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次の日の三姫は?

今日は主人公は登場しません

 「小笠原さん、少し良いですか?」


 「あら、珍しいですわね、橘様の方から、お声が掛かるなんて。それでご用件は?」


 「今日の放課後は、いつもの様に生徒会室の方に?」


 「ええ、顔を出そうと思っておりますが、それが何か?」


 「で、今日は他のメンバーの方もご一緒ですか?」


 「いえ、生憎今日は執行日ではないので、誰も来られないと思います」


 「え、それではなぜ小笠原さんは?」


 「前会長に今年度の会長を仰せつかっているものですから、出来る事を今からしておこうと思いまして」


 「じゃあ、今日の放課後、私が生徒会室にお邪魔したら迷惑かな?」


 「私一人ですので、別に迷惑という事は無いのですが、何か御用がおありなのですか、生徒会室に?」


 「うん。いまはちょっと理由は言えないけど、ね」


 「そうなのですね。お尋ねになられた通り、放課後は生徒会室にいると思いますので、いつでもいらっしゃって構いませんよ」


 「そうなの?それじゃあ、また放課後に。時間とらせてごめんなさいね」


 そう言って立ち去る彼女を目で追いながら、


 「今のお話を、どう思われます?小鳥遊様」


 「そうですね、今まで生徒達から三姫と言われる以外、接点のなかった橘様ですからね、正直わかりかねるとしか。しかし、それ以外に共通点がないのなら、その事に関するお話しなのでは?」


 「それでしたら、友染様も誘われるべきだと思うのですが」


 「誘われてないのでしょうか?橘様は友染様を」


 「どうなのでしょう。あの方にそれとなく聞いてみましょうか、同じクラスですし」


 「そうですね、友染様は、橘様と違い、同じクラスですので、それと無く聞いてみるのも良いかもしれませんね」


 「でも何用なのでしょう、本当に理由が想像できませんわ」


 「ですね」


 そうして、お昼休みに入る時、


 「友染様、少し良いかしら?」


 「何か御用ですか、小笠原様?」


 「今日の放課後について、橘様から何かお聞きですか?」


 「橘様ですか?同じ三姫と呼ばれる事以外は存じ上げない方ですので、なにもお伺いしておりませんが、それが何か?」


 「いえ、でしたらいいのです。こちらの勘違いかもしれませんし」


 「まあ、そこまで言われたら、かえって気になります。どんな事ですの?」


 「いえ、朝、橘様から、放課後生徒会室に居るかと、他に誰かいるのかの確認をされて、私以外はいないだろうと申し上げたら、生徒会室に伺うとの事だったので、正直、友染様も仰ったように、三姫という以外共通点などないので、そのお話なのかと。ならば友染様にもお声が掛かっているのかもと、確認しただけですわ」


 「そ、そうなのですか?私には声は掛かっておりません。しかし、三姫のうち二人だけとは、何か私に聞かせられない事でもあるのでしょうか?」


 「そのような事ではないと思いますが」


 「なぜそうおもわれるのですか?小笠原様」


 「いえ、そのような事を話す時の様な、その様な表情ではなかったもので。どちらかというと、楽しい事でもあった様な、そんな感じでした」


 「判りました、では、私も放課後生徒会室に伺う事にしましょう。小笠原様に用があったという事で」


 「それは、私は構わないのですが、それだと橘様がどうなさるか判りませんね」


 「と、仰いますと?」


 「他の人が居たら、帰られるかもしれないと。他の生徒会メンバーが来るかの確認はしておられましたので」


 「それでしたら、橘様が生徒会室に入られた後で、私が訊ねる事にしますわ」


 「まあ、訊ねて来られる理由が判りませんので、良いとも悪いとも言えませんが、友染様がご自分でそうされたいのなら、止める事も出来ませんしね」


 「では、放課後よろしくお願いしますわ」


 「ああ、判った。でも、生徒会室なんだ、もめ事になどならないように注意してくれ」


 「判ってますわ。それでは」


 そう言いながら立ち去る者と入れ違う様に、


 「声は掛かっていなかったみたいですね。藪蛇という事にならないと良いですね」


 「君がそれを言うか、小鳥遊。自分で勧めておいて」

 

 「ですので、責任を持ってお話をお聞きしていたのですが、相変わらず、大人しそうな容姿に似合わず気の強い方ですね、友染様は」


 「だな。生徒達からはおしとやかと思われていそうだが、どうしてどうして。ああ気の強い子だとはね。でも生徒達の誰も、気付かないとこも凄いんだがね」


 「まあ、家柄は生粋のお嬢様ですからね。それと、あの外見ですから、余程親しく話さないと気付かないでしょう」


 「まあ、私達は親しくはないが、知ってはいたんで、性格も判っていたんだが、実際話すと取り付く島もないというか、一方的だな」


 「周りがそうさせる方達ばかりなのでしょうからね」


 「ああ、今から放課後が思いやられるよ」


 「今日の放課後次第で、これからの学園生活の三姫がどう関わるのか決まるかもしれませんね。仲良くなるか悪くなるか、ふふふっ」


 「お前が一番悪者みたいだよ、小鳥遊」


 「さっきから、敬称がありませんが?」


 「わざとだ。お前には、いらないだろう、様なんて」


 「まあ、酷い。オ~ホホホッ」


 「悪役演技上手いな」

楽しく読んでいただけたら幸いです。

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