幻想日記~この(幻想郷)中に一人、天照がいる!~
某日、某、森にて……。
「暇だなー」
そう呟きながら、暇そうに欠伸をする狼。
「なにか無いかn」
時既に遅し。
「何でぇぇぇぇぇぇ!?」
狼は隙間に落ちていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ふ、わぁ~」
暖かい日差しの中、大きく口を開け欠伸をする。
……あ、ども。白夜です。今日は特に何もなく、凄い良い日だ。良い日なんだけど……。
「……平和過ぎる」
そう。平和過ぎる。ほら、嵐の前触れってやt「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ドン!
悲鳴と共に落ちてきた何かに、押しつぶされた。
「あー危なかった……とりあえず人に戻ろう」
僅かだが、背中で感じる重さが増える。
……とりあえず、退いてほしい。
「む、なんか失礼な事言われた気がする」
「てか、早く退いてくれ」
「あ、ごめん」
そう言って、落下物(白夜命名)は俺から退く。
重さから解放された俺は、少々痛みの残る腰を抑えながら立ち上がった。
「えっと……あんたは?」
白く、美しいというよりも可愛いと行った感じの容貌の少女に聞く。
「私? 私は天照だよ」
「いや、名前じゃなくてさ」
「? 他に何があるの?」
「えー……パラジクロロベンゼン?」
「意味が分からないよ! なんで有害な物質なの!?」
いきなり強いツッコミを入れる落下b「落下物じゃなくて天照!」……天照。
うーん。よく分からないボケをしてしまった。白夜ショック。
「まぁ、いいや。なんで天照は落ちてきたの?」
俺の問いに、天照は首を傾げる。
「んー……何でだろうね。なんか、いきなり足元に穴があいて……あ」
天照が何かに気づいたようだ。てか、足元に穴って……。
「「紫か……」」
足元に穴があくとか、まんま紫のせいじゃん。あれか? この前の妖狐さんみたくまたやらかしたってか?
「兎に角、犯人は紫しかいないよな」
「そうだね。早く、元居た幻想郷に戻らないと……」
「戻らないと?」
「……別に、何もないけど」
「いや、ないんかい」
「あ、でも、「私」と言う存在が消えたから、地下に埋めてあった水爆が百個程爆発するかも」
「今すぐ帰れ! すぐさま帰れ! 世界の平和を守れ!」
軽い調子の世界滅亡宣言にツッコム。
天照は笑いながら答えた。
「あはは……まぁ、兎に角だよ。私が帰るには紫を探さないと……」
「まぁ、そうだな……うん?」
なんか違和感があった気がする。
「天照。さっきのもう一度言ってくんない?」
「お前の物は俺の物、俺の物は俺の物ってやつ?」
「どこのジ○イアンだよ!」
「あ、あれか。I am the bone of my sword. (体は剣で出来ている。)
Steel is my body, and fire is my blood. (血潮は鉄で、心は硝子。)……」
「どこの固有結界だっ! 別に俺は宝具なんか食らいたくないっ!」
「えー……あ、あれか。このモンスターのエフェクト発動! このモンスターがフィールドを離れたとき! 相手フィールド上のモンスターを全て破壊する!」
「別にアブソルートzeroの効果なんてきいてないっ!」
「でもアブソルートからのマスクチェンジでアシッドだすと相手フィールド上一掃出来るよね」
「確かに強いけどさ! 今はそんな話をしてるわけじゃない!」
はぁはぁ、と息をする俺。
「そうじゃなくてさ。ほら、「元の幻想郷に帰る」ってやつ」
俺が指摘すると、天照は態とらしく「あぁ!」と手をポンと叩いた。
「うん、そうだよ。私、この世界の「幻想郷」とは違う「幻想郷」からきたんだー」
えっへんとありもしない胸を「ちゃ、ちゃんとあるし!」……ちゃんとある胸を張りながら言う天照。
「ま、兎に角戻るにもここ(白夜の居る幻想郷)の紫に会わないとね」
にっ、と笑う天照。
「それじゃあ、紫のとこ行かないとだな」
「そうだねー」と、同意する天照。
「それじゃあ、マヨイガにしゅっぱーつ!」
天照が、意気揚々と歩き出す。
「あー天照。もっと早い方法があるんだが……」
「うん? ならそっちにしよ! 早いに越したことないしね……それで、どうするの?」
興味深々っ! と言う感じで俺を見てくる天照。まぁ、見てろって。
「すぅ……あぁぁぁ! こんなところに油揚げがあるぞー!」
あるぞー、あるぞー……と、辺りに木霊する。
……。
天照が痺れを切らしたように言ってきた。
「ねぇ、何にも起きないじゃn「油揚げーッ!」わぁっ!?」
ドドドドドドッ!
