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プロローグ
平穏な異世界、デルテミア。
魔法関係の異世界にしては珍しく戦争もなければ魔物も居ない、ある種珍しい場所であった。
そこには、魔法学校があり、その学校が結界を張っているためにその環境が成り立っているのだ。
この地に住んでいる子供のうち、子供学校を出た者の7割はここに通うことになる。
10歳になり、子供学校を卒業したのでその魔法学校に入学することになった、どこにでも居そうな少年レイ。
周りの同年代が軒並み光学科と闇学科の二大超エリートコースに受験する中、彼は一人風学科専願で受験する。
レイには魔法が学べるようになったらやってみたい夢があった。
その夢の1つを実現するためにどうしても風魔法が不可欠だったのだ。
その夢のため、彼は周囲の中でただ一人、風学科を専願で受ける。
周りの大人は両親除いて皆反対してきたが、気にすることも無く受験し、見事首席で通った。
……風学科への専願受験者の人数を知った時、レイは唖然とすることになったのだが。
これは、努力と実験と魔法が大好きな少年の魔法学校の生活記録である……。