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心の時代  作者: ずんだ
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SNSで傷を負わない


SNSは便利だが、その恐ろしい側面に関しても把握しておくべきである。



この文章だけ読むと「当然だ」「そんなことは知っている」という答えが返ってくるかもしれない。

だが、今回触れたいのはあくまで心に作用する面に関してである。



突然だが、皆さんは手紙を書いたことがあるだろうか?

デジタルネイティブな世代の人間にとってはそんなに身近なものではないが、

きっと小学校の授業等で書いたことがあるだろう。


言葉を目に見える形にして相手に伝えるという意味ではSNSとそんなに大差ないが、

相手に届くまでの手間を考えるだけで労力の違いは一目瞭然である。


その労力、もしあなたが誰かから手紙を送られたとしたら、少しうれしく感じないだろうか?

便箋を用意し、筆を手に取り、切手を貼り、ポストに投函...。

労力で誠意があらわせるというわけだ。


なぜこんな話をしたかというと、人間には好意の返報性という心理が働くことを知っておいてもらいたいからだ。

簡単に言うとなにかしてもらった時、それに見合うお返しをしたいと思ってしまうことである。


一例をあげよう。

某有名呟きSNSでは「いいね」という機能がある。というか今日のSNSならどれでも似たり寄ったりの機能が搭載されているだろう。

これを自分の投稿に対して誰かがつけてくれたら、自分も相手の投稿に「いいね」をつけてあげようと思う方も多いはずである。


ただこの好意、労力は要らないのである。

ボタンを押すだけ。

それだけ。


だが、SNS上ではこの数が多いものがすごく、素晴らしく、偉大であるというような風潮が存在している。

恐ろしい側面の一つはこれである。


妄信してはいけない。いいねが多いから正しい事を言っているわけではないし、その内容に反する生き方をしているからといって自分を責める必要はない。

民主主義の社会において数は力だが、必ずしも多数に流される必要はないのだ。


数の暴力。

まずはそれが一点目である。



もう一点は、相手を傷つけるのにも労力を要さない点である。

通常、友達と喧嘩になったとき、それが口喧嘩、暴力を伴う喧嘩かを問わずあなたは何か知らの傷を負うし、相手も同じである。


だがSNS上であればテロリストのような行為が出来てしまうのだ。

気に食わない人に一方的に悪口を送りつけ、ある程度満足したら相手の反論もそこそこにブロックしてしまえば二度と関わることもないだろう。


厄介なのはこの「ブロック機能」なのである。

あなたがちょっとした知り合いにブロックされたらきっと反射的に嫌な気持ちになるだろう。


「なにかしたかな?」

「この前のリプライで何か傷つけちゃったかな?」

「何か気に食わないことがあったのかな?」


ついつい相手の気持ちになって考えてあげてしまうのだ。

また、何より原因が分からないからもやもやがずっと続いてしまうのである。

それこそ死ぬまで。


厄介なもので手の打ちようがない。

正直お手上げである。

ブロックされた本人は何とか一日でも早くそのことを忘れなければ、体内に毒が回ったまま苦しんでしまう。


ただ唯一逃げ道があるとすれば、しつこいようだが人に話し、聞いてもらうことである。

その「よく分からないけどブロックされた」事実を終わらせてしまわねばならない。

そうでなければあなたは恐らくずっと正解のない問と向かい続けることになる。

心を擦り減らしながら。



SNSの恐ろしさ、分かってもらえただろうか?

世間一般に言われているようなリスクはもちろん、私個人としてはこっちの方が恐ろしいと感じている。


皆様はどうか、多数意見は絶対的に正しい意見というわけではないこと、そして「ブロック」されたからといってその答えを探し続けない事の2点を守ってほしい。


そして人に聞いてもらおう。あなたの悩みを。

この世界は一人では生きられない。

そのようなシステムで構築されているのだ。

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