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53話 次いで放たれるは絶望

神怒カムイッ!


最高の形で放たれた神の一撃は女王の左腕に直撃する。

だがその装甲を剥がすのは容易では無くあと一歩の所で切断が止まった。


神之命(カミノチ)使ってないとは言え最高の一撃だったはずなんだがぁ?! それを簡単に受け止めるなよッ!」

「ソンナノ知ラヌ!」

「ヴァギャァ!」


げっ、何でここにヴァインドールが居るんだ?!

快が引き止めてるんじゃ……


「すまん蓮兎! 魔力尽きたから引き付けんの無理だぁ!」

「マジで?!」


魔力が尽きたなら俺が渡すか?

いやでも時間が掛かるし……

んなら一か八か新しく魔法を作る?

いやそれも時間が無いんだよッ!


「貴様ハモウ邪魔ダ、失セロ遍ク寄生花(パラシトディール)


部屋全体に遍く寄生の粉塵は吸ったも者の支配を奪い、女王命令に従うだけの傀儡と化す正真正銘Aランク花魔法だ。


(鏡花と灯火は白魔法で延命できるし鏡花に至っては固有スキルで問題は無い……快はそんな鏡花の近くにいるから治療してもらえるとして──)


ポタ……ポタ……


蓮兎の鼻から2滴の鮮血が流れ落ちる。

その血を拭いながら戦闘を続行させるが先程までの速度は無く確実に弱体化していた。


「俺は白魔法使えないんだよ……ッ」

「きゃっ! 2人とも?!」


悲鳴が聞こえ背後を確認すると体から強靭な蔓が生えた人間が2人が鏡花を襲っていた。

その蔓は女王にも負けない程の強度を持ち、そのスピードは細く本数が少ない分勝っている。


「どこぞのゾンビゲームか──かはっ!」


何だこれ……蔓?俺

も体から出てきてんのか……

早く治療しないと俺死ぬぞ、鏡花に手当てをしてもらうか?

いやそれだと灯火の負担が……


「私は良いから治療をしてもらえ! 治療の時間くらいは稼いでみせるッ!」

「ッ!……頼んだぞ!」

『ちなみに早く回復しないと脳が腐って人形になるぞ?』


ダメじゃん!俺死ぬじゃん!

なんか体調も悪くなってきたしあれ……?

クラクラする、何か視界が華やかになって……?

あれこれ寄生花じゃね?


ーーザシュッ


「蓮兎君?!」

「あれ? 体刺されて──」


蓮兎の体を貫いた蔓は3つ、両足と左腕だ。

その貫かられた箇所から鮮血が吹き出しその場に倒れ落ちた。


「蓮兎君?! 大丈夫?! 今治療するから──」


意識が遠のく……死ぬのか?

体から血液が抜けるのを感じる、鏡花の固有スキルでもここまでの感染を治すのは無理だよな。

第二の人生もここまでか──


◇ ■罪■■◇


ここはかの有名な大罪達が会議をする為に作られた場所──の複製品の部屋だ。

だがその黒で埋め尽くされた外観は変わっておらず何があるのかがわからないほどに暗闇が広がっている。


「はぁ……こんな所で死ぬなよ」

暴食(グラフェル)? 何だよここ……てか俺死んだのか?!」

「今話すから待ってろ、そうだな……簡単に言えばお前は──」


暴食グラフェルの口から出た言葉は蓮兎にとって衝撃的であった。

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