八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさんと誰かさん。その1。
八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさんと誰かさん。その1。
八雲 「弁護士が主人公の小説とか書いてみたい! どんな参考書が参考になるかな」
夏目くん「六法全書」
八雲 「重いよ! 内容も、重量も重いよ! もっとライトなのがいいよ!」
夏目くん「必要な情報がそろっている」
八雲 「そうだけど! 俺に読めるようなものがいい!」
夏目くん「法律って言っても千差万別だ。どんなものを書きたいんだ」
八雲 「ええと、なんか日常的によくあるようなものがいいな」
夏目くん「例えば?」
八雲 「無銭飲食とか?」
夏目くん「無銭飲食の罪名は?」
八雲 「そりゃお金払わないんだから、窃盗罪でしょ」
夏目くん「違う。詐欺罪」
八雲 「え? 詐欺なの!? なんで!?」
夏目くん「店側に提供する意思があったかなかったか。窃盗は店の商品をレジを通さず黙って持ち去ること。無銭飲食の場合、店は客のふりをした人間に注文された料理を出している。騙されたとはいえ、店は提供する行為を行っているから、それに対し支払いをしないのは「相手を騙した」ということで詐欺罪になる」
八雲 「……説明されたら納得したよ。法律ってそうやってできてるんだ。おもしろいけど、小説のネタにするのはかなり勉強しないとダメだなぁ」
夏目くん「今すぐどうこうというより、知識の一つとして知っているくらいでいいんじゃないか」
八雲 「いや! 今すぐ法律を扱う小説も書けるぞ!」
夏目くん「ほう?」
八雲 「武器はもちろん六法全書だ!」
夏目くん「想像はついた」
八雲 「それを物理攻撃で使う! 絶対痛い!!」
夏目くん「そんなことだろうと思った」
またのんびりおつき合いください。