3話
がんばってあと1日は、書くんでよろしくお願いします
By白
「…はぁ?!ちょ、ちょっと待て無理だから結婚なんて、つーか何故そうなる!」
白は思わず動揺してしまった。そこへ畳みかけるように和都は続けた。
「私は、私に勝てる人相手じゃないと結婚しないって決めてるから。
残念ながら、今の私に勝てる人はお父さんくらいだけど…」
その時点で白は観念した、というより考えるのをやめた。
和都の発言に対して考える方が面倒臭くなったからだ。
どうやら和都との決闘は避けられないようである。
こうなったら適当に決闘して負け、
こいつはただの落ちこぼれで、ギリギリまぐれで合格したんだと思わせ、
自分への興味をそぐしかない。
白はそう判断しなおし、和都に返答した。
「もういい、戦えばいいんだろ、戦えば…で、ルールは?」
決闘ができることに分かりやすく喜んだ和都は満面の笑みで即答した。
「一本勝負でいい?」
「何でもいいよ。攻撃を加えられたら一本ってことでいいか?
あと万が一、40番の俺が、1番のお前に、万が一勝ってしまったとしても、
お前と結婚はしないから。それでいいよな?」
和都にとっては「結婚はしない」というのが不満だったようだが、
そこで議論していてはいつまでも決闘ができないし、
もしかしたら白の気が変わってしまうかもしれないと思ったのだろう。
少し考えたのちに
「分かった」
とだけ返し、闘技場へと移動を始めた。
その後に続くようにして白も闘技場へと移動した。
闘技場の中には、3組ほど決闘をしている者がいたが、
和都が来ると1番の決闘に巻き込まれたくないと思ったのか、
そそくさと全員が出て行ってしまった。
すでに面倒くさくなってきている白は、
「早く終わらせよう、だるいし…」
と、言葉通りのだるそうな態度で和都に告げた。
最初から白のだるそうな態度に全く関心を払っていなかった和都だが、
その態度から早く終わらせるために、
わざと負けられるかもしれないと心配になったようで、
「あなたちゃんと本気だしなさいよ」
と念を押す。
そんな和都の考えを知ってか知らずか、その言葉に対しても白は
「はいはい…あ、結界張ってもらっていいか?…俺も死にたくはないんでね」
と、至極だるそうに返答した。
和都は本当に分かっているのか疑わしそうに、しばらくじっと白を見ていたが、
諦めたように短く溜息を吐いて、白に返答した。
「いいわ。…言い忘れてたけど、武器と魔法と体術はありだから」
「分かった…つーかその三つ使えなかったら決闘にならないし。
武器OKなら妖刀とかも使っていいよな」
「うん」
「じゃあ始めますか」
先ほど武器について聞いたにもかかわらず、白は手ぶらのまま、そう言い放った。
和都もそれを疑問に思ったようで、
「武器は?」
と問いかけたが、白は
「大丈夫、大丈夫。それより早く終わらせようぜ…眠くなってきた…」
としか返さず、あくびをし始めた。
その行動に決闘が流されるかもしれないという焦りを強めたらしい和都は、
すぐに魔器を取り出して周りに結界をはった。
白はそれを受け、和都に提案する。
「コインを投げてそれが地面に落ちたら始まりってことで。…いいよな?」
和都は待ち望んだ決闘が始まることに高揚しているのか、
いささか凄惨な笑みを浮かべながら即答した。
「いいわ。…始めて」
白はポケットから銅貨を取り出し―投げた。
2015/11/23
文末がぷっつり切れてたのを修正しつつ、少し改変いたしました。