油揚げと叫びながら、俺達のとこに狐が走ってきた。
「よ、藍。元気か?」
「油揚げっ♪油揚げっ♪……油揚げ?」
俺の質問を無視して、油揚げを探す藍。完全キャラ崩壊だなこりゃあ。
「……ねぇ。あっち(天照の幻想郷)にも藍って居たんだけどさ。藍って、もっとしっかりしてるお姉さん的な人じゃないの?」
「これを見てそう思えるか?」
「……いいや。……もしかして、おかしいのは私なのかな……」
頭を抱える天照。大丈夫だよ。天照の頭は正常だから。
「まぁ、いいじゃん……ところで藍。紫ってどこにいるか分かる?」
油揚げを渡しながら言う。
藍は、油揚げをハミハミしながら答えた。
「ムグムグ……紫様? ……ゴックン。紫さまなら博麗神社に行くと言っていたぞ」
「そっか。分かった」
「それじゃあ、これで」
「おう」
藍はそう言うと、ふわりふわりと飛んでいった。
「って訳だ。博麗神社に行こーか」
「……うん(藍が……納得行かない……)」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「さてつきました博麗神社」
「え? 嘘? なんでいきなり博麗神社に……」
「作者の力だ。必要なさげな所はバッサリカットする程度の能力」
「なんか編集者とかに使えそうな能力だねぇ!?」
まあまあ。どうでもいいじゃん……っと。
「よーい、霊夢ー」
「あ、白夜」
向こうで掃除していた霊夢を呼ぶ。
霊夢は、こちらによって来た。
「久しぶりね。昨日ぶりかしら?」
「いや、昨日ぶりで久しぶりとは言わないだろ」
そんなやりとりをする。
……と、霊夢が天照に気づいた。
「白夜? こっちの馬鹿みたいに力が強い人は?」
霊夢が不安そうに聞く。
「こいつは天照っていうんだ」
「天照? 天照って天照大神の事?」
「さぁ、分かんね。……でどうなんだ?」
天照に聞く。……が、天照は。
「……クッ!」
と、額を抑えていた。なんだ、その「アァァッ!? 頭があぁぁぁ!?」みたいなやつ。
「ちょっとあんた。ちゃんと返事しなさいよ」
霊夢が、身長のせいで、下から天照を見上げる。
その瞬間。
「れ、霊夢ぅぅぅぅぅぅ!!」
「っ!? きゃあ!!」
……あ、天照が霊夢(10歳位)に抱きついた。
「ああもう! 霊夢可愛いよ霊夢! 頭の髪の毛から足の爪まで全部可愛いよ霊夢!」
あ、天照が暴走した。
「ちょっ!? な、何を……ひゃん!? そ、そこはダメぇぇぇぇっ!?」
……あぁ……ヤバい。ヤバいよ。目の前にとっても説明出来ない状況が出来あがってるよ。天照がやってる事は只くすぐってるだけなんだけども手先が……。
「いやぁぁぁぁぁぁっ!?」
霊夢の悲鳴が、幻想郷に響き渡った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そして数時間後……。
「お、鬼……もう私、お嫁に行けない……」
服が乱れた霊夢が言う。
……何があったんだよ。……俺か? 恥ずかしくなって見れなかったけど?
