王都セイクリッド
◇オルグス大迷宮・地上入り口 10分後◇
「ん…僕は何を──」
「お、やっと起きたか、さっさと話を聞いて俺は街に行くッ!」
千崎は目を覚まし、周りの状況を確認する。
自身の手下だった女騎士達は蓮兎によって洗脳を解かれ自身の手から離れていたり、他の騎士達も自分を囲むように位置取っていた。
そして何より先程まで敵だったはずの蓮兎が騎士団長と仲良くお茶をしている光景だ。
「何をしているッ! そいつは僕を傷つけた大罪人だぞ?!」
「それは誤解だったのですよ、なので和解しました」
「なら何故僕を拘束する?! 勇者の命令は絶対だろうが…ッ?!」
突如として千崎は暴食に頬を蹴られる。流石の女狂いも蹴られる趣味は無いようで痛みで暴れている。
そんな事は気にせず暴食は千崎の髪を乱雑に掴み、口を開いた。
「お前の加護にある色欲の加護はどこで得た、そして色欲とはどんな関係だ?」
「そ、それは…」
うわ、暴食怖いな…問い詰め方が浮気した相手を問い詰める時なんだよな…
千崎だったか?あいつも半泣きだし、でも口は割らないから流石勇者と言うべきなのだろうか、それともスキルの関係とか…?
『チッ、こいつ色欲から【狂愛】の効果を受けてやがる』
『そんな厄介なスキルなのか? てかずっと狂愛かと思ってたら読み方違うのか…鑑定眼だとそこまでは確認できないから対策必要だな』
『超簡単に言えば【狂愛】は対象に惚れる&惚れられるスキル、だがその効果は絶大で一度惚れたらそのスキルが解けるで絶対に相手を信用し、死ぬまで愛す』
色欲を愛してるから口を割らないってことか?ロマンチック…いやギリ恐怖が勝つか、死ぬまで相手を信用して愛し続けるスキル…やっぱギリロマンチックかも知れん。
「こうなったらもう喋らないな、諦めか」
「案外すぐ諦めるんだな」
「無理なもんはしょうがないだろ? 本元の色欲本人を叩くッ」
「…兎に角王都セイクリッドに案内しますね」
そう言い俺たちは王都に案内され、馬車を走らせる事数時間、やっと俺たちは王都に辿り着き、門の前まで案内された。
◇王都セイクリッド・入り口◇
入り口の大門だけで分かる、これは楽しいやつだ。
出入りする人の殆どが武具を纏った冒険者や商人、それにこの高い城壁と来たもんだ。
流石異世界!最高異世界!やっぱり異世界は地上探索だよな、何で俺はダンジョンなんかに閉じ込められてたんだか。
「では私はここまでなので帰りますね」
「ジンさんは良いんですか?」
「王都と帝都は不仲なので私が入ると問題になる可能性があるので、それに部下達が待っていますので」
そりゃ国争いとかもあるか、ジンさんとはここでお別れして俺たちは新しい生活を…いや暴食はそうでも無いか、まぁ異世界生活を謳歌するッ!
そんなことを考えながら蓮兎達は王都に入った。
広がるのはザ異世界の光景、冒険者達は街中を歩き回り酒場に入る。
武器屋、防具屋などの店が建ち並び中央広場には大きな時計塔の設置がされているなど圧巻な景色だ。
その中でも一番の見どころはやはり最奥に聳え立つ白一色のお城だろう。
「ヤッベェ超興奮する」
「発情すんなよ」
「違えよ」
兎に角ここから俺のちゃんとした異世界生活がスタートする。ダンジョン篭ってた時とは違う、冒険者になったりモンスターを倒したり武器の手入れをしたり!あれ、迷宮にいた時とあんま変わらない…?
まぁ細かいことは後にして今は早く冒険者ギルドに行きたいッ!
「行くぞ暴食! 冒険者ギルドに直行だ!」
「あ、急に走んなよ!」
その日2人の変人が王都を走り回ったと少し噂になった。




