記憶
暴食が冥界魔法深淵堕ちるを発動したと同時に部屋中に瘴気や粉塵が舞った。
「こほっこほっ! 何が起きた?!」
「白魔法で中和するからボクから離れないでね」
「りょーかい」
それにしても暴食だよなこれ、やりすぎ何じゃね……?
女王がいた場所何も無いけどまさか殺した?
「やりすぎちまったな」
「本当だよお前ガチで……はぁ、まぁ良いそれより女王は? 死んだのか?」
「あいつの生命力を舐めんな、あっちで心臓動いてるぞ」
暴食が指を刺した方向を見るとそこには下半身は完全に無く、上半身も両腕と頭部の半分が欠損している女王と思われる肉塊がある。
「え……あれ生きてるの?」
「HPは0だが心臓は動いてるからな、生きてるぞ」
「生命力凄いな……」
流石始祖の吸血鬼様ってところかな?
「レント、止まってる暇は無いよ? まだ支配されてる人はいるしトドメを刺さないと」
「あ、うん分かってる」
躊躇無く支配されてるとは言っても人間を、さっきまで仲間だった相手を殺せるよな……
Sランク冒険者ってやっぱイカれてないとこなせない程の激務だったりする?
いや俺も人並みには狂ってるとは自負してるけどさ。
◇◇
数分が経ち女王に支配されていた者達を殲滅したノエルは刃に付着した血を振り払う。
「大丈夫? 人を殺した後の感触は」
「平気だよ、初めてじゃ無い」
まぁ良い気はしないけど精神的にそんなダメージは無い、これが悪魔に……いや混血だから半分だけどね?
弊害って事だろう。
「兎に角生き残ったみんなの治療をしないとね」
「そうだな、俺は止血くらいしかできんが手伝うよ」
「ん、助かる」
そこから俺とノエルは生存者の救助にあたった。
中には人を殺したやつが近寄るな、とか言ってる人もいたが最終的には冒険者にはそう言うこともある的な感じで丸くおさまった。
「じゃあボク達は先に帰ってるよ」
「あぁ、女王と少し話したら俺も行くよ」
女王はこの数分で再生を終えて完全回復しやがった。
流石に生命力高くないか?プラナリアとかそっち路線の化け物さだよ流石に。
「あら、あの子は先に帰ってしまうのね、少し話したかったのだけれど」
「……確認だけど封印は本当に封印は解けてるよね?」
「もちろん解けるわよ? 何なら漁った記憶をバラしても──」
「俺の記憶ってフリー素材なわけ?!」
暴食も女王も俺の記憶を漁って知ってるわけだろ?
日本にいた頃の記憶は漁られてないらしいけども何か嫌なんだけども……
「まぁ細かい事は気にしない方が良いわよ? 代わりと言っては何だけれども鏡花の事を話してあげるわ」
「ッ?!」
鏡花って今魂なだけなんじゃ無いのか?!
「魂だけでも意思はあるからな、それにほぼ完全な形で保管してあるし特殊な条件下なら喋れるんだろ」
「特殊な条件って?!」
「俺やレイヴみたいにお前に加護を与えていて魂で繋がってる相手……とかか? 詳しくは分からん」
なら俺が鏡花と会話することは不可能なのか……
元気にしてるかな?魂だけで元気とかがあるか分からないけど喋れる状態ならそれなりに元気にしているのだろう。
「そろそろ話すわよ?」
女王は蓮兎の中に入っていた頃に話した鏡花との記憶を語り出した。




