お仕事タイム
えっと、適当ですので、余り専門的なことは言わないで下さいませ。
「遅くなりました~。皆さん、おはよう御座います、お待たせしてしまいましたか?」
「ううん、まだ約束の時間前だもの、大丈夫よ。それより、こんな時間からゴメンね、本当なら平日は余り仕事は入れたくないんだけど、締め切りの期日が迫ってるから」
「お、すまないな、蓮坊。学校が終わったあとなんで、疲れてるかも知れないが、宜しく頼むよ」
「大体は健一さんの所為なんですけどね。こうなったの」
「おいおい、さっちゃん。もうそれは言わない約束だろ。何回も謝ったじゃないか。それに、皆もあの時は、あの写真の出来を褒めまくってただろ」
「それはそうなんですけどね。まさか日常生活が、真面に送れない程になる切っ掛けになるなんて、思っても見ませんから」
「それは俺もだって。なんで、蓮坊には悪い事をしたと思ってるよ」
「そんなに、気にしないで下さい。お陰で赴任する親元について行かずに、妹と暮らせるくらいの収入に恵まれたのですから。それに幸姉さんには、保護者兼、保証人にもなって頂いてますし、逆に感謝してます」
「まあ、なんていい子なのかしら。流石は私の蓮君ね」
「あ、幸姉さん、急に抱きつかないで下さい」
「もう、照れちゃって。そういうところも、相変わらず可愛いのよね~」
「じゃあ、そろそろ始めるんで、着替えて来てくれ、蓮坊」
「はい。今回の衣装は?」
「あ~、あそこの部屋にそろえてある。どれから着ても大丈夫。順番なんて、後で如何にでもなるから。ただ、メイクさんや小道具係のスタッフの、仕事のしやすさが変わるかもしれないから、一応聞いてみてくれ。衣裳部屋に居るはずだから」
「判りました、仕事しやすい順番を聞きながら、着替えてきます」
「襲われないようにね、蓮君」
「怖い事言わないで下さい、幸姉さん」
「今回はスタッフ何人かいるけど、二人っきりとかだと、ホント危なそうだから」
「そういう時は、衣裳部屋以外で、着替えさせてもらいます」
「だよね~」
「よ~し、じゃあ準備始めるぞ、照明もテスト開始してくれ。あ、勇、お前、身長蓮と同じ位なんで、そこに立っててくれるか?あ、仕事がある?そんなもん他のスタッフに任せとけ。チェックの方が最優先だ」
そんな大声を上げる、メインカメラマンの健一さんを尻目に衣裳部屋に行くと、数人のスタッフが待ち構えていて、
「キャ~、本物のレン君よ~。この仕事引き受けて正解だったわ~」
「私も、このスタジオ、初めて呼ばれたけど、もう、サイコ~。今度からも呼んでくれないかな~」
「私達も頑張れば、呼んでもらえるかも?」
「「「という事で、宜しく、レンくん~~」」」
「あ、はい。皆さん宜しくお願いします」
「「「キャ~、宜しくだって~」」」
「あ、カメラマンの健一さんから、衣装の順番は決まってないので、此処のスタッフが仕事しやすい順番で決めて下さいとの事です」
「それなら、どうしよう。今後ろに纏めてる髪、衣装によっては少し横に流す感じで垂らしておいても絵になると思うし。なので、今の髪型で行けるのから始めてもらって、変えた方が映えるのは、後回しにしましょう」
「じゃあ、これとこれが、後ね。で、衣装に会せる小道具はそれでも大丈夫?」
「OK、そっちに合わせるよ」
「じゃあ、レンくん。最初はこれに。で、着替え済んだら、その椅子に座って。そんなに手を入れなくてもいいんだけど、一応整えるから」
「はい、判りました。すぐ着替えます」
そう言って、カーテンのある小部屋に入ると、残ったスタッフが、
「グフッ、あのカーテンの向こうで、レンくんが生着替え。り、理性が~~」
「た、耐えるのよ。じゃないと、もう二度と呼んでもらえないわ」
「そ、そうよ。それで出禁になった子、沢山いるんだからね」
「だよね。頑張れ、私の理性」
などという声を上げているのが、筒抜けで聞こえて来るのでした。で、着替え終わり、スタッフの元へと戻ると、
「ふわ~、流石レンくん、カッコいいわ~、じゃあ、此処に座って」
「どうしよう、夏服だから、もう少し胸元空けとく?」
「それは、イケるけど、読者倒れそうね」
「取り敢えず、これで。さあ、レンくん、スタジオに行ってきて。次の準備しておくから」
「判りました、行ってきます」
そう言って部屋を出ると、叫び声が。
「もう、サイコ~。この仕事ならギャラ無しでも、ドンとこいね」
「「うんうん、レンくん、サイコ~」」
「あ~、大丈夫だったのか?蓮坊」
「何とか。流石に、仕事は仕事と割り切られてるみたいですよ、気を抜くと、ああみたいですけど」
「まあ、そこは誰を呼んでも一緒だ。気にしたら誰もスタッフを呼べなくなるからな。理性が効く奴なら、大丈夫という事にしとこう」
「判りました」
「あ、胸元、もっと開けよう。せっかく鍛えた良い身体してるんだ、夏服の時は見せとかないとな」
「判りました。でも、後で幸姉さんから、苦情が来ても知りませんからね」
「ああ、まあ、それは何とかなるだろう、読者からの反響で。相殺できると良いな~」
などと言いながら、撮影を進めて行くのでした。
楽しく読んでいただけたら幸いです。