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第7話 傍点打ってる?

 傍点ぼうてんとは、文字を強調したいときに打つ点のことです。圏点けんてん脇点わきてんとも呼ばれます。強調だけでなく、注意を引いたりする目的でも打ちます。

 縦書きならば文字の右横、横書きならば文字の上に打ちます。


 例:私は()()に気付かなかった


 面白いことに、これはアジアの一部の言語でしか使われていないそうです。確かに、英文で見かけたことはありません。


 例:I didn’t notice the ()()()()


 ね? 見たことありませんよね? 横書きだと『i』の上に傍点、変ですよね。


 印刷・出版の世界では、この傍点にも種類があります。以下に羅列しますが、環境依存文字なので表示されない方はごめんなさい。


 ●(黒丸)

 ○(白丸)

 ◉(蛇の目)

 ◎(二重丸)

 ﹅(黒ゴマ)

 ﹆(白ゴマ)

 ▲(黒三角)

 △(白三角)

 ×(バツ)


 私が利用している小説投稿サイトは『アルファポリス』『エブリスタ』『カクヨム』『小説家になろう』の四か所ですが、いずれも傍点は()()のみです。これはブラウザで表示する都合だったりワープロの機能の都合だったりと理由があるのです。これについては、CSS(カスケーディングスタイルシート)やDTP(デスクトップ・パブリッシング)やワープロソフトの技術的な話題に及んでしまうため、ここでは省きます。

 どうしても()()以外の文字を使いたい場合は、傍点挿入の機能を使わずにルビ(読み仮名)として使いたい文字を振れば良いでしょう。

 余談ですが、CSSとDTPの読み方をルビにしなかったのにも理由があります。

 CSSカスケーディングスタイルシートDTPデスクトップ・パブリッシングとなってしまって不格好だからです(笑)


 さて、この傍点の記述方法ですが、やはりそこは各サイトごとにルールが異なります。私が利用している四か所それぞれの記述法を色々な文章ごとにまとめてみました。



 ①『 ()() 』の記述法

  (単語の前に文字が無いケース)


  ( )《痛み》》

   ※アルファポリス・エブリスタ・カクヨムの傍点挿入ではこうなる

   〇アルファポリス・カクヨム・エブリスタ

   ×小説家になろう

    ( )《痛み》》 と表示される



  |( )《痛み》》

   ※「|(縦線)」が半角

   ×アルファポリス・エブリスタ

    |()() と表示される


   ×カクヨム

    ( )《痛み》》 と表示される


   ×小説家になろう

    (痛み)》 と表示される



  |( )《痛み》》

   ※「|(縦線)」が全角

   ×アルファポリス・エブリスタ

    |()() と表示される


   ×カクヨム

    ( )《痛み》》 と表示される


   ×小説家になろう

    (痛み)》 と表示される



  |痛《・》|み《・》

   ※「|(縦線)」が半角

   ※小説家になろうの傍点挿入ではこうなる

   〇アルファポリス・エブリスタ・カクヨム・小説家になろう

    ()() と表示される

    『・』をルビとして振っているので文字サイズが小さい

    ルビなので()()以外(♀♂)も可


  |痛《・》|み《・》

   ※「|(縦線)」が全角

   〇アルファポリス・エブリスタ・カクヨム・小説家になろう

    ()() と表示される

    『・』をルビとして振っているので文字サイズが小さい

    ルビなので()()以外(♀♂)も可



  #痛み__・__#

   〇アルファポリス

    ルビと同じ記述法だが『・』の文字が小さくならない

    ()()以外を記述するとルビとして扱われるため

    #痛み__◎__# → 痛み() となってしまう


   ×カクヨム・小説家になろう・エブリスタ

    #痛み__・__# と表示される



  |痛み《・・》

   ※「|(縦線)」が半角

   ※小説家になろうのルビ挿入ではこうなる

   〇アルファポリス・エブリスタ・カクヨム・小説家になろう

    痛み(・・) と表示される

    『・』をルビとして振っているので文字サイズが小さい

    ルビなので()()以外(♀♂)も可


  |痛み《・・》

   ※「|(縦線)」が全角

   〇アルファポリス・エブリスタ・カクヨム・小説家になろう

    痛み(・・) と表示される

    『・』をルビとして振っているので文字サイズが小さい

    ルビなので()()以外(♀♂)も可



 ②『私の()()』の記述法

  (単語の前に文字が有るケース)


