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GHOST

作者: はとたろ

素敵なハンドウォーマーとの一期一会に喜んでいたはずなのに…

私を待ち構えていたのは予期せぬ人とのとんでもない再会だった

いたっ…


クリスマスカラーが街を彩る12月


お気に入りの雑貨店で一目惚れしたファーのハンドウォーマーを即買いしてご機嫌に歩いていた…はず…だった…のに…


テンションが上がり過ぎたのか 浮かれて足元を見なかったからなのか…突然つまづいてド派手に転倒


うう…左足痛めたかも…


ズキッ……


痛い…たて…る…かな…


ズッキイィィィン…


痛いっ…こんな街中でこけて立てないなんて…カッコ悪いな…


うう…どうしよう…



「大丈夫か?」


立てずにおろおろしていると背後から聞き覚えのある懐かしい声がした


え…こーちゃん?


「おいおい、相変わらずそそっかしいな…よせよせ、無理に立つな…よっ」


「ちよ、ちょっと待って…」


数か月ぶりに再会した友達以上で恋人未満のこーちゃんは軽々と私を抱き上げスタスタ歩き出す


これ…お姫様抱っこじゃん…みんな見ている気が…って…あまり注目されてないみたい…だ


昔からただでさえ目立つ長身モデル体型のイケメンが小柄な女を颯爽と抱き上げ歩く姿は少女漫画的な無敵さだ…


「車で来ててよかったぜ」


愛車の助手席にそうっと乗せられ彼はハンドルを握り


「とりあえず折れてねーか、診てもらったほうがいいぞ」


整形外科に向かいながら苦笑いするこーちゃん


「引っ越してから連絡とれなかったから会えて嬉しい…どうしてたの?」


こーちゃんはほんの一瞬、微妙な表情を見せて口を開いた


「お前の携帯…通じなくて…着拒されたかと思ったぜ」


「うそ、かけてくれたの? ぜんぜん気付かなかった! こーちゃんの番号知らないし…」


「なんか…久しぶりだよね…まさか会えるとは…もうちょっとマシな再会したかった…」


痛みと恥ずかしさでテンション下がり気味の私の頭を長い指で優しく撫でてくれる


優しいとこも変わらないな…


かっこよくて優しくて大好きなこーちゃんは妹の高校時代の同級生で6つ年下


学生時代から「おねーちゃん」って呼んで親し気に接してくれた


年下ならぬ大人のムードの彼は精神年齢的にも童顔の私よりだいぶおにいさんだったので「ぱぱあん」なんて呼んで甘えていた


こーちゃんの連絡先を知らなかった私は妹が結婚して海外に行ってからなんとなく疎遠になり引っ越してからも連絡がとれないまま優しい記憶は心の奥の思い出の彼方へとしまわれていた


「ひびは入っていませんよ。捻挫ですが炎症反応が高いので、湿布とロキソニンを処方しておきましょう」


病院代の持ち合わせがなかったのでこーちゃんが支払ってくれた


「何から何までごめんね…迷惑かけて…ありがとう」


「家まで送るよ」


「うん…」


すぐに着いちゃうな…せっかく会えたのに…どうしよう…


考え込んでいると頭をポンとされ


「メールしたぜ」


え???


ほんとだ、メール受信になってる


やった! 連絡先と住所ゲット~♪


そうこうするうちに家に着いてしまい抱っこされて玄関のドアの前で鍵を開ける


「お邪魔しま~す」


こーちゃんはソファに私を座らせると


「キッチン借りるぞ」と言って冷蔵庫を開けるとありあわせの野菜で手短に焼きそばを作ってくれた


いい匂い…誰かに作ってもらうの久しぶりだな


「出来たぞ~仕上げにマヨビーム♪」


私がマヨラーなの憶えてくれてたんだ…


「食え食え、スタミナつけて早く治そうぜ」


「うん、美味しそ~いただきます」


ズズ…あ…ソースが私好みの薄味で野菜もちゃんと入ってる


なんだか…心に染み入って…涙…出てきた


「おうおう、泣くほどうめえか!  おめえよぉ、ろくなモン食べてねんだろ」


「すごく美味しい、まこちゃんがこーちゃんは焼きそば名人だって言ってたから一度食べてみたかったんだ」


「そっか、そいつぁ光栄だな…俺の分も食えよ」


「1人だと作る気しなくって…」


「もったいねえな、スープの魔女の名が廃るぜ」


「だね」


泣き笑いしながら頬張る焼きそばは温かくて美味しくてもさもさ喉につっかえる感じも心地よかった


「ごちそうさま、美味しかったよ~ありがとうね」


こーちゃんは冷凍庫からアイスを出してきてテーブルに置いてくれた


いつの間に…買ってくれたんだろう


「アイスモナカと白熊、好きだろ?」


「嬉しい、よく憶えてたね」


足が熱を持っているせいかアイスが美味しい!!


嬉しそうにアイスにがっつく私をこーちゃんは優しい瞳で見ている


「おめえの好きなのたくさん入れといたから好きなだけ食べてな」そう言って二時間ほどいてくれた


「また連絡するな…安静にな…大人しくしてろよ」


玄関まで見送ろうとした私に「いい子にしてねえと怒るぜ」


そう言いウインクして帰って行った


運転する彼の車の音が遠のいていくと悲しくなってなんだか突然拾われて放り出された子犬みたいな気がして私は泣いた


そうだ、メールでお礼いっておこ


携帯画面を見るとさっきまであった連絡先が消えている


嘘…さっき…たしかに送ってくれたよね…


気が変わって削除した?

ううんうん、私が携帯を持っていたからそれはあり得ないし…なんか…わけ、わかんないや…



「帰らないでって素直に言えよ…」


耳元で囁かれてギヨッとして振り向くと目の前にこーちゃんがいる


なに…え、え、どーゆーこと?



「俺ね…もう存在してねえんだよ…だから消えちまう…」


ショックで頭が真っ白になる



「それって…こーちゃん…」


「しー…」


言いかけて唇を奪われ私の脳は考えることをやめてしまった


「じゃあ、こーちゃんも消えちゃうの? そんなのやだ、絶対にやだ、」


半べその私を見つめて彼は囁いた


「消えねえよ…ずっとお前の傍にいてやる」


「それって…」


再び云い終わらないうちに長い口づけをされ 私は気が遠くなっていった


※※※※※※※※

















見つけてくださり最後まで読んでくださった方へ…


未熟な作品にお付き合いいただきありがとうございました


大好きな人をモデルに書いた短編です

人生は本当に驚きの連続でいつ、何が起こるかなんて予測出来ないから面白いのかもしれません

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