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不完全な記憶

◇オルグス大迷宮・92層 1ヶ月前◇


代行者との戦闘で下半身が無く何故生きているか分からない状況、最後に発動した原初の白(ブロン)の効果なのか意地なのか。


「蓮兎……くん?」


声は辛うじて聞こえてはいるけど顔が見えない……

そこにいるの?蓮兎くん


「鏡花?! 今応急処置を──」


蓮兎くんも暴食グラフェルさんと回復効果を持つ魔法は不可能だった。

なら最後に私が出来ることは全てを託すッ


「無理……だよ、もう……だから、最後……に──」


体の感覚が無い、目も見えないし……

でも今この手を掴んでるのが蓮兎くんって事は分かる。

私ここで死ぬのかな……


◇魂の保管庫◇


黒一色に統一された部屋、いやそこにあるのは果てしなく続く【無】だ。

何も存在していないこの空間で鏡花は目覚めた。


「あれ……? 私死んだんじゃ?」

「あら、もう起きたの? 私はまだ眠いのだけれど」

「えっとレイヴ・スカーレットさんだっけ? 何でここに……?」

「簡単に言えば貴女は魂だけになって生き永らえている状態、ほぼ完全な状態で保管されているから意識がはっきりとしているのよ」


魂だけになって生き永られている状態……?

それに魂の保管って事は蓮兎くんの固有スキル【魂ノ採取】の効果だったりするのかな。


「えっとそれで私はここで何をすれば?」

「別に何もしなくて良いわよ? 私みたいにのんびりしてれば良いのよ、家具が欲しかったらほら」


ーースッ


女王が指を上向きに動かすと先程まで何もなかった空間に豪華な椅子が出現。

その椅子を中心に赤色と金色で装飾を施された豪華な家具が形成され、やがて一つの部屋を作り出す。


「おぉ!」

「ここは自由、想像すれば何でも実現される空間よ」

「でも蓮兎くんが頑張ってるのに何もしないってのはちょっと……」


鏡花は少し不満そうに手を顎に当てて考え始める。


「なら鍛錬かしらね、成長とは肉体と魂の二つがある。筋トレとかは前者、レベルアップは後者の魂の成長ね」


前の世界だと前者の筋トレとかの肉体的な成長しか出来なかったけどこの世界じゃレベルアップとかで魂の成長が可能……?

なら私がここで頑張って鍛錬すればもし蘇生された時に蓮兎くんの足手纏いにならなくてすむ?!


「私頑張ります師匠!」

「し、師匠? ま、まぁせめてレイヴとか女王とかで呼んでくれると助かるのだけれど?」

「なら……姫!」

「姫……まぁ悪くは無いわね」


本当に死者蘇生なんか現実離れした事ができるのかは分からないけどほんの少しでもその可能性があるなら私は全てを賭ける。

また蓮兎くんに会うんだ私はッ!


「これからお願いします!」

「まぁ適度に頑張りましょ──」


ーーザザサッ


ここから先の記憶は暗闇が続くだけで映像は何も流れなかった。


◇Sランクダンジョン・紅染まる血の孤城◇


「と、覚えてるのはここまでね」

「は? 覚えてるのって何言ってんだよ、お前の記憶だろ?」


そんなに物忘れ激しいことある?

始祖吸血鬼だしやっぱ結構歳行っててボケが出てるんじゃ……


「失礼なこと考えないの、乙女に向かって失礼だとは思わないの?」

「はいすみません……」

「はぁ……まぁ良いわ。それで私が覚えてない理由は私の義体、貴方に加護を与えた方のレイヴ・スカーレットと今ここにいるレイヴ・スカーレットは同一人物であってイコールでは無い」


ちょっと何言ってるのか理解しかねるなこれ。

俺は加護を与えたオルグス大迷宮90層で出会った女王と今ここにいる女王は同一人物ではあるがイコールで結ばれない……?

いや同一人物ならイコールが成立するだろうに何を言ってるんだこいつは?


「義体の私は血肉を、記憶の一部を、能力を受け継いだだけの紛い物に過ぎない。まぁ記憶の共有は多少はできているけれども完全では無い状態ね」

「何それ難しい話? ちょっと分からん」

「簡単に言えば同じであって同じで無い、記憶を共有した分身体と思ってくれれば良いわ」

「少しは理解した」


多少混乱した蓮兎だったがそんな事は気にせず女王は自身の手と蓮兎を軽く切り裂き出血させる。

そしてその血を擦り合わせ、混ぜると淡い光が部屋を優しく包んだ。


ーーポワァン


「何するんだよ?!」

「加護を与えたのよ、本物の私からの加護を」


名前 宮戸蓮兎

職業 錬金術師

性別 男

種族 混血(悪魔&始祖吸血鬼)

レベル 152

スキル 剣撃S 錬金S 碧魔法A 黎魔法S 混沌魔法F 空間魔法A 血液魔法F 鍛治術B 身体超過S 高速治癒S 鑑定眼B 空間把握A 大食いA 危険感知S 集中S 料理術A 苦痛耐性 恐怖耐性 黒魔法耐性 炎魔法耐性 斬撃耐性 

固有スキル 魂ノ採取 絶剣 全魔全智 百妖夜行 天脚 監視者の眼 血液操作 不死性イモータル

加護 暴食の加護 始祖吸血鬼の加護

権能 暴食 魔喰い 吸収 黒域 統合 統血

称号 神喰らい


「権能に【統血】の追加に血液魔法の追加……俺完全吸血鬼になるんかよ」

「完全になるのはまだ先よ?」

「完全になるのが先にあるの?!」


俺が最終的に吸血鬼になるなんて初耳だぞ?!

まぁ暴食グラフェルは混血は進化先が多いから何になるか分からない的な方を言ってたけどさ……


「ダメだ完全にするなら悪魔にする。そんで殺した大罪の座に座らせる」

「いやそっちも十分意味わからんから……」


そこから少しの間女王と暴食グラフェルの悪魔にするか吸血鬼にするかの論争が始まった。

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