表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

早朝

 行動には必ず結果が出る。行動の結果が連続して同じことが起こったことは、必然と言うべきなのだろうか。


「ねぇアンタ、そろそろ漁にも出てみたら?」

 今日、僕はどうしてもとある場所に行きたかった。朝早くというのにそそくさと外出の用意をしている最中に、近所の二つ上の幼馴染、ゼタが自宅のテーブルに我が物顔で突っ伏して悪態をついていた。いくら唯一の家族が漁に出ていてしばらく帰ってこないと言っても、このくつろぎ方はどうかと思う。

「行かない。僕が船酔いが酷いの、知ってるでしょ」

 過去に一度漁へと向かう船に乗ってみたのだがほんの少しの距離で記憶が飛ぶかと思うくらい気持ち悪かった。ただしそれだけで働がなくてもいいと言えるほど僕の住む村自体甘くない。

「知ってる。分かってて言ってるのよ。だって——」

 名のある漁師の一人息子が。と何度も聞いたフレーズを口にする。長い付き合いもあるから彼女の口の悪さにも慣れたものだ、適当に返事を返し準備を終わらせ、日がまだ登り切らないうちに村を出てしまおう。

「それじゃ、ゼタは立派に仕事してきな」

 やられっぱなしは癪なので一言皮肉で返し、家を後にする。これでも周りに助けられてながらではあるが、やることはやっている。より多くの魚を獲れるようにしたのは僕だし村の問題だって大人たちでも分からないようなことを解決してきた。だからこそ、この時間に外へと出れるし、船へと乗らなくても済む。アイデア係の役得というわけだ。決して船が苦手なだけではない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