八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさんと誰かさん。その2。
八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさんと誰かさん。その2。
八雲 「うわぁ~! また負けたぁ~!!」
龍くん「八雲ー弱すぎだぜー」
八雲 「俺が覚えているところばっかり狙うなよ!」
龍くん「神経衰弱なんだからしょうがないだろ」
八雲 「こんなんじゃ、夏目に勝てない」
龍くん「なに? 夏目と勝負するつもりだったのか?」
八雲 「うん、勝負して勝ったら、今度やる『どんとこいメモリアル☆』のイベントについて来てもらうんだ。会場でもらえる限定クリアファイルがお一人様一枚で、種類もランダムだから人手がいるんだよ! 龍も来てよ!」
龍くん「そういうことかよ。俺は別にいいけど、夏目はそういう所、好きじゃないだろ」
八雲 「わかってるよ! だから正々堂々勝負を挑んでるんだろ!」
龍くん「今のところの勝敗は?」
八雲 「15戦15敗」
龍くん「……。勝負をトランプゲームにしたのはどっち?」
八雲 「夏目だけど?」
龍くん「(夏目、絶対行く気ないな)……八雲、諦めろよ。神経衰弱じゃおまえは一生夏目に勝てないよ」
八雲 「なんでそんなこと言うんだよ! 龍だったら前向きなアドバイスをしてくれると思ったのに!!」
龍くん「でもさー。おまえ、マジで勝てると思ってる?」
八雲 「うっ。それは……」
龍くん「15勝した夏目は何か見返りを求めたか?」
八雲 「いや? なにも?」
龍くん「だろ? 本当ならそれってもう勝負じゃないじゃん。夏目は八雲に負けない絶対の自信があるからだよ」
八雲 「そ、そうだったの!? くそー! 俺をバカにしてー!」
龍くん「っていうか、たぶん夏目は誰にも負けない自信がありそうだな」
八雲 「俺は無謀な勝負をずっと挑んでいたのか……。いや、薄々気づいてはいたけど……」
龍くん「うーん。でもちょっと夏目を負かせてみたいよなー」
八雲 「龍できるの!?」
龍くん「俺も勝負してみようかな。けっこうゲームは得意だし」
八雲 「本当!? やった! 俺の代わりに夏目をやっつけてくれる!?」
龍くん「おう、まかせろ! 勝って、夏目を俺のコスプレ専属モデルにしてやるぜ!」
八雲 「ちがうよ! 主旨が変わってるよ!」
八雲くんの望み、叶わず。