ハンブンコ
とある双子のお話です。
なんかグデグデですけど、よろしくお願いします。
僕達兄弟。
そうそう、それに、双子なんだ。
見た目、性格、喋り方まで、ほとんど一緒。
違うとしたら、性別くらいかな。
僕達は、小さい頃に両親が離婚してから、お父さんの手だけで育てられてきた。
お母さんすごいダメ人間だったもんね。
だから、生活が厳しかったんだ。
でも、そんなに辛くなかったよ?ほら、僕達兄弟だから、なんでも半分こ。おもちゃとか、物だけじゃなくて、楽しいことや、辛く、悲しいことも。
でも、ある日、お父さんがいなくなっちゃったんだ。遺書も書かずに。
びっくりしたねー。毎日楽しそうに笑っていたのに。やっぱり大変だったんだろうね。
……で、僕達はお父さんを探しに出たんだ。警察は、大嫌いだったから、自分達で。
でも、見つからなかった。それどころか、住宅地のど真ん中で二人とも倒れちゃったんだ。
あの時は本当に疲れと空腹が極限まで達していた状態だったからしょうがないよ。意識も朦朧としてたもん。
気がつくと、家の中だった。どうやら誰かに看護されてたらしく、体のいたるところに包帯が巻いてあった。
そこで、サキに出会ったんだね。
まぁ、元はと言えばあいつに看護されてたようなものだけど。
……懐かしいなぁー。あの頃はまだみんな中3だったから。あいつも私服が剣道着だったし。
あ、あと、「 」さんに会ったのもあの頃だよね‼︎
そうそう‼︎いやー、懐かしい。
……おっと、もうこんな時間か。
本当だ。そろそろ支度でもしようか。
だな。
……ここに、瓜二つの双子が、二人。
この二人、見た人は口をそろえてこう言う。
「まるで、狐や狸に化かされたようだ」と。
僕達兄弟。
さぁ、どっちがどっちか分かりますか?