「あー、すっきりした!」
被害者の霊夢に対し、加害者の天照はなんだかとってもツヤツヤしていた。何をやってたんだ……。
「……な、なんだぜこの状況」
「あ、魔理沙」
箒からフワリと魔理沙(10歳)が降りてきた。
「白夜? 何で霊夢はこんな(見せられないよ!)的な状況になってるんだ?」
魔理沙が聞いてくる。
その時。天照の目が怪しく光った。
「幼魔理沙ぁぁぁぁ!!」
天照が魔理沙に突っ込む。
「な、何なんだぜこいつ!」
魔理沙は身の危険感じたのか、箒に飛び乗り空に逃げようとした……が。
「逃がすかぁぁぁぁぁ!」
「!? きゃあ!?」
魔理沙が飛び去る前に箒に飛び乗る天照。バランス崩した魔理沙はそのまま地面に倒れた。
「うへへ……」
天照が手をワキワキさせながら魔理沙に迫る。
「や、やめるんだぜ!?」
「ふへへ……ふへへへふぐっ!?」
流石にいろいろ危なかったため天照の頭をビシッと叩く。
「いい加減にしな。てか、本来の目的忘れてるだろ?」
「うん」
「はっきり返事すな!」
全く。よくわからない奴だ。これで本当にあの、「天照大神」だったら神様終わってるな。(注、神様です)
「で、何のために博麗神社きたんだっけ?」
「はぁ……お前。紫に会いに来たんだろ?」
アハハ、と笑う天照。
「全く……ところで霊夢。紫ってどこにいるか知らないか?」
乱された服を直しながら、霊夢は答える。
「あー、紫ってあの隙間の? そいつなら、「麟はどこ?」って聞いてきたわよ。知らないって答えたけれど」
「あ、マジで?」
なる程なる程。……てか、何で紫は麟を? 麟ならアリスん家行ってるはずだけどな。
「うーん、じゃあまた探さないとなぁ」
そう言って、天照の方へ向く。
「……貰ったぁ!」
「甘いぜ! 恋符「マスタースパーク」!」
「甘い甘い! ハバネロより甘いよ!」
「それはそうなんだぜ!?」
……何やってるんだよ……。
「ほら、天照行くぞ」
天照の首根っこ持つ。
「あぁ! もうちょっとだ「駄目だ」むぅ……」
猫のようにおとなしくなる天照。
「そいじゃあ、またな」
「また来なさいよ」
「またなっ!!」
魔理沙、霊夢に別れを告「魔理沙ぁ! 霊夢ぅ! またねーっ!!」……別れを告げ、俺達は紫を探しに行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「さて。突然だが、兎に角麟を探そうと思う」
「本当に突然だね。……麟って、さっき紫が探してるって人でしょ? 何で?」
「いや、大した理由はないけどさ。ちょっと襲ってこようと思って」
「対した理由だよ! かの有名なスカーレット警察に逮捕去れるぐらいの大した理由だよ!」
「嘘だよ嘘。九割九分九厘本気なだけだから」
「襲う気満々じゃん!」
「ま、茶番はこれぐらいにしといて」
「今の練られた茶番だったんだ!? 私なんも知らないんだけど!!」
「まぁ、兎に角そう言うわけだから」
「どういう訳なの!?」
「紫と麟が(ピーッ!)で(ドッカーン!)で(バキューン!)って訳」
「どんなけハードなの!? 健全な小説じゃなくなっちゃったよ!?」
「大丈夫。作者が編集で(ピーッ!)とか(バキューン!)とか入れてくれるから」
「完全作者便りだねぇ!!」
「……よし、満足。あー、遊んだ遊んだ」
「えぇ!? 私、遊び道具にされてたの!?」
天照がギャーギャー言う。それをサラリと華麗に無視して、俺は話した。
「つまり理由はだな。紫って、あのどこにでも行ける隙間があるだろ? だから、麟を探し出してもう一緒に居るかと思って。変に色々探すより可能性はあるしな」
「んー……そうだね。んじゃあ、しゅっぱーつ!」
「着いたぞ」
「着くの早っ!? まだ一分経ってないよねぇ!?」
「あぁ、経ってない。経ってないけど……世の中には、理解出来ないほど理不尽な事が溢れてんだよっ!!」
「なんでそんな深刻そうに言うのかなぁ!?」
またもやギャーギャー言い出す天照。そんな天照を優雅にスルー「しないでよ!!」し、アリス宅、ドアをノックする。
「おーい、アリスー!」
「ん? 白夜? シャンハーイ! ちょっと変わりにドアを開け……あれ? シャンハイ?」
そう返答が来た後、少しするとアリスがドアを開けてくれた。
「ごめんね。シャンハイがどこかに行っちゃって……白夜?」
