嘗めるなよ
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
しっくり来なかったので、また書いてもお許し下さい。
「あの子を、舐めるなよ」
私は親代わりの師匠と面と向かって話をする。大層疲れてしまったようで、頭一個分低い私の肩に、自分の額をぐりぐりと押し付けようとしてくる。それをさり気なく交わして、笑顔を浮かべた。私よりも年上なのに、何だかずっと幼い子供のようだった。
「疲れた〜」
「お疲れ様です。何かを教える、という立場上、気苦労も多い事でしょう」
俯いて、湿気った吐息を床に向かって吐き捨てる。顔を上げるのも億劫な程、今はとても弱ってしまっている。
「君は良くやってるよ」
「有難う御座います。私より立場が上な方に認められると、自分が信用出来ます」
教え子が一人いる。穏やかで、真面目で、何時も俯瞰的に盤上を見て、判断が下せる、思慮深い子だった。ただ容量が悪く、教えてすぐに実践へと移せるタイプの子では無かった。
その事が、天才肌の子が多い此処では、努力する様がさぞ滑稽に映るらしい。同級生からだけではなく、教員側からも陰口を叩かれている。
今回もそんなあの子を教え子に持った僕への当て付けか、馬鹿みたいにデカい声であの子の悪口を言っていた。
――センスも無いのにでしゃばって。
――さっさと辞めて欲しい。
――あの人もいい加減、見捨てれば良いのに。
基本的にそんな言葉が耳に入っても、あの子は決して真っ当にやり合わない。ただ有象無象の戯言として、聞き流す。けれども自分が信じ、見てきた教え子を馬鹿にされて、黙っているほど私は我慢強いタイプでは無かった。
群れでしか行動出来ない奴らの中に突っ込んで、ガンを飛ばす。
「あの子を、舐めるなよ」
幼い頃に親から虐待されて、捨てられて、それでもこうして今を生きている。後遺症故か、触れられるのも、目を合わせる事も極端に嫌がって、心を中々開いてはくれない。けれどもそんな泥水の中を必死に生きてきたお前らに、あの子の何が分かる。
お前らはただ自分の才能に溺れ、胡座かいてるだけだろが。
冷水を浴びせられた輩達は蜘蛛の子散った様にその場を後にした。
彼奴らは知らない。あの子が大成する事を。だって私と同じ道を歩んで居るからね。
しっくり来なかったので、今回は控えめにしようと思います。
もっと捻れたなぁというのが今回の感想。
でも投稿したのは、何かを目標にしないと動かなくなるから。
チェス盤叩きながらやった方がもっと味が出た気がします。
もっと女の子が話してる方が良かったかなー。
【あの泥沼超えた私を、私自身を、高く評価している。他の子ならばきっと潰れてしまいますよ】
次回はこんな強かな子を登場させたいですね。