それぞれの
◆カル視点
メイサ「何であんたがここにいるわけ?」
受付嬢「仕方ないじゃないですか。ギルド長は居ないし、ほとんどの冒険者もこっちに来てる。向こうにいても仕事ないですよ」
受付嬢は大きなトンボメガネをずり上げながら、登録書を作成した。
受付嬢「では、パーティ名、星の剣のまま、グループ登録でいいですね、変える事も出来ますよ?」
「それでいい」
ここは闘技場出場者登録会場、明日からの武闘大会に合わせ、設置されたところだ。
すでに多くの冒険者が登録にきており、会場は人で溢れている。
受付嬢「では、ルールを説明します。初回、三回戦までは三人一組のグループ戦です。先に三回勝利した方が次に進みます。上位十グループに絞りこんだら、グループ代表による勝ち抜き戦になります。なお、皆さんには関係ないと思いますが、魔法は禁止です」
「了解」
リム「メイサ、大丈夫か?」
メイサ「本音いうと私じゃ足手まといだけど、三人一組だから仕方がないでしょ」
「メイサ、すまない」
メイサ「いいわよ、頑張るわ」
「よう、なら俺をメンバーに加えな!」
「「「?!」」」
そこには、スキンヘッドに筋肉なギルドマスター、ラルがいた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆グリン視点
マリン「魔法も魔法アイテムも禁止?!それじゃ、あの憎たらしい男を叩きのめせないじゃない」
マデリン「マリン様?!出場するつもりだったのですか?」
マデリンが目を丸くして驚いている。
マリン「当たり前よ、私の大事なリンちゃんにあんな事されて!直接ぶちのめさないと気がすまないわ」
マリンは唇を尖らせて言った。
シン「マリンさま………」
「とにかく武闘大会は、ぼくとイエル、それとレッド兄さんの三人で出場する、それでいいね?!」
ここは闘技場近くの宿屋。
あれから、合流したぼく達は今後の事を話し合っていた。
タン「くぅ~ん」
獣化したタンがぼくを見ている。
双子の姉弟がいるとはミンから聞いてたけど、まさか、レッド兄上達と同行してしかも、リンにブレイカーズの覚醒を受けるとはね。
でも、なんだろう?この子はなんかイラッとくるんだけど?
マリン「はーい、タン君の気持ちは分かるけど、私と居残り組みね。こっちいらっしゃい」
タン「ワゥ………」
タンはそのままマリンに抱かれた。
なぜか、シンの顔が曇る?
レッド「…………………………」
レッド兄さんはずっと窓から公爵領の方向を見てる。
ふぅっ、ぼくがなんとかまとめないと。
そこに、外からイエルが戻ってきた。
イエル「取り敢えず登録はしてきましたけど、本当にこのグループ名でいいんですか?」
マリン「いいのよ、だって貴方達、素顔を晒せないでしょ」
ぼくはイエルに頷く。
これで準備は整った。
リン、待っていてくれ、必ず君を救いだすから。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ここは闘技場の地下倉庫、そこにハベルがいた。
「よう、武官ハベルだ。聞いてるだろう?通るぜぇ」
兵士「お待ち下さい。ここは殿下から誰も通すなと申しつかっております」
「かてぇこというなぁ、俺も殿下に言われてきてんだ、なんだったら直接殿下から言ってもらうか?」
兵士「………分かりました、どうぞ」
「ありがとさん」
カツン、カツン、カツン地下にハベルの足音が響く。
奥に、いくつかのオリが見えてくる。
グオオオッ
獣の唸り声が聞こえてくる。
「か、ははは、すげえな」
そこには、鎧のような硬い表皮に覆われた熊に似た獣がいた。
ガウウウッ、グオオオ
「鎧鬼熊か、ルケルのだんな、とんだもん隠してたな」
グオ、ガウッ、ウウウ
「出たいか?いいぜぇ、まってろよ、くく」
ハベルは後ろを振り返ると、元きた方向に歩いていった。