アリスが顔を覗いてくる。
「……あ、アリス。シャンハイ見つかったよ。……ほら」
とある方を指差す。
アリスが釣られてそちらを向く。
「シャ、シャンハーイ……」
「あぁっ!! シャンハイ可愛いよシャンハイ!」
スリスリ。
その、戯れる天照と、戯われる人形を暫く直視する俺達。
「ちょ、ちょっと! 何なのよあなた!」
アリスが言い放つ。
「あ、私? 私は天照だよー」
「は、はぁ?」
訳が分からない、と言った表情を浮かべるアリス。
「び、白夜! あいつ何なの!?」
「……大丈夫。あんな事してるけど、本当は大丈夫なやつだから」
アリスに言う。
そして、シャンハイから天照を引き剥がした。
「……シャンハーイ……」
引きはがされたシャンハイは、フラフラと俺の頭へと飛んでいき、「も、もうだめ……」と入った感じでくたっとした。
「さて。シャンハイも救ったし……アリス。麟来てない?」
「麟ちゃん? タイミング悪いわね。ついさっき帰っちゃったわ」
「マジか……」
本当、タイミング悪「シャンハーイ! こっちおいでぇ!」いな。……よっと。「きゃあ!? ドシン!」
「ま、しょうがないか。……おい、天照。次行くぞ次」
地面に顔から突っ込んでいる天照の襟を掴む。
「あ、そうだった。……おい、シャンハイ。起きろ」
頭のシャンハイをつつく。
シャンハイは、実に元気なさそうに、ふわふわとアリスの頭に収まった。
「それじゃあ、まだ用事あるから」
「えぇ。またお茶でもしましょうね」
「ん、オッケ。それじゃあ」
俺達はアリスの元を離れ「シャンハーイ! じゃあぁねぇ!」……アリスの元を離れ、次に向かった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「さて、着いたぞ紅魔館」
「うん、ついたねー」
「……ツッコまないのか?」
「うん。もう慣れた。慣れって怖いねー」
そんな会話をしながら紅魔館に入る。尚、門番さんは仕事率17%な為、ナイフが刺さって伸びていた。
「とりあえず、帰ってきてる筈の麟を探「あ、白夜さん」……さなくてもいいや。うん」
麟が、ドアからひょっこり顔を出す。
「あなたが麟ちゃん?」
「はい? そうですよ」
麟が不思議そうに天照を見る。
「白夜さん。この神様は?」
「あぁ、こいつは天照。ロリとロリとロリが好きな健全な奴だよ」
「ロリが好きな時点で果たして健全と言えるんですか!?」
麟がツッコむ。
「そうだよー、だからよろしくね麟ちゃん」
「あなたは否定しましょうよ!!」
天照にもツッコむ。
「と言うわけで。ギュッ」
「おいこら天照」
「なにー?」
「なぜ麟に抱きついた?」
「いや、可愛いから?」
「よろしい。ならば戦争だ」
「えぇっ!? 今まで態度が違うよ!?」
「今までは今まで。麟は別だぁぁぁぁぁぁ!!」
「何でそんな気合い入ってんのさ!?」
「白夜さん……(///)」
「そこぉ!! 照れないで白夜止めてよ!」
ギャーギャー言いながら、あっちこっち走り回っていると……。
「……あなた達。何してるの……」
紫が疲れたように言った。
「「あ、隙間BB……」」
「それ以上言ったら存在事消し飛ばすわよ?」
ニコォォ! と、笑う紫。
「ごめんごめん。嘘じゃないから」
「えぇ、分かって……って嘘じゃないの!?」
「っていう事が嘘」
「こいつとってもめんどくさいわ!!」
「またまたぁ~、今に始まった事じゃ無いだろ?」
紫に言葉を返す。
そこに、天照と麟が乱入した。
「大丈夫、紫?」
「あなたは……大丈夫よ。別に、私より年が行ってる幽々子より何で私が「BBA」なんて言われるかだなんて……これっぽっちも気にしてないわ」
「めっちゃ気にしてんじゃん!?」
天照が驚く。
紫は下を向き、「フフフ」と乾いた笑いを起こした。
そんな紫に、麟は話しかける。
「大丈夫ですか? BB……紫さん」
「麟ちゃん? 今、何言おうとしたのかしら?」
「な、何でも無いですよ。只、心の中の考えが表に出て来てしまって……」
「麟ちゃんは内心そんな事思って入るのね!?」
およよ~と、泣き崩れる紫。……よし。ここは男らしく、フォローしてやろう。
「大丈夫か?」
「あなたが張本人じゃ……はぁ、もう良いわ。大丈夫よ。ありが――」
よし今だ! 好感度激上がりのフォローを仕掛けるんだ!
