女王 再戦
「「「ゴァァ!」」」
今日も死霊たちは元気に殲滅作業に勤しんでいる。
え、死んでるから元気じゃ無いだろって?
それは言わないお約束だ。
「ボクの知ってる錬金術師と戦闘スタイルが違うな〜」
「こいつは異端だからな」
「あ、うんそうなんだ……」
ノエルは俺の服を掴んで隠れる……
これ何回目なんだよ、ここにくるまでにも何回か掴んできたし俺より人見知り説ある?
「ノエルは良いのか? 殲滅するの手伝っても良いんだぞ、ほら実力がどのくらいかも知りたいし」
「ボクは良いや、そんなに戦うの好きじゃ無いんだよね」
「そうなのか、なら俺に任せとけッ!」
そう言いながら蓮兎は敵陣に単独で突っ込み、全員を肉塊に変えた。
その後からノエルや暴食が後に続く形でダンジョン攻略は順調に進んだ。
そして最深部に辿り着く。
「おかしい……敵が強く無い」
「Aランクはあると思うけどね? ボクだったら苦戦してたかも」
オルグス大迷宮の時の女王は偽物と言うか義体と言うか……まぁ兎に角不完全だった。
だがここにいる女王は正真正銘本体、つまりは力はこちらの方が単純に高いと言うことになる。
なのに何で配下の力が変わっていない?
いやもしかしたら迷宮の時よりも弱いし……
「考え事?」
「まぁな、それよりそろそろ突入だろ? 武器の手入れは済んだのか」
「バッチリだよ! ボク武器の手入れは怠らないんだから!」
俺も点検は済んだしあとはバフをかければ準備完了いつでも突撃OKだ。
味方全員にもかけてやりたいがバフの強さに耐えられなくて押し潰されてしまうからやめておこう。
「ねぇねぇレント」
「ん? どうしたノエル」
「みんなに作戦伝えるの変わってくれない? ちょっと緊張しちゃって……」
ノエルは体を小刻みに揺らしながら蓮兎に懇願する。
涙目にもなっていてその外見から何やら蓮兎が悪者に見えてしまうだろう。
「まぁ良いよ、伝えてくる」
「ありがとう!」
確か作戦は俺、暴食、ノエルがメインアタッカーで他は雑魚殲滅なり支援とかだっけ?
作戦伝えるとか苦手なんだがな。
◇Sランクダンジョン・紅染まる血の孤城◇
「作戦は以上だ。これより突入する」
俺が言い終わると暴食が勢い良く扉を開ける。
ーードォンッ!
「よぉレイヴ、こっちは本体なんだろ?」
「……排除する」
完全に理性無いなこれ、確かにこれは封印されてんな、雑魚の中に二体ほど強い気配がするな?
こいつらは他のメンバーには厳しいんじゃ……?
「すぅ……作戦変更! 暴食さんは強い気配のする吸血鬼を、他のみんなはもう一体と他の配下の処理を!」
「「「はい!」」」
流石ノエルだ。やる時はやるって良いよね、何か体ぷるぷるしてて涙目だけどそれは見ないことにしておこうか。
「んまぁ俺は女王の相手かッ!」
「ボク援護に回るよ、一回倒した相手なんでしょ?」
「倒したって言うか一時的に利害の一致で……いや今は良いか、よし任せろ!」
「貫いて、血槍之牢獄」
無数の鋭い血の槍が交差に交差を重ねて牢獄のようになり、その全てが触れたら血液による支配を受ける地獄の領域が完成した。




