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三英雄とF級冒険者

◆カル視点


シュルルルッ、シュパッ


う、頬がすこし切れた。

おれは構わず、走り続ける。

止まれば、すぐ奴の風に切られるからだ。


もう、どれだけ走っただろうか?

奴は大きい図体の割に魔法のせいか、非常にす早い。


グリン「ウッドプリズン!」


バサッ、シュパッ、シュパッ、シュパッ


グリンさんが足止めするが、十ビス()足らずしか止められない。


鎧鬼熊「グオオオオッ」


イエル「サンダーボルト!」


バリバリバリッ、シュパッ


イエル「う、!」


グリン「イエル、大丈夫か?!」


イエル「だ、大丈夫です」


こちらが魔法を打つと、カウンターで奴の魔法がくる。


レッド「おおおぁぁっ!!」


ガキンッ、レッドさんが隙を見て槍を打ち込むが、厚い鎧に阻まれて効果がない。

魔法もあまり効いてない。

おれもだが、皆、疲れがみえてきている。

このままだと、ジリ貧だ。


チラッ、おれはリンが居た方を一瞬、見る。

ルケル殿下を残して誰もいない。

良かった。

きっとタンが、上手くリンを連れ出したのだろう。

二人が安全なところにいるなら、安心だ。


だが、どうする?

三英雄の攻撃が届かない、完全に手詰りだ。

レッドさんは顔には出さないが、かなり厳しい状況だ。


おまけに突然現れた巨大ゴーレムが、おれ達とマリンさん達を分断。

その後、マリンさんがゴーレムを退け、そのまま場外にゴーレムの後を追っていった。

いまだ、場外から激しい衝突音が聞こえる。

援護は期待出来ない。


おれにまだ、出来ることがあるのか?

英雄達の攻撃すら効かないのに?

ただのF級冒険者のおれなど、本来ならここにいる資格すらないのに?



(カル君、なんかごめん、ぐす、今だけ、う、胸かし、てね)



そうだ、まだ、おれに出来ることがある!

おれはレッドさんに叫んだ。


「レッドさん!!」


レッド「カル!?」


「レッドさんの跳躍でおれを奴の側に飛ばしてくれませんか!おれの星魔法で奴の鎧を壊してみます!!その後にレッドさんのファイアーボール、イエルさんのサンダーボルトで壊れた鎧部分に攻撃をしてください!」


レッド「だが!」


「このままでは皆、死にます。その後は奴がリンを襲うかもしれない!」


レッド「!!、く、判った。死ぬなよ?」


「必ず、生きてリンに逢います!」


レッド「!、よし、いくぞ!」


「はい!」


おれを担いだレッドさんが、奴の隙をみて跳躍した。


レッド「カル、いまだ、行け!」


そして、奴の背面におれを空中から投げ飛ばした。


「おおおーっ!!」


おれは落ちながら奴の背面に触れた、いまだ!


「スターブレイク!」


触れた瞬間、おれは星魔法を発動した。

手のひらからオレンジの光が輝き、奴の背中に光が広がった。

おれは着地と同時に転がって、奴から離れる。


パキッ、ピキッ、バキ、バリッ


鎧鬼熊「ガ、?!ギグアアアア」


やった!奴の背面の骨鎧にヒビがいって破裂して剥がれていく。


「いまです!」


レッド「ファイアーボール!」


イエル「サンダーボルト!」


ボアッ、ボッ、ボアアッ、バリバリバリ


火の玉と雷撃が奴の背中を襲う。


鎧鬼熊「グワアアアッ、ギャワアァッ!」


レッド「あおおお!」


ドッシュウウッ


レッドさんが槍で鎧鬼熊の心臓を、背中から貫いた。

鎧鬼熊は絶命した。

ふぅ、おれは座り込んだ。

だいぶ体が痛むが、休めば大丈夫だろう。

イエルさん、グリンさんも地面に倒れこんでる。

レッドさんが肩で息をしながら、おれに近づく。


レッド「見事だった」


「…………いえ」


レッドさんが手を出し、おれがその手を掴んだ。


おれは少し、レッドさんに追いついた気がした。




◆◆◆




◆シン視点


「タン?!、タン!、しっかりしろ!いったい何があった?リンさまはどこだ?」


タン「う、あ、いたた?!お姉さん?」


観客席下、闘技場内に入る通路の途中で倒れていたタンと侍女服を着た親子と思われる、縛られて座り込んだ女性達を見つけた。

マリン様の話しならタンはリン様と一緒だった筈だが、そのリン様が見えない?


タン「う、その人達がお姉さんを連れ出したんだ、そして、この通路に差し掛かったところでぼくは誰かに蹴り飛ばされて、う、その後はわからない、お姉さんはどこ?!」


タンが頭を抱えながら、辺りを見回す。


私は縄を解いて、座り込んだ二人に声をかける。


「お前達、私はレッド第二王子の従者シンだ。お前達はリンさま、いや、聖女様と一緒であったな?!聖女様は如何したのだ?」


エテルナ「ああ、申し訳ございません。どうか、どうか、お許しを、娘はなにも悪くはございません」


エミリー「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」


泣きながら話す二人、だが、一向にリン様の事がわからない。


タン「お姉さん!?、お姉さんはどこ!、お姉さん!?」


タンが必死な形相で女性達に迫るのを、私が手で制して止める。


「今一度聞く、正直に答えよ!聖女様を如何したのだ!」


私は少し声を荒げて聞いた。


エミリー「あ、あたしが、あたしが騙されて、聖女様があいつらに、あああ、ごめんなさい、あたし、恩人に、命の恩人なのに、うわあん!」


エテルナ「聖女様は、見たことのない知らない男達に、つ、連れ去られました」


タン「お姉さん!!」、ダダッ


「タン?!待て!」


タンが獣化して、走って行ってしまった。




なんということだ!!



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