表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/67

宝玉

エンペリア大陸中央山脈の中にエトナ山がある。

オリポス神の降臨したとの伝説の聖地であり、宝玉と呼ばれる宝石の産地である。

この宝玉、百年に一度の❪星降りの夜❫と呼ばれる流星群の後でないと見つける事が出来ない。


丸くて虹色、最大で一セム(1cm)の宝玉、一度の流星群で見つかる宝玉は百個ほどである。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「ほう、これが加工された宝玉か、なかなかに美しいな」


「はい、近年思うような入手が困難になりまして一セム(1cm)級は当店ではこちらのみになっております」


ルケルは手に馴染むように手のひらで転がして眺めた。


「よかろう、買おう。代金は後程、領館に取りに来るがいい」


「ありがとうございます。では、私めはこれで」


宝石商が出ていく。


コン、コン


「入れ」


入れ替わりに一人の武官が入ってくる。


「すみません、だんな」


「殿下だ、馬鹿め!何度言ったらわかる?!」


ルケルは武官を振り向き、怒鳴った。


「殿下、すみません、見つけやした」


「!確かなのか?」


「へい、ただ」


「ただ?」


「見失いやした」


ダンッ、ルケルが銀髪を乱して机を叩いた。


「馬鹿め、そんな報告はいらん!」


「火の魔法使いと一緒でした」


「!っ、くっ、くっ、くっ、くははは」


ルケルは俯むき、髪を振り乱しながら笑いだした。


「?」


「そうか、そうか、あやつがいたか!なら、間違いないな、ははは!」


ルケルはしばらくして平静を取り戻し、武官を見た。


「奴から女を奪え、これを」


武官はルケルから、首輪のような物を受け取る。


「これは?奴隷の首輪ですかい」


◆(奴隷の首輪、命令に従わないと痛みが続く)


「もっと強い、隷属の首輪だ。」


「ヒューッ、御宝じゃあないですかい!」


◆(隷属の首輪、意思を奪い思うように操れる)


「そうだ、宮廷魔術士に作らせた。だが、意志の強い人間は操れん。そのかわり」


ルケルは机の引き出しから、腕輪のような物を出した。


「これは意志伝達の魔道具だ。その首輪と組になっている」


「へえ、そんでどうしやす?」


「お前達に依頼した魔獣捕獲の件だ」


「?へえ、島には言われた通り生きた魔獣を送りやしたけど」


「まだ、送っていない魔獣がいるだろう、ええい!わからん奴だな!」


ブンッ、パシッ


しびれを切らしたルケルが腕輪を投げ、武官が受け取る。


「おっと!だん、殿下、壊れちまいますぜ。わかりやした、これで魔獣を操れるってことで」


フーッ、「やっとわかったか、一つしかない!一番強い魔獣に使い襲わせよ。その間に女を奪うのだ。奴は城に適時に連絡しているはず、すぐに位置は知れる」


「最近捕まえた奴にしやしょう、人懐っこい魔獣で簡単に捕まえやしたが本来は強い魔獣で」


「どんな魔獣だ?」


「ジャイアントベアー、それも成獣でさ」


「災害級か、よく捕まえたな?」


「へえ、信じられねんですが、どうも人に飼われてたぽいんで、この人形をみせたらおとなしく付いてきやして、今はオリに入ってやす」


「ほう?」


ルケルは人形を受け取る。

それは、三頭身リン人形だった。


「それで女を捕まえたら予定通りギガールに送るんで?」


「知らん」


「へ?いんですかい」


「こっちは結果は出している、それに老人のおもちゃにはもったいない」


「へへ、まったくで」


隷属の首輪が怪しく光った。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「幽閉?!どういうことなの?」


獣人A「お気を確かに、ミンさま」


ここは裏町のとある食堂の地下室、そこにミンとメイサはいた。


獣人A「急進派の反乱です。首謀者はマンダム伯爵です」


「お父様とお母様が!」


メイサ「ミンさま?の父ちゃんと母ちゃんだから王様とお妃様か、二人が牢屋に入れられたって事?!」


獣人A「そんなことあるか!後宮に閉じ込められたのだ」


「………早くダンケ兄さんを見つけないと」


ガヤガヤガヤ


獣人A「?なんでしょう、上が騒がしい」


バタンッ、いきなり地下室のドアが開いた。


「「「!」」」


ダンケ「ミン!」


「ダンケ兄さん?!」


そこには銀髪、碧眼、狼耳のイケメンがいた。

ミンとダンケは抱き合う。


「よかった、あの時に捕まって別れてからずっと心配だったの」


ダンケ「すまなかった、助けに行って捕まった私を許してほしい」


「ううん、とにかく逢えてよかった」


A獣人「王太子殿下!よくご無事で、どうやってここまで?」


ダンケ「彼らに助けられたのだ」





ダンケが振り向いた先には、グリンとイエルが立っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