序章 ロスカ続きのFX。EA探しの旅が始まる
ある男が携帯の画面を見ながら叫んでいた。
「くそっ…またFXで負けた!」
FXでマイナスが続いていた男は、思わず携帯を投げそうになっていた。
給料は上がらず、親の介護で疲れていた。
生活水準を少しでも上げたくてはじめたFXは、買えば下がる、売れば上がる…を繰り返し、少しずつ資金を減らしてしまっている。
『どうせ丁半博打みたいなもんだから、勝てるときもあるだろ』
そんな気持ちでFXをはじめ、見事に負のスパイラルにハマっていたのだ。
「…あと、8万くらいか…?いや、まだいけるハズだろ。
ん?なんだこりゃ。EA?
EAってなんだ…?」
携帯の画面に現れたのは、1つのバナー広告だった。
簡単導入!EAでFX!
そんな見出しが目に入る。
簡単に導入できるというのは魅力的だった。
特に、男にとっては。
思わずバナーをクリックすると、目の前に突然少女が現れて携帯を覗き込んできた。
「…お主がバナーを押したのかえ?
ふむふむ…つまりはEAに興味があるんじゃな?」
「な、なんなんだお前!どこから出てきた!」
「ふむ…まずもっともな疑問じゃな。ワシはEAの伝道師、エアちゃんじゃ」
「え、エアちゃん…??」
男はマジマジと目の前に現れた少女を見つめた。黒色のサラリとしたロングヘア。神社でよくいる巫女のような格好をしていた。ただ一つ違うのは、まるで狐のような耳と尻尾が生えている所だった。
「うむ!最近はFXで神に祈る輩が多くての。力を持って現れるようになれたのじゃ」
「それじゃ…これをやれば勝てるって事なのか…?」
男は思わず唾を飲み込む。
「阿呆が」
七色にきらめく瞳が少し細くなりながら見つめてくる。
「設定や稼働時間、諸々の要因で必ず勝てる、なんてあるわけないじゃろ。そんな事を言ってるといつまでも養分のままじゃ」
「それじゃ、イラネ。大切な金をそんなのに使ってたまるか」
「輪をかけた阿呆か。今まで自分でやって資金を溶かしてきてるんじゃろ?お主」
「……」
「だから、じゃ。色んな戦略はEA…自動売買システムに任せて、リスクを低くしながら利益を出していくのがお主にはあっとるかもしれん、という事じゃ」
「…ははーん…」
話が読めてきた。これは最終的に金を要求される新しい詐欺だ!
「詐欺に渡す金はない!」
ゴン
「無礼者めが!ワシを詐欺よばわりするとは何事じゃ!」
「いっつ……!!」
額に鈍い痛みが走った目の前の女を睨みつけると、女…エアも涙目になりながら額を片手で抑えながら涙目でこちらを見ていた。
お前も痛いんかい。
「お主等の祈りがワシを具現化したんじゃ!一生懸命出てきたのになんでいきなり詐欺呼ばわりされなきゃならんのじゃ!」
詐欺と言われたのがよっぽど嫌だったらしい。少しばかり良心が傷んだ。
「い、いきなり出てきて金とかリスクの話をするのが悪い…」
真っ当な意見は言ってる自覚はあるが、思わず語尾が弱くなってしまう。
「まず、ちゃんと話を聞くんじゃ。それでやるもやらんも、お主次第。これでどうじゃ?」
ぐいっと顔を近づけられる。
「わかった…」
俺はこうやって騙される事が多い。特にこうやってめっちゃ好みの女の子の顔がまっすぐこちらを見てくるのに弱い。前に上司に誘われて行ったキャバクラでも好みの女の子が席についてくれて、貢いだ上で玉砕したばかりだ。
…自覚はしてる。自覚はしているが可愛い女の子の顔に弱いものは弱いんだからしょうがない。
非モテで何が悪い。
そう。これはちゃんと相手に意見が言えるようになる試練だと思えば悪く無い。
そう思い直した俺は、エアを見つめて頷いた。
「詳しく話を聞こうじゃないか」
「よく言った!そう言えば、お主の名前をまだ聞いておらんかったのぅ。名はなんと名乗る?」
「俺の名前は…そのまま、主と読んでくれ。なんならお兄ちゃんでもいい。ご主人様でもいいぞ」
「お主にしとく。変なツボを押しそうじゃな」
いそいそと目の前に座ったエアは、さっそく俺の携帯を奪って操作しはじめた。
「…ふむ。国内口座を使っとるのか。裁量ならそれでも構わんが、EAを使うなら海外口座じゃな」
「いきなりハードルが高い」
「なにを言う。銀行口座だって持っとるじゃろ?こんなの、おちゃのこさいさいじゃ!」
ブイ、と言いながら指でvの字を作り満面のえみを向けてくる。可愛い。
「まずは、じゃな…ここ、XMが使いやすかろ」
ぽちぽちと携帯を操作するとこんな画面が出てきた
「ほれ、ここから登録してみい。新規登録の時の画面じゃ」
「そうそう。名前や住所の登録…あとは本人確認じゃ。免許証とかを持っているならそれで大丈夫じゃ」
「手慣れてるなぁ…」
「そりゃ、お祈りされる回数が多いからのぅ」
「な、なるほど…それだけ利用者が多いって事だな?」
「その通りじゃ」
妙に納得は出来た。
「まずここまでじゃな。次は…」
「EAの設定か?」
「うむ。まずは一つ、設定をしてみるか?本当はいくつか説明をしてからの方が良いかと思ったんじゃが…」
「とりあえずお前のオススメで入れ方を教えてくれ」
「エアちゃんじゃ」
「……エアちゃんのオススメで」
そう言い直すと、エアは満足そうに笑った。
【注意事項】
FXは投機的な意味合いが強い取引内容となります。
紹介しているEAにより、利益を確約するものでは決してありません。
EAの導入により損失が出ても責任を負うことはできませんのでご了承ください。
また、投資に関する助言等は一切行っていませんので
各自の判断にてご利用及び活用を行って頂けますようお願いします。
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