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黒船

「こ、こ、これは~?!!」


僕はいま、モーレツに感動している。

ああ、夢か?夢なのか?

輝くピンク髪をしならせて仮面ガールが言う。


「ほら、うちは海洋国家だからいろいろあるのよ。でも意外、仮面ちゃんがそこまで喜ぶなんてね、もっと早く持ってくるんだったわ」


アジぽい魚を開きにして干したもの、干物なのだ。

いま、それを焼いたものを食している。

あう~っ、油ものってる、しかもこの味、堪忍だわ~。

白いご飯がほしい!


「白いご飯が欲しい、あ?」


ポロッ


「「「「「「!」」」」」」


赤髪仮面「リン?!」


仮面ガール「リンちゃん!」


ま、待って、今泣き止むから、前世のお母さんの手料理を思い出しただけだから


船員男「リン様!」


カル「仮面ちゃ、リン?」


リム「!なんだよ?リンて?」


タン「ワウ!」


あう、仮面ガールが僕に抱きつき、タンちゃんが胸に飛び込み、右手は赤髪が、左手はカルに掴まれって、う、うご


「動けない?!大丈夫だから、み、皆、離してぇ!」




あれから少しして皆から解放されたんだけど、涙の理由やご飯の説明で大変だった。

タンちゃんだけ、まだ僕の膝に乗ってるけど。


なんか、そのあと赤髪と船員男とカルとリムが向こうに集まってゴニョ、ゴニョしてるし仮面ガールちゃんはお米の件でマデリンさんが知ってるぽいって行ちゃった。

あれ?

なんか重要な事を忘れているような?ま、いいか。


「もう、僕が泣いただけでなんでこんなになるかな」


「ワウ」


「うう、タンちゃん、モフモフ可愛いね」


はぁ~っ、て海は大きいな、春の海は荒れるって誰だよ、出港してからずっと快晴じゃん。

ん?

水平線になんか見えるな、船ぽいかな?

船首にいる船員が何か言ってる、あ、マデリンさんと仮面ガールちゃんが指差して話してる。

なんかあったかな?




マデリン「戦闘になるかもしれません」


なんで?


仮面ガール「海竜の話し、あったでしょ?あれの正体、ギガールの貨物船なの。島に近づく船を襲っている、貨物船はカモフラージュであれは軍艦よ」


話している内、黒い影がかなり大きくなってる?!

黒い?黒い帆船だ!え


「この距離感でこの見え方!」


大きいい!


マデリン「全員、戦闘配置!帆を拡げよ、全速前進!」


仮面ガール「仮面ちゃん!危険だから中にはいって」


そんなのやだよ、皆が闘うのに!

赤髪と船員男が船首に走っていく、カル、リムが剣を取った。


タン「クゥン」


「!」


………僕はタンちゃんの保護者、今はタンちゃんを一番に考えないと。

僕はタンちゃんを抱き上げ、船室に向かう。

その時、黒い帆船の横が光った。


マデリン「皆、何かに掴まれ!面舵いっぱい!」


ドオオオンッ


船首、左手に白い水しぶき、大砲だ!

凄く船が揺れる。

僕はタンちゃんを抱き抱えて近くのロープに掴まる。

え、また光った?!


ガガーンッ


「うわ!」


空中で爆発、これって


仮面ガール「ふん、私の結界(バリア)は余裕よ」


やっぱり。

仮面ガール(マリンちゃん)の魔法!


マデリン「応戦、撃て!」


ドンッ、ドンッ、ドンッ


わお、撃ち合いが始まった。


赤髪仮面「ファイアーボール!」


ボワァッ、ズガンッ


え、?火の魔法!じゃあ、やっぱりあの人……ん~、困ったなぁ、仮面ガール(マリンちゃん)はいいけど、皆集まってきてる?!

はぁ~、せっかく離れられたと思ったのに、これって完全にバレてるよね?

どうしよう、ん、関係ない、今はメディちゃん救出を最優先、自分の事は後回し!だね。


マデリン「撃ち方止め!」


え、終わったの!?まあ、こっちには結界(バリア)があるし、もう一方的だったもんね。


仮面ガール(マリンちゃん)「どうしたの?」


マデリン「あれです!」


軍船のあちこちから煙が、明らかにこちらの攻撃で傷ついたわけではなさそうだ。


しばらくすると黒い霧がでてきた。

そして霧が固まり、橋になって軍船とこの船を繋いだ。

ああ、これって!


橋を一人、歩いてくる、?!また仮面!


仮面ガール「遅いわよ」


「すまん、制圧が遅れて攻撃を許してしまった」


黒い髪、浅黒い手肌、うん、彼だ。

仮面の向こうから僕が見られてる、でも、懐かしいような気遣う視線。




「仮面マン四号、だ、でいいか?」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「どうだ?順調か」


「は!魔獣はうまくいっております。先ほど本国に試験結果を魔道レターで送りました」


研究室のような一室で二人の白衣を着た男達が話合っている。


「例の件は?」


「検体九人のうち、三人に施しましたが二人はすでに思考が途切れました。最後に施した一人はまだ目覚めておりません」


「貴重な検体だが、月内にもう一人使ってもかまわん!陛下がお待ちなのだ、結果を出せ!」


「は!」




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




ここは地下室のようなところ、数人の子供たちが身を寄せ合っている。

小さな小窓から僅かな月明かりが入る。

一人の少女が窓を見上げ呟く。




「おかあさま…………ヤマダ…………」




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