  私の( )《痛み》》

   ※アルファポリス・エブリスタ・カクヨムの傍点挿入ではこうなる

   〇アルファポリス・エブリスタ・カクヨム

   ×小説家になろう

    私の( )《痛み》》 と表示される



  私の|( )《痛み》》

   ※「|(縦線)」が半角

   ×アルファポリス・エブリスタ

    私の|()() と表示される


   ×カクヨム

    私の( )《痛み》》 と表示される


   ×小説家になろう

    私の(痛み)》 と表示される



  私の|( )《痛み》》

   ※「|(縦線)」が全角

   ×アルファポリス・エブリスタ

    私の|()() と表示される


   ×カクヨム

    私の( )《痛み》》 と表示される


   ×小説家になろう

    私の(痛み)》 と表示される



  私の|痛《・》|み《・》

   ※「|(縦線)」が半角

   ※小説家になろうの傍点挿入ではこうなる

   〇アルファポリス・エブリスタ・カクヨム・小説家になろう

    私の()() と表示される

    『・』をルビとして振っているので文字サイズが小さい

    ルビなので()()以外(♀♂)も可


  私の|痛《・》|み《・》

   ※「|(縦線)」が全角

   〇アルファポリス・エブリスタ・カクヨム・小説家になろう

    私の()() と表示される

    『・』をルビとして振っているので文字サイズが小さい

    ルビなので()()以外(♀♂)も可



  私の#痛み__・__#

   〇アルファポリス

    ルビと同じ記述法だが『・』の文字が小さくならない

    ()()以外を記述するとルビとして扱われるため

    私の#痛み__◎__# → 私の痛み() となってしまう


   ×カクヨム・小説家になろう・エブリスタ

    私の#痛み__・__# と表示される



  私の|痛み《・・》

   ※「|(縦線)」が半角

   ※小説家になろうのルビ挿入ではこうなる

   〇アルファポリス・エブリスタ・カクヨム・小説家になろう

    私の痛み(・・) と表示される

    『・』をルビとして振っているので文字サイズが小さい

    ルビなので()()以外(♀♂)も可


  私の|痛み《・・》

   ※「|(縦線)」が全角

   〇アルファポリス・エブリスタ・カクヨム・小説家になろう

    私の痛み(・・) と表示される

    『・』をルビとして振っているので文字サイズが小さい

    ルビなので()()以外(♀♂)も可



 同じ記述方法でも、小説投稿サイトによって表示の違いがありますね。ルビの記述法と同じく傍点についても、小説家になろうで書いたものを他のサイトにコピーする作家さんが多いのも納得です。ただし文字サイズが傍点ではなくルビになってしまいますが。

 ところで、カクヨムでの事例になりますが、画面に『 《《痛み》》 』と表示させたい場合に、どのように記述しているか分かりますか?

 単に『 《《痛み》》 』と記述すると、『 ()() 』 と表示されるはずです。今回のように記述法をそのまま表したい場合は、編集画面ではルビや傍点が無効になるような工夫をしています。


 (二重鉤括弧・)(全角スペース・) (縦線・)《《(二重山括弧×2)痛み≫≫(二重山括弧×2・)(全角スペース・) (二重鉤括弧)


 カクヨムとエブリスタでは「《」と全・半角問わず「|(縦線)」にルビが振れないため上記では「≪≫」と環境依存文字の「❘」で代用しています。

 アルファポリスでは「≪」にもルビが振れないため「⦅」で代用しています。更には、アルファポリスではルビの文字を括るのに「≪≫」が使用できるのと「|」で傍点とルビを無効にできないため「⦅⦆」を使っています。

 小説になろうでは、「|(縦線)」と「》」「≫」にルビが振れませんでした。


 これが結構大変なんですよ。書いてはプレビュー、書いてはプレビューで試行錯誤でした。「|(縦線)」を入れることで「《》」によるルビや傍点を無効に出来たり出来なかったりと、各サイトごとに色々と記法の違いがあるのです。

 私はカクヨムで執筆したものを他の三サイトにコピーしています。コピー先ごとにその記法にのっとって直してはプレビューの繰り返しです。

 これについてもルビの回と今回の傍点の内容に盛り込みたかったのですが、まだまだ研究が足りません。まとまり次第、それぞれの回に追記したいと思います。


 記法の違いによる直しをしたくない場合は、傍点を使わずに括弧などで括ってしまうと良いかもしれませんね。英語など傍点を使わない言語では強調も引用も括っていますから。

 公的な文書や学術論文、学校での作文などでは記号の使い分けが決められていますが、ウェブ小説やブログなどでは傍点と括弧の使い分けが曖昧になっています。引用なので「」『』が望ましい単語に()()が打たれていたり、強調なので()()が望ましい単語が『括弧』で括られていたりします。現に私も上手に使い分けられていません。むしろ好き勝手に使っているような状況です。


 今回は記述例を多く挙げたので、文字数がかなり多くなってしまいました。

 自分用の忘備録として書き始めたエッセイですが、同じ疑問を持った方への情報提供として、少しでも役に立れば嬉しいです。

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