俺は、紫BBA呼ばれをフォローすべく、口を開いた……。
~10分後~
「あははははっ♪ もうなんて呼ばれてもかまわないわぁ~♪ 紫でもBBAでもカカロ○トでも何とでも読んでくださぁ~い♪ ウフフフフフ!」
と、紫が言いながら踊り狂うカオスな状況が出来上がっていた。
「あははははっ♪」
そう言いながら、踊り続ける紫。
そして、嫌な視線を送ってくる二人。
………………。
「とりあえず逃げ「「逃がすかぁ(しますかぁ)!」」おべっ!?」
天照と、麟の二人に取り押さえられる。
「ちょっと白夜さん! 何で紫さんがあんな事なってるんですか!!」
「い、いや。気がついたらなんか……」
「なんかじゃないよっ!? フォローしようとしてるだけで何で人をおかしく出来るのさ!?」
「いやぁ~……才能?」
「そんな才能すぐに捨てなよ!!」
「いや、才能捨てなよ言われても……」
困るんだがな。うん。
「とりあえず、紫を……てゐっ」
「ふにゃん!? ……あら? 私は一体……?」
よっし。元に戻った。
「「戻ったの(んですか)!?」」
天照と麟の二人の頭上に「!?」のマークが浮かぶ……ようなきがした。
まぁ、そんな二人のことは優美にスルー。
紫が、不思議そうに言った。
「私何を……白夜。私、数分前の記憶が無いのだけれど」
「大丈夫。問題ないさ」
「本当に? ……とりあえず、白夜にBBAって呼ばれて、白夜に説得されて、頭がふわふわなってよくわからない意味不明な事を口走ってたような気がするのは夢よね?」
「思いっ切り覚えてんじゃん!?」
「まぁね。隙間妖怪は伊達じゃないから」
紫が何故か胸を張る。……チラッ。
「な、何で私を見るんですかっ!?」
あ、バレたか。別に大した事じゃないんだけどさ。……前に、麟が「何で胸ないんだろ……」とか言ってたのを思い出しちゃって……。
「というか。そろそろ本題に入って良いかしら?」
紫がどこから出したのか分からない時計を見ながら言う。
見せてもらうと、もう16時を回っていた。
「良いわね? ……とりあえず、あなた。あなたって、「天照大神」様でしょう?」
天照を見ながら言う。……まさかね。
「いやいや。こんなやつが「天照大神」だなんt「そうだよー」なん……だと!?」
まさかだった。本当だったのかよ……。只単に、天照って名前なのかと思った。
「でも、天照様。あなたはこの世界の神では無いのですよね?」
「うん。私は違う幻想郷から来たんだ」
天照が言う。
……ていうか。俺、そんな天照大神様なんかにボケたりツッコんだりしてたのか。
「知らなかったなぁ……」
「え、白夜さん知らなかったんですか?」
麟が驚く。
「ん? じゃあ麟は知ってたのか?」
「知っていた、というか。……何だか蝶華さんと同じ感じがしたので、そうかなーって」
「ま、まじか……」
なんだよ。麟も薄々感づいてはいたんじゃんか。
「……本題戻るわね? とにかく天照大神様。あなたを元の世界にお送りいたします」
「わかったよー」
天照が紫の元に行く……が、途中でこちらを向いた。
「まぁ、私がこっちにきたのは、意図的じゃ無かったんだけど……楽しかったよ。とっても」
天照が笑う。
「あー、もう行っちゃうのかぁ……」
少々の切なさを感じつつ呟く。
「まぁまぁ。もう一生あえないって訳じゃないんだしさ」
紫の方を示しながら言う天照。
「それじゃあ、また」
「おう……と言いたいところだが、麟は置いておこうか」
「ちっ、バレたか。バレないようにしたつもりだったんだけどな」
「いや、逆になんでバレないって思ったんだよ!」
少しの間、沈黙になる。
そして、同時に「あははっ!」と吹き出してしまった。
わらいながら、天照は麟を離した。
そして早いことに。
「んじゃあ、またね!」
天照は、隙間に入っていった。
「あ、おい!」
引き止めようとしたが、隙間は既に閉じてしまっていた。
「……なんかせわしない奴」
俺は呟く。
「私、もっと話したかったです……ていうか! あんな人と居るんだったらなんで早く教えてくれないんですか!」
麟がぶーと頬を膨らます。
「まあまあ。あえない訳じゃないんだし。今度会いに行こうぜ」
こんな感じで。異世界から来た神様とのコンタクトは終わったのだった……。