人類到達最高記録が48層だっけ?そんなの一瞬で塗り替えてやるよ、既に人超えてるし。
「準備は終わったか?もう出発するぞ」
「私はもう終わったぞ、2人はどうだ?」
「私も完了!」
「俺も〜」
全員の準備が終わり、簡易拠点を出て攻略に進む。竜が基本的に出現するこの階層だが今の皆の実力では有象無象の1体に変わり無い。
◇オルグス大迷宮・48層◇
毒素が充満したこの階層は人類が到達するには早すぎる領域なのかもしれない、一度毒を吸えば肉が膨張し弾け飛び、皮膚は爛れて腐り落ちるだろう。どんな防護服も貫通するその毒を対策するのは至難の業だ。
「守護のそよ風だけじゃ厳しいか、魔導王で魔力超過でもするか?」
「私毒素分解の魔法あるよ!確か領域型もあったはず…」
鏡花は自身のスキル欄を確認しながら毒素を分解すると言う魔法を探す。現在の鏡花の白魔法はSランク、それに上乗せで固有スキル慈愛の左手があるので地上の白魔法使いより擬似的にワンランク上の魔法が行使できるのだ。
「汝を守る領域 命の雫落つる時 森羅万象全てを癒せ 命の雫流れ落つる!」
鏡花がそれを行うと毒素が浄化され、正常な空気となる。そしてその白の領域は鏡花を中心として展開され、継続的に浄化を施す。
「どうだ!魔力消費は結構あるけど…」
「足りない所は守護のそよ風で補って…魔力は俺が渡すよ」
この領域も完全に毒素を防げるわけじゃ無い、その微量な毒素を守護のそよ風で弾く&遠隔錬成で分解する…毒素の解析が進んで無いから理解の部分が足りないが魔喰いで解析するか?
「じゃあ進もうか」
毒素を分解しながら48階層を進み、暴食の祠を探す。大まかな場所は聞いているがこの毒素が視界を遮り、探索の効率を下げる。
『早く探してくれないか?場所教えてるんだからもっと効率良く探せよ』
『あ?クソムカつくんだが、探さない選択肢もあるぞ?』
『そしたら強くなれなくて死ぬぞ〜』
クッソ!こいつに言葉で勝てる気がしない!まぁ実力でも勝て無いだろうけど…ん?でも俺って暴食の実力知らないし…ワンチャン勝てるんじゃ──
『お前を乗っ取って殺すこともできるぞ』
『はいさーせん』
そんな雑談をしていると、祠の近くに辿り着きその事を暴食が気がつく。
『そこ右に曲がれ』
『は?急に──』
『そこに祠あるから、俺を信じろ』
何だよ急に…まぁ自分が封印されてる場所なら本人が1番分かってるのか?一応眷属のはずなんだが俺はは全く分からんぞ、いや少しは感じるかな?
言われたままに蓮兎が進むと一段と毒素が強くなり、毒まみれの洞窟が現れる。壁面には毒々しい液体が流れ、地面には何者かの骨が散乱している地獄絵図だ。
「広範囲特化の命の雫流れ落つるじゃ厳しいかな…」
「なら俺にだけ1段階強い解毒の魔法掛けれない?1人で行くよ」
「それなら原初の白で良いかな?攻撃、回復、バフ、解除!何でもできる万能魔法なのだ!」
超便利じゃん…同じ色系の原初の黒とは大違いだな、こっちはデバフしか無理だもん!まぁ黒を凝縮からの槍状に変形、そして放つ!とかも出来そうだけどまだそんなに開拓してないからなぁ…まぁ使ってれば慣れるか。
鏡花は原初の白を使用し、蓮兎を見送る。タイムリミットは鏡花の魔力が尽きるまでなので10分程度だろう、大型魔法を2つ同時に使用しているのだから10分保つだけでも一苦労だ。
「それにしても毒ありすぎだろ」
『ここから先の階層は封印が厳重だな、90層とか馬鹿げたセキュリティになってそう』
「その言い方的に先の階層の祠場所は知らないのか?」
『知らん、その階層に言ってから気配を感じて場所が分かってるからな、行ってみないと何とも言えん』
そんな会話をしながらも蓮兎は人之限度や天歩を利用して全力疾走をしている。理由はもちろんタイムリミットがあるからだ。
「案外不便だな、お前」
『はい殺す〜、実体化したら殺す〜』
「なら俺は全力バフと全力デバフで逃げる〜」
キュウンッ!
突如放たれた矢が蓮兎の頬を擦り、僅かだが血を流させることに成功する。その矢を放った本人は過去に倒したミゼラブルに酷使した姿をした傀儡であった。




