表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/100

98 俺達の完勝

神の力を宿し生まれ、5歳の時、創造神により神界に保護され育てられる。神界で磨かれたその力は、既に神の域すらも超えているのではと、12柱の神々は囁く。

 〝ブンッ!〟

「ここじゃない」


 〝ブンッ!〟

「ここでもない」


 〝ブン……〟

「ここも違う」


 転移の衝撃波だけを残し、

 アルティスが地上を縦横無尽に駆け巡る。 


 〝ブン……〟

「……あった!」


 足を止めたその場所は、砂漠のど真ん中。


「気配、やっと見つけた!

 この地中……遥か深層……

 星の核に近い場所……めちゃくちゃ深いな」


「く、くそ〜!あの小僧……

 長い年月を掛けて準備してきた、

 我の計画を台無しにしおって!」

「〝あの小僧〟って俺の事?」

「!!!! な、なぜここに!?

 どうしてここが分かった!?

 お前は今、我ら悪魔の領域で、

 戦っているはずではないのか!?」


「質問ばっかだな。

 ああ、戦ってるよ?今頃は、まだね」

 にやりと笑う。

「俺は10時間後の未来から来た……ん?

 それもちょっと違うか?」

「お前はいったい何を言っている……」

「もう良いよ?シャル叔父さん?」

「あ?シャルだと?

 何を言ってる?気でもふれたか?」

「隠さなくても良いよ?

 今の姿は、邪気に()かれて異形の姿だけど、

 俺には分かるよ?心の奥底から、

 シャルおじさんの助けを求める声が聞こえる……」

「フハハハハハ……奥底だ?

 シャルなんぞ最早何処にも存在してないわ?

 しかし我の元がシャルだと何故気づいた?」

「あんた、俺の事よく知ってるみたいだったからな?

 それに、俺の事、〝神の力さえ凌ぐ〟とか言ってたろ?

 そんなこと言うのは神界の12柱の神だけだよ」

 アルティスの瞳が鋭くなる。


「神界、魔界、地上……

 いちいち姿変えて、忙しかったでしょ?」

「……」

「じいちゃんは気づいてた。

 叔父さんを大好きだった俺もね」

「……気づいてた?」


「シャル叔父さんは、世界中の『負の感情』……

 憎しみ、怒り、悲しみ…………

 そういった全ての黒い感情ーー

 数千年分の呪いにかかってる」

 一歩、近づく。


「地上にちょくちょく行ってたから、

『負の感情』に狙われたんだ。

 シャル叔父さんは、優しすぎたんだよ……

 地上が気になって何度も何度も……」

「ふんっ……まあ良い。最早これまで」

 魔神が笑う。

「今のところは我の負けだ……今のところは……な?

 だがしかしアルティスよ。こうしたらどうなる?」

「こうしたら?」

「お前が以前、我に見せてくれた、

 負のエネルギーと正のエネルギー……

 それがぶつかると起きる大爆発!

 それを起こすのが、我の作ったこの魔道具。

 そして3年掛けて溜めた、正と負のエネルギー……

 よく見ておくが良い。そして大いに苦しむが良い!

 言っておくが壊しても爆発が起きるぞ?」

 〝ギャ〜〜ハハハハ!〟

 ーー狂笑


「これで引き分けだ……さらば……あ?」

 魔神は身体が動かない。


「な、何だ……動けぬ……!?」

「さっきの長話、何でしてたと思う?」

 アルティスが静かに笑う。


「あの時、こっそり魂を繋いでた。

 俺とシャル叔父さんの魂を」

「なに……!?」

「俺が繋いだんだ。簡単には切れない。

 もう指一本動かせないでしょ?」

「くっ……もうすぐ爆発するぞ!

 我もろとも消えたいのか!?」


「ああ、それ?」

 軽く肩をすくめる。

「負のエネルギー、もう中和したよ」

「な……」

「前に相殺しきれなくて痛い目見たからね。

 研究済み。しかも応用済み。

 俺の正のエネルギー付与剣、凄かったでしょ?見てた?」


「クッ……クソッ……エーテルの力を失っている、

 お前に何故こんな真似ができる?」

「あっ、それもう一度説明する?」

「もう一度だと?何を言っておる」

「さっき説明したばかり……って、

 あ、そうか、この時間のあんたには初めてか?

 めんどくさいな……えっと………………」



「何?お前のエーテルは冬眠状態じゃないだと?

 この期を待った意味はなかったと?

 クソッ!良いか?このままで済むと思うなよ?いつか……」

「もちろんこのままで済ませるつもりはないけど?

 その状態で言う?」

 ふと気づけば、空間が、暗く染まっていた。

「何だこの暗闇は?」

「バカだな、これ、あんたの闇じゃないか」

「な、何故我の身体から闇が抜ける……」

「抜けるんじゃなく俺が抜いてるの。

 ほらもう直ぐ打ち止めじゃない?」


 〝ガクッ……〝

 膝をつく()()……イヤやもう既に『負の感情』は身体の外、

 ()()()()に戻りつつある。

 闇は光に包まれ、ゆっくりと消えていく。

 魔神の負のエネルギーは、完全に中和された。


 ーーじいちゃん。後は任せて良いかな?

 ーーうむ……よくやってくれた。

 時を操作した件は……まあ今回は不問じゃ。

 シャルの事は、わしに任せるが良い。

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