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紅染まる血の孤城

◇次の日・Sランクダンジョン紅染まる血の孤城◇


力の制限ってどこまですれば良いだろうか?

固有スキルはガンガン使って良いよな、エフェクトがあるわけじゃ無い常時発動パッシブスキルだし……


「てか封印を解くって何すれば……?」

『殺せば勝手に解けるわよ? 殺すって言ってもステータス上のHPを0にするだけで心臓潰すのはダメ』

『やっぱ心臓潰したら即死なんか?』

『それは下位の吸血鬼だけよ、高位な私みたいな存在はHPを0にするのと同時に心臓も潰さないと死なないわ』


心臓を潰すのはダメでHPを0にしろと……

結構難易度高い事言ってそうだけど大丈夫なんかな、俺以外で共有できるのは暴食グラフェルと噂のSランク冒険者【嶺冰】だけだしな。


「君がレント君……かな?」

「ッ?!」


話しかけるまで気づかなかった?!

背後から感じる膨大な冷気、体が凍ったと錯覚するほどの体感温度……いや本当に冷気が出てんのかこれ、固有スキルか何かかよッ


「ん? 別に警戒しなくて良いよ、ギルド長から話は聞いてるから」


氷のように澄み渡る短い髪をした女性は警戒を解くことを表すように両手を上げる。

腰には青を基調に装飾されたレイピアを装備していて鞘から溢れ出る冷気を見るにSランク品だと予想でき、相当な実力者だとすぐに分かった。


「自己紹介しておこうか、ボクはSランク冒険者【嶺冰】ノエル・アズールだよ。君は?」

「俺はBランク冒険者のレントだ。俺のことは知ってるんだろ? あのジジイに聞かされてるだろうし」

「ギルド長をジジイ呼びなんて凄いね、ボクでも躊躇っちゃうよ? でもまぁ同意かな、僕の弱みも握られてるし」


あのジジイ全冒険者の弱みでも知ってるんじゃ無いか……?

少なくとも一部のSランク冒険者のは知ってるだろうな、俺の弱みも一応握ってるのはSランクにならせる予定だからってところかな。


「あ? 何か気がついたら女が増えてやがる」

暴食グラフェルか、彼女は……」


ーースッ


暴食グラフェルが蓮兎に話しかけた瞬間にノエルは蓮兎の背後に隠れた。

そして言葉を発することは無くただもじもじと少し動くだけだ。


「……何してんの?」

「人見知りなんだよボク、急に話しかけられたらびっくりしちゃうよ」

「……だってよ暴食グラフェル、謝れよ」

「は? 嫌に決まってんだろうが」


暴食グラフェルが高圧的な態度をとるとノエルは蓮兎の服をさらに強く掴んで怯える。

その怯えている様子とその幼いような見た目から暴食グラフェルが子供を脅しているように見えてしまう。


「……すまんかったな」

「うん、良いよ」


ノエルは怯えながら暴食グラフェルの方に近づき手を出して握手をした。

蓮兎か見れば園児と和解する先生のようだ。


「てか良いのか? そろそろレイドが始まるからリーダーとして一言話すんだろ?」

「……変わってくれない? レントならいけるよ」

「いやリーダーはノエルだろうが」

「やだぁ!」


何この人ほぼ子供じゃねぇかよ、年齢的には17か16っぽいかな?

別に悪い気はしないけどなんて言うか絵面が……


「ねね、ならせめて着いてきてよ、ボクだけじゃ無理」

「Sランクなった時に喋ったりもしたろうに……」

「その時ボク遅刻してそのまま流れでサボったもん」


本当に大丈夫かこのリーダーは……

この人に命を預ける人はどんな気持ちなんだか、まぁやる時はやる人だとは思うけどね?

流石にSランク冒険者だし強いだろうしな。


「リーダー! そろそろ始まると思うんですがどうなんですかー?」

「ほら呼ばれてるぞ」


ノエルを呼ぶ声が蓮兎と暴食グラフェルを除くパーティメンバーから聞こえてきてノエルは再び蓮兎の服を掴んだ。


「はぁ……ほらついてってやるから行くぞ」

「……うん」


なんか俺が保護者みたいになってるのは何故だろうか。

